178 :本当にあった怖い名無し:2006/12/07(木) 16:57:51 ID:MtnOsW8v0
『願望』
高3のときに、部活で夜間山行に行った
メンバーは俺含めて四人
丁度今頃の時期で上り始めたのは五時位だったけど山中は真っ暗
受験終わってすぐだった俺は、体力が落ちてるのを感じつつヘトヘトになりながら何とか上りきった
頂上でさっさとテントを張り、夕食を済ませ、九時には床についた

それで夜中に物音で目が覚めた
明らかに人間の足音
誰かが便所でも行ってんのか?と思ったがどうもおかしい
ずっとウチらのテントの周りを歩き回ってる
それで人数を確認すると俺含めて四人
外では相変わらず足音が響いている
よく聞くと何だかボソボソ言ってる
「帰りたい…帰りたい」
それ以外の言葉を知らないように、ひたすら呟き続けていた
思わず悲鳴を上げそうになると後ろからどでかい手が俺の口を塞いだ
何とか振りほどいて後ろを見ると寝てたはずの顧問が真面目な顔で俺を睨んでた
質問しようとすると口を塞がれ、喋るな、と言わんばかりに首を横に振る
何も喋らないでじっとしているとやがてスッと足音が消えた
すると顧問がやっと口を開いた
「反応すると引張られるぞ、最悪連れてかれる」
訳が分からずポカーンとしていると
「人だった奴の嫉妬は酷いってことだ」
と言い寝てしまった


長文駄文スマソ

***



229 :本当にあった怖い名無し:2006/12/10(日) 15:58:18 ID:8R7Gb3+Q0
以前オカンスレでも書いたんだが

自分の母親は、以前巫女さんをやっていた
結婚式の時に演奏する雅楽の竜笛って言う楽器を担当していて
家でもよく練習していた
竜笛はフルートみたいな横笛で、楽譜はドレミの音符じゃなくて
「ト・ラ・ロ」とかカタカナで表すんだ
笙(ショウ)や篳篥(ヒチリキ)って言う楽器と一緒に
演奏するんだって(これは余談です、ごめんなさい)

そんな母(と言うか父の影響か)は結婚前から登山が趣味だったようで
連休になると、よく山に連れて行ってもらった
その日もよく行く山に連れて行ってもらい、テントを張って寝た

その日、夜中ふと目が覚めた。トイレに行きたくなったんだと思う
いつもなら気配を察して父が起きてくれるのだが、その日は起きてくれなかった
外からは耳慣れた竜笛の音が聞こえる
妹の隣で寝てる筈の母親の姿が無いので、テントの外に出ると
大きな岩上で、母が竜笛を吹いていた
その時、満月だったのかどうかは忘れたが、月明かりの下で笛を吹く母親は
子供ながらに素敵だなあと思ったのを覚えてる


で、母親に「なにしてるの?」みたいに声をかけると
母親はものすごい勢いで岩から降りてくると
自分を連れてテントに戻った

あとで聞くと、眠れなかったかなんかで外に出ると月がきれいだったし
周りにテントを張っている人も居ないので、竜笛の練習をしようと思ったらしい
すると、周りに霊の様な、精霊の様な、とにかく人間じゃないものが集まって来た気配を感じた為
やめるにやめられず、竜笛を吹き続けていたのだと言う
自分が出て来て声をかけると、その気配が消えたので、急いでテントに戻ったらしい

なんとなく不思議な話だなあと時々思い出すよ

竜笛についてググッて見たら
>「龍笛」はその名のとおり、空を舞う龍の鳴き声であると言われており、
>天を表す「笙」・空を表す「龍笛」・地(人)を表す篳篥で合奏することによって、
>1つの宇宙を表していたと伝えられています。
とあって、何となく神様が聞きに来たんじゃないかな、とメルヘンな想像をしている

長々と申し訳ない

***

242 :本当にあった怖い名無し:2006/12/11(月) 15:43:50 ID:Kh5lVSCK0
↓怖くないけど、不思議だなと思った話

小中学校の頃、長期休暇になるとほぼ毎回、家族で登山に行ってた

その時、たしか小学校4年生だったかな。GWだったと思う
初めて沢登りをする事になっていて、父と2人でテントを後にした
この日の為に、家でザイルの結び方を練習したり、
初めてちゃんとした登山靴を買ってもらっていたので
本当に楽しみにしていた

天気もよくて、登山客も多かったと思う
そばに滝が流れていて、滝の上まで行くぞ!って事になってた
自分が父と一緒に沢登りをはじめると
周りの大人たちが「頑張れ!」とか「すごいぞ!」とか
褒めてくれたのを覚えてる

ザイルを確保してくれてる父が、とても頼もしく見えて
安心しきって上っていると、手をかけた場所に蛇がいた
鎌首をもたげた蛇にびっくりして、思わず手を離したら体勢が崩れた


父も突然の事に驚いたのか、一瞬体勢が崩れたんだ
「落ちる」って思って、父の顔を見た「死ぬのかな」とも思った
でも、その時、父の後ろからもう一本腕が見えた様な気がしたんだよね

不思議と細い、白い(日焼けしていない)腕に見えた

気がつくと、父はしっかりと踏ん張ってザイルを掴んでくれていた
ぶらんとザイルに吊られる様な形だったけど、
後から来たおじさんが、お尻を押してくれて元に戻れた

ただ単に、父がしっかりと踏ん張ってくれたから助かったのかもしれないし
そう考える方が自然なんだけど、滝の上についてから父に腕の話をしたら
ちょっと考えてから「山の神様は女の人だって言うよ」と教えてもらった

やっぱり山には神様がいて、怖いけど、不思議で素敵な場所なんだなって思った
神様が助けてくれたんだ、って今も思ってる

***

695 :ヘタレハンター ◆PUHk/ACHXc :2007/01/07(日) 23:53:35 ID:lZllxzIS0
こんにちは。
今日の体験です。

こりもせず、馬の死体があった山付近を巻いてきました。グループ猟です。

無線から流れる勢子衆の声を聞いてニンマリ。私のタツマに向かってきています。
この寒風の中、日陰で2時間我慢した甲斐がありました。
安全を外し、木化けして。目だけ半眼にしてじっとまっていました。

パサパキ・・・と落ち葉を蹴散らす音が聞こえ出しました。安全外したのを右手指で
確認・・・音はこっちに来ます。
黒い塊を見た瞬間(距離15Mほど)銃を構えようとしたら体が動かない!
動くのは目玉だけです。焦りますがビクとも動かない。

『焦ってはなりません』という声が聞こえました。え?何!?誰が後ろにいる!
パニックに近いんですが・・・目玉しか動かせないとどうにもなりません。
その間に目の前5Mを中型のイノシシが遁走していきます。

隊長にどやされる・・・(目の前抜けていったシシに一発も撃てないのでは、
下手すればぶん殴られます)と思ったら・・・・

『さ 来ましたよ』 またさっきの声が。真後ろあたりから聞こえます。
またカサパキ音が。
さっきより大きいのが目の前の斜面を落ちてきます。でかい。

今度は体が自分の意のままに動きました。斜め前から バシッとな。
コケたシシは私の足元まで滑ってきました・・・。
200Kほどの大物を一撃で捕獲。

ほっとしていたら隣のタツマから2発銃声。さっき逃げたのも
抑えることが出来ました。

獲ったシシで昼間からモツナベとなりましたが、しつこく質問されて
往生しました。 ----なんで二匹目がいるってわかった?----

金縛りで動けませんでした、といっても誰も信じてくれず・・・。

聞こえた声を思い出すと、落ち着いた女性の声・・・でしたね。

697 :本当にあった怖い名無し:2007/01/08(月) 00:04:23 ID:klECSEXV0
なにその素敵な女神様

***

745 :本当にあった怖い名無し:2007/01/14(日) 01:26:36 ID:2k3wLLkO0
子供の頃、山の中の祖父の家に遊びにいった時の事。

沢から少し離れた木立の中に、大きな丸石を敷き詰めた小さな石畳がありました。
四隅には窪みがあり、これは昔、柱を立てていたあとなのか。

すぐ間近で「かっぽかっぽ」と馬の蹄が石畳を叩くような音。

木々の梢が風でザザ、ザザと鳴る中で「かっぽかっぽ」の次に何が起こるかと待つわたし。
しばらく佇むも「かっぽかっぽ」の音が続くのみ。
飽きてその場を後にした。

祖父に石畳の跡をたずねた。
その場所は獣の皮を剥ぎ、沢ではらわたを洗う人達が居た場所。
病気になったり年老いて捨てられた馬や牛の繋がれた場所。

あまり穢地にいくなとしかられた


***

807 :‡猟師‡ ◆4y1/qmBtgs :2007/01/19(金) 21:51:05 ID:aT2rprTeO
親父の猟師仲間が山神様の日に鹿狩りに出掛けた。
猟師には暗黙のルールがある。
『山神様の日には何人たりとも山に入ってはならない』
だから折れも親父もその仲間も山神様の日には山には入らない。
俺はその日、散弾銃を整備していた。
親父は山神様の日だからと仲間を集めて酒をのんでいた。
親父の仲間が酔っ払い、不意にいきり立ち
『何が山神だ!こんなイイ天気なのに山に入らないなんざ嘘だろが!』
と自分の銃を持って山狩りの準備を始めた。
親父も仲間達も彼を制止したが彼はその年獲物を落としていない事に苛立っていた

ここから先は本人の話だ。
山は静まり返り、昼間なのに鳥の声も無く、耳鳴りがした。
それでも獲物を探して山を散策していると白い着物を着た女がいた。
場所と服装に違和感を覚え遠巻きに女を観察していると不意に彼女はこちらに気がついた。
振り向いた女の顔はケモノのような忘れられないほど醜い顔をしていた。
『ヤバイ』
彼はこの世のモノではない雰囲気に寒気立ち逃げた。
彼女はそれに気付き奇声を上げて追ってきた。

命からがら彼は逃げ切ってこの話を顔面蒼白な顔をしながら親父達に伝え、一週間ほど寝込んだ。

猟師にはルールがある。

山神様の日には山に入るな。

山に女は入ってはならない。

醜い山神が自由に行動できる日が山神様の日。
男を求めてさ迷い歩き取って喰らう日

山に女が入れば醜い山神は嫉妬に怒り、山を荒らす。

古くから伝わる猟師の口伝。


元スレ:∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part31∧∧