田舎育ちで、あまり家に鍵をかけるという習慣が薄かった俺。

一人暮らしを始めてもその癖はなかなか抜けず、こっちが留守でも友人が勝手に部屋にいて、俺を待ってたりとかもよくあった。
もともと盗まれるだけの金も無かったし、気にしてなかった。




ある日、夜遅くに帰ることがあって、外から見ると部屋に明かりが。
また誰か部屋で寝てたりするのかと思いながら、ドアを開けると風呂から音が。
幾らなんでも友人も勝手に風呂は使わない。
靴を確認すると見ない靴。

玄関は豆球しかついていなかったのであまり細かく確認せずにいたら、1kなので台所から出入りできる、風呂の間の仕切りが開いて人が出てきた。
しかも相手は女性。マンガのような状況に。

お互いしばらく硬直。

悲鳴でもあげられるかと思いきや、スタスタと流しの方へ。
備え付けの包丁差しから万能包丁を取り出して、こっちに向けて突き出してくる・・・
薄暗い中で包丁を振り回されて、死ぬかと思いました。

何が何だか分からないが、逃げ出してから携帯から部屋の備え付けの電話へかけて、相手が出てくれてからやっと事情が判明。
俺の住んでたアパートはA棟とB棟があり、それぞれ6室ずつあったんだが、越してきたてでA棟とB棟とを間違ったとの事。
もともと家具などはある程度備え付けのような感じだったため、違和感を感じなかったそうな。
呼ばれた警察にも色々と言われたりして大変でした。

相手も災難だったでしょうが、包丁を振り回されたときの怖さときたら・・・。
かなり混乱してたらしく、本気で刺されててもおかしくなかった。
今でもたまにアパートの入り口で会ったりすると、少し気まずいです。