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898: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/08(月) 00:14:58.61 ID:Dxkn67iY0.net
O・ヘンリー「運命の道」 

フランスのとある村、羊飼いの青年は恋人と喧嘩別れした 
青年はその勢いで村をおん出てパリに行き、 
かねてからの夢である詩人を目指すことにした 
パリに向かう道を進んで行くと、左右の分かれ道に出くわした 
さて、どの道を選ぶ? 



右に進んだ場合… 
ナントカ侯爵とその姪に出会う
侯爵は悪いやつらしい
気の毒な姪を救うため侯爵と銃で決闘する
→撃たれて死ぬEND

左に進んだ場合…
パリで一目惚れした女に手紙を頼まれるが、
それが暗殺グループの手紙だったのでとっ捕まる
暗殺ターゲットの替え玉にされる
→撃たれて死ぬEND

元の道を戻った場合…
村に戻って恋人と仲直り
結婚して羊飼って幸せに暮らす

899: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/08(月) 00:15:39.99 ID:Dxkn67iY0.net
が、詩人の夢を捨て切れず詩を書くのに没頭
羊番がおろそかになり、狼に羊とられる
貧乏になり女房ブチ切れる
書き溜めた詩を文学者に読んでもらうが、
才能がないと言われて絶望
羊番に使うと言って古道具屋の銃を買う
→銃で自殺END

どう進んでも銃で死ぬEND、それが全てナントカ侯爵の銃

900: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/08(月) 00:23:20.98 ID:pYzONhua0.net
どんな人生を作ろうと、運命の行き着く先なんか一つってことなんだな

901: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/08(月) 00:35:13.20 ID:Dxkn67iY0.net
ついでだが、「運命の道」は作者O・ヘンリーの実体験が元では?という説あり

O・ヘンリーは起訴された事がある
それで裁判所に出頭するため列車に乗ったが、
途中の乗り換え駅で、魔が差したのか逃亡した
罪を問われない可能性も高かったのに、なんで逃げちゃったかは不明

しばらく隠れていたが、妻が危篤になったと知って戻って来た
妻は亡くなり、O・ヘンリーは懲役を受けた

彼はあの時の「乗換駅」と、「運命の道」を重ねていたのかもしれない
もしあの時、逃げ隠れしなければ…
だが、どの道を選ぼうと、それが運命だったのだ、
と、自分を納得させようとしていたんだろうかね…

902: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/08(月) 01:02:47.28 ID:D2ecM0Ca0.net
ガラスの仮面に出てくる「エクンドラへの道」みたいな話だな

幼馴染の恋人を捨て村を出て都会エクンドラで一旗揚げようという青年
旅の途中で道が三つに分かれていて、そこに立っている老人が
「これらの道は全てエクンドラに通じてはいるが、またどれも通じてはいない」

青年はそれから三回「この道を選ぼう→夢だったのか」を繰り返す
最初の道からエクンドラに来た場合はギャングになって裏社会人生を送っていた
二番目の道からエクンドラ入りしたらセレブ人妻と不倫の果てに頃してしまう
三番目の道からエクンドラに来た場合の人生もろくなもんじゃなかった
毎回、選んでから数年~十数年後には「こんなはずじゃなかった
こんな人生嫌だやり直したいあの時別の道を選んでたら…」と思ったら
老人の立っている分岐点に地理的にも時間的にも戻ってて「夢だったのか」と

三回も失意の人生を送った青年はついに自分の選ぶ道を見つける
前方の三本の道はどれもエクンドラという土地に通じてはいたが
自分がエクンドラに対して持っている理想の人生への道ではなかった
ならば後ろの道を選んで引き返し、幼馴染と村で幸せな一生を終えるのだ
青年は満足し希望を胸に村へと引き返していった


………そんな都会の街自体が諸悪の根元みたいに言われても
街でまともな人生送ってる人もたくさんいるんだし
主人公にDQNの素質があっただけなんじゃねーのとモヤモヤする
それに老人の正体や目的が不明のままで、主人公に三度も夢を見させたのか
実は主人公は本当にエクンドラで何十年も過ごしてたが老人に時間を巻き戻す能力が
あるのか、そのへんも不明のままで終わった

912: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/08(月) 08:17:05.90 ID:HcEQwY7V0.net
>>902読んで思い出した。

中国の伝奇小説『枕中記』。

邯鄲の街の茶店に一人の老人客が居る。店では親爺が飯を炊いている。
そこへ鍬を担いだ若い男がやって来る。まだ日が高いのに畑仕事を放り出して来たらしい。
男は席につくと「大の男が、こんな風に生きていくのか」と不平を口にする。
それを聞いた老人は白磁の枕を取り出し「まあ横になりなさい」と男に勧め、
それに従って横になると、枕に開けられた穴が次第に大きくなり、人が通れる程になり、
男はその中に入って行った。

暫く後、男は大貴族の婿になり、その推薦で官職に就く。
昇進して得意になる事もあれば、政変で左遷され、失意の底に沈む事もあった。
だが最後は宰相まで上り詰め、病気になれば宮中から医者や見舞いの使者を派遣される程に
皇帝から信任され、大勢の子供や孫たちに囲まれながら大往生を遂げる。

男は伸びをして起き上がった。見回すと、そこは元の茶店。親爺が炊いていた飯はまだ炊き上がっていない。
呆然として、枕を勧めた老人に「夢だったのか?」と尋ねると、「人生とはこうしたものだ」という返事。
それを聞いた男は老人を拝し、鍬を担いで仕事に戻って行った。

913: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/08(月) 14:08:47.26 ID:KAFyE8xc0.net
一炊の夢か。でも>>912とはだいぶ違わないか?

914: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/08(月) 15:36:49.19 ID:XZj13ncZ0.net
>>912原案の倉橋由美子『大人のための残酷童話』収録の話があったなー。

倉橋版だと、男が夢の中で一生を終えると別の老人が現れてまた枕をもらい、その枕で寝るとまた別な人生を送る夢を見て・・・がエンドレスで続く、という筋立てだった。
しかも、最初に枕を渡した老人がエンドレス状態に気づくも「先生がまたいたずらをなさった。もう私の手には負えない」って枕だけ持ち帰っちゃうっていう。

この方がよっぽど後味悪い気がするのだが。

916: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/08(月) 17:26:01.14 ID:D2ecM0Ca0.net
>>902だがごめん
今確認したらガラスの仮面の中でのタイトルは
「エクンドラへの道」じゃなくて「運命」だった
ちなみに演じてるのは主人公達の劇団じゃなく別の劇団

903: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/08(月) 01:18:26.60 ID:Dxkn67iY0.net
「運命の分かれ道」的なモチーフはたくさんあるだろうね
最初にこのモチーフを扱った作品は何なのか探したくなった

904: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/08(月) 01:28:04.63 ID:Y+BgzkV90.net
運命は収束するって何かで言ってたな

出典: 後味の悪い話 その152