579: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/30 08:45
これから僕が書くことは、むかし出版社につとめていた親父がある人に書いてもらった体験談ですが、ある事情でお蔵入りになっていたものです



580: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/30 08:46
できることなら、霊だとかそういうものには二度と触れずにこのまま後生を過ごそうと思っていたのですがここに記すことによって、あの頃の私のような向こう見ずな人々を自粛させる事ができるのなら、あの時の償いができるのではないか、またこの忌々しい傷跡が消えるのではないかと思ったしだいであります。

1979年8月14日の事です。
私は21歳で、若さと好奇心にあふれる学生でありました。その年の5月3日、私は中学時代からの友達であった井上、村山、井出(すべて仮名)とともに実家からそう遠くはない、UFOが出没することで有名な山に登ったのですが空振りに終わり「今度こそは」という想いでこの調査旅行を計画いたしました。

しかし、何を思ったのかUFOが現れなかった時のための二足のワラジということで当時流行っていた降霊陣というものを左の腕の付根(ちょうどBCGのあたり)に描いていったのです。

581: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/30 08:46
20時に実家近くで彼らと落ち合い、私の運転する車で南に走ること2時間、当時バイトの先輩に教えてもらったとある村へと辿り着きました。

その村というのは私の母方の祖母の村の隣、といっても海抜では1Km近くも上にあり、当時その村に登るための道は2本しかありませんでした。

そのうちの1本が私の祖母の家の前を通る道なのですが、道幅は2M程しかありませんし、もう1本の道よりも山奥に入ったところなのでほとんど利用している人はいません。

私達は休憩がてらに祖母の家(祖母はすでに亡くなっており、祖父は母の姉が引き取ったため家は事実上空き家)に入ったのですが(鍵はどうした、思われる方もいるでしょうが昔の家の扉は心張り棒をかましているだけなので針金で簡単に開きます)、もちろん駐車場などはないので(家の隣には空き地があるのですが、昔から住人が病気になったり、商売に失敗したりなどで持ち主がころころと代わるいわく付の土地だったので)、こんな夜中には誰も通らないだろうと思い車を道に止めたまま、缶ビールをちびちびと飲み交わしていました。

582: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/30 08:47
この家は真正面(出入り口)と真後ろを山に挟まれているのですが、真正面はすぐに道路になっており道の向こう側にぽったん便所と五右衛門風呂があるのですが、その隣にはお墓があるために日が暮れてからトイレに行くのは少し勇気がいることなんです。

そのうえ、その頃には上の家も下の家も無人になっており、外灯もほとんどなく明かりといえば山の切れ目から見える満天の星空だけなのですが、生憎の曇り空で辺りは闇に包まれていました。

ちょうど1缶目を飲み終えた時、村山が小便に行くといい、靴をはき、出ていきました。と同時に駆け込んでくるやいなや、バシンと、扉を閉め、心張り棒までかけてしまったのです。
あまりの彼の激しい行為に、こちらも不安になりなりました。肩で息をついている彼をなんとかなだめ「なんかあったん?」と聞くと、彼は青ざめた顔で「そっ、そこの・・・電柱の・・・所に人が・・立ってた」と、歯をガタガタさせながら言うんです。

もちろんこの場所ではこの時間に人がいることはいささか奇妙ではありますが、「あれは絶対幽霊やとおもう・・・なんかボーッと光ってて、輪郭がはっきりしてへんかったんや」という彼の言葉に恐怖を感じ、誰も確認にはいけなかったんです。

583: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/30 08:49
「ほら、なんかの宗教か何かで、白い服着て、ほら貝持ってる奴らおったやん。あんな感じのおじさんやねんけど、真っ直ぐこっち見とって目合ってもおた」彼の説明を聞きながら昔祖母や母から聞いた話と照らし合わせてみましたが、そんな人は何処にも出て来ません。

話し合いの結果、明るくなるまではこのままここに居ようということになりました。
初めのうちは皆怯えを隠せず、物音なんかにも過敏に反応していましたが、時が流れ、酒が入るとしだいに冗談を言っては笑い声が漏れるくらいになりました。

しかし、時刻が2時を少しまわったときです。
出入り口とは反対側の山側の部屋の窓がコツ・コツ・コツと叩かれる音が聞こえてきたのです。

山と家との間には深い谷がありますので、人の仕業によるものではありません。

私は震える友達を安心させるために「どうせ蛾か何か虫がぶつかってるだけやって」と言ってはみたものの、それはあまりに規則正しく何度も何度も繰り返されたため「何か」によってなされているものだと確信いたしましたが、歩いていってカーテンを開けて確認するほどの勇気は持ち合わせてはいませんでした。

今日はなんて日や、とおもっていると、その時にようやく降霊陣のことに気付き、みな台所で洗い流しましたが、窓を叩く音は止むどころか、ますます激しくなりました。

それどころか唸り声のようなものまで聞こえてきます。それはなんというか、まるで火あぶりにされている人が放つ断末魔のようで、はっきりとは聞き取れませんでしたがこんな風に言っていました。
「なんで、はなしたんや。何でやぁ」と。

584: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/30 08:49
薄い窓ガラスでありますからこのままでは破られてしまうのではないかと思い、ここから離れようと決意し、私は皆のポケットにあるものを詰め込みました。

「ええか、いち・にの・さんで扉あけたら、いっきに車に乗り込むで」エンジンがかかるまでの一瞬がとてつもなく永く感じられました。エンジンがかかるとアクセルを目一杯踏み込み、走り出しました。

どうらや幽霊が憑いてきている様子もなく、このまま山を登り続ければ20分たらずで当初の目的地の村に着くはずだったのですが、どこをどう間違えたのか、車はすっぽりときりひらかれた場所にでたのです。

草がひざ下くらいにまで伸び、長年ほったらかされているようでした。
左手は山で奥と右手は崖になっており、まるで袋小路のような所でした。そういえば昔祖母から、このあたりに戦時中に使われていたヘリポートがあると聞いた事がありましたが、どうやらここがその場所のようです。

しかたがないので引き返そうと思い、Uターンするために車を山側まで進め、バックしようとしたのですが、ギアがチェンジできず、しばらくカチャカチャやっていると突然車がスルスルと後ろ向きに、まるで引っ張られるように、谷に向かって進んでいるのです。

とてつもない恐怖に焦りながらも何とか私たちは車外に飛び出すことができました。

585: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/30 08:50
ガラ・ガラ・ガラ・ガラ・・ガッシャーンと、車のつぶれる音がしました。
突然の出来事に呆然としていると、「たすけて」と井上の声がしました。

後部座席に座っていた彼は脱出が一瞬遅れたのでしょうか、今にも崖から落ちそうなところをなんとか草にしがみついていました。
私の思考力はもはやなにも考えられなくなっていました。他の二人同様、私も腰が抜けていましたが、なんとか井上の所まではっていき、彼の手をしっかりとつかみました。

私は彼に「しっかりせい。はいあがってこい」といったのですが、彼は「あかん。あいつにあしひっぱられとる」と今にも泣き出しそうでした。しばらくこの状態が続きましたが、私も恐怖のためか腕に力がはいらず、徐々に彼の手が抜けていきそうになりました。

正直、「もうあかん」と思い、心の中では彼に謝っていました。
その時、あの男の声が私の耳元でこう言ったのです「なんでやぁ」と。すると不思議な事に私は恐怖よりも、「なに糞が」という気持ちの方が強くなり「絶対井上を離したらあかん、ここで離したらきっとこいつみたいになってしまう」と思い、無我夢中で腕に力を込めました。

586: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/30 08:51
しかし、あいつも執念深く、今度は私の腕を肘から手首にかけて、鋭い爪のようなもので引っ掻いています。
血が流れ出しましたが痛みはありません。ただ、何か彼の憎しみのような、悲しみのような感情が、私に伝わってきたようにおもいます。

そこへ村山と井出がなんとかかけつけてくれ、私が家で彼らのポケットに詰め込んだ塩を私たちの方へふりかけてくれたのです。
ギィイヲーーという叫びが聞こえたのと同時に井上の体は軽くなり、ひっぱりあげることができました。安堵感から体の力が抜け、私達は草の上に仰向けに寝転び、しばらく空を眺めていました。

東の空がうっすらと明るくなりはじめていました。太陽が完全に昇りきった頃、ようやく私たちも動けるようになりました。これからどうしようか悩みましたが、地面にはタイヤの跡もなく、こんな話は誰も信じてくれないだろうと思い、山を下り、バスで帰宅しました。

587: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/30 08:53
帰路の途中、とある陰陽師のかたに念のためのお祓いをしてもらったときに聞いたのですが、私たちが腕に書いた降霊陣は月が陰のときには有効だが、陽のときには悪霊を呼んでしまうらしいです。

ただ、その陰陽師が言うには、「悪霊というのは、自分を悪霊にした悪い人間に復讐するために成仏できずにいるんだよ」ということです。

この一件以来、私たちは遊び半分で心霊スッポトなどに足を踏み入れることをやめました。
誰も眠っているところを、叩き起こされたくはないでしょう?
それに、もしそんなことをしようもんなら、あれから十数年たっても消えることのないこの腕の傷が、疼きますから・・・

598: 東山ホテル 1/6 03/04/30 12:21
強烈な体験がある。夏だからーという安直な理由でサークル仲間とオカルトスポットに行くことになった。
東山峠にある東山ホテルという廃屋だ。
俺はネットで情報を集めたが、とにかく出るということなのでここにきめた。

とにかく不特定多数の証言から「ボイラー室に焼け跡があり、そこがヤバイ」などの情報を得たが特に「3階で人の声を聞いた」「何も見つからないので帰ろうとすると3階の窓に人影が見えた」と、3階に不気味な話が集中しているのが気に入った。

雰囲気を出すために俺の家でこっくりさんをやって楽しんだあと12時くらいに現地へ向った。男4女4の大所帯だったので、結構みんな余裕だったが東山ホテルの不気味な大きい影が見えてくると空気が変わった。

599: 東山ホテル 2/6 03/04/30 12:22
隣接する墓場から裏口に侵入できると聞いていたので、動きやすい服を来てこいとみんなに言っておいたが、肝心の墓場がない。
右側にそれらしいスペースがあるが広大な空き地になっている。「墓なんてないぞ」と言われたが、懐中電灯をかざして空き地の中に入ってみると雛壇のようなものがあり、変な形の塔が立っていた。

「おい、こっち何か書いてある」言われて記念碑のみたいなものを照らして見ると「殉職者慰霊塔」ヒィィー昭和3×年誰某警部補みたいなことが何十と列挙されていた。もうその佇まいといい、横の廃屋といい、女の子の半分に泣きが入った。
男まで「やばいっすよここ」と真剣な顔してい出だす始末。

600: 東山ホテル 3/6 03/04/30 12:22
俺もびびっていたが帰ってはサブすぎるので、なんとかなだめすかして奥にある沢を越えホテルの裏口に侵入した。
敷地から、1ヵ所開いていた窓を乗り越えて中に入ると部屋は電話機やら空き缶やら様々なゴミが散乱していた。

風呂場やトイレなど、汚れてはいたが使っていたそのままの感じだ。部屋から廊下にでると剥がれた壁や捲くれあがった絨毯でいかにもな廃屋に仕上がっている。
懐中電灯が2個しかないのでなるべく離れない様にしながら各個室やトイレなどの写真をとりまくった。特に台所は用具がまるまる残っていて、帳簿とかもあった。

噂だがここはオーナーが気が狂って潰れたという。1階を探索して少し気が大きくなったので2階へ続く階段を見つけて、のぼった。2階のフロアについて、噂の3階へそのまま行こうかと話していた時だ。

601: 東山ホテル 4/6 03/04/30 12:23
急に静寂のなかに電話のベルが鳴り響いた。
3階の方からだ。女の子が悲鳴をあげてしまった。連鎖するように動揺が広がって何人か下へ駆け降りた。

「落ちつけ。落ちつけって」最悪だ。パニックはよけいな事故を起こす。俺は上がろうか降りようか逡巡したが、ジリリリリリという気味の悪い音は心臓に悪い。

「走るな。ゆっくり降りろよ」と保護者の気分で言ったが、懐中電灯を持っている二人はすでに駆け降りてしまっている。暗闇がすうっと下りてきて、ぞっとしたので俺も慌てて走った。広くなっている1階のロビーあたりで皆は固まっていた。俺が着いたときに、ふっ、と電話は止った。

603: 東山ホテル 5/6 03/04/30 12:25
「もう帰る」と泣いてる子がいて、気まずかった。
男たちも青い顔をしている。その時一番年長の先輩が口を開いた。俺のオカルト道の師匠だ。

「ゴメンゴメン。ほんとにゴメン」そういいながらポケットから携帯電話を取り出した。

「こんなに驚くとは思わなかったから、ゴメンね」曰く、驚かそうとして昼間に携帯を一台3階に仕込んでおいたらしい。それで頃合をみはからってこっそりそっちの携帯に電話したと。アフォか!やりすぎだっつーの。もうしらけてしまったので、そこで撤退になった。

帰りしな師匠が言う。「あそこ洒落にならないね」洒落にならんのはアンタだと言いそうになったが師匠は続けた。

604: 東山ホテル 6/6 03/04/30 12:26
「僕たちが慰霊塔見てる時、ホテルの窓に人がいたでしょ」
見てない。あの時ホテルのほうを見るなんて考えもしない。

「夏だからDQNかと思ったけど、中に入ったら明らかに違った。10人じゃきかないくらい居た。上の方の階」「居たって・・・」「ネタのためにケータイもう一個買うほどの金あると思う?」そこで俺アワアワ状態。

「あれはホテルの電話。音聞いたでしょ。じりりりりり」たしかに。みんなを送って行ったあと、師匠がとんでもないことを言う。「じゃ、戻ろうかホテル」俺は勘弁してくれと泣きつき、解放された。
しかし師匠は結局一人でいったみたいだった。

後日どうなったか聞いてみると、ウソか本当かわからない表情で「また電話が掛かってきてね。出ても受話器からジリリリリリリ。根性なしが!!って一喝したらホテル中のが鳴り出した。ヤバイと思って逃げた」

650: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/30 23:16
場所を晒しますが好奇心では行かないように
埼玉県入間市の豊岡第一病院の周り、航空自衛隊入間基地付近にうっそうとした雑木林があります。
その一帯は以前実際に人が首を吊ったため、地元の人から「首吊り山」と呼ばれていて大人も子供もお姉さんも知っている有名な場所です。

数年前、俺のダチが高校の仲間3人を連れて肝試しに行きました。
最初は雑談に花を咲かしながらだったのですが、一人後ろを歩いていたダチの友人T氏が突然「#%$&”$&$%」と英語を呟きだしたそうです。

最初は歌でも歌って気分を紛らわせてるのだろうと思ってた3人でしたが、その声ははっきりせず、しかも普段のT氏では考えられないほど音程が高かったのです。
不気味に思った3人はT氏に肩越しに声を掛けてみると、T氏は目が覚めたように「あ、ああ、何だよお前ら。え?俺が歌?英語?何言ってんだよw」と言いました。

しかも彼はずっと意識があったと言うのです。
しかし友人達は見てしまったのです。笑顔で対応しているT氏の後ろにいる髪の長い外国の女の人が微笑んでるのを・・・

654: 650 03/04/30 23:40
友人達は思わず「おいT!」とその女の幽霊の方を指差しました。
その瞬間女はこちらに体を向けたまま首だけが後ろに回転し、すうっ、と近くにあった大きいケヤキの木の中に消えていったそうです。

父の話によると、戦後当時入間基地はジョンソン基地とよばれアメリカ軍が駐留していたそうで、以前女性将校数人がその付近で首をつって自殺をしたと噂になっていたそうです