459: 本当にあった怖い名無し 2006/01/15(日) 12:04:41 ID:AVGoi9BmO
そいつが居た

ちょっと長くなるかもだけど体験した話。

俺がまだ厨房だった頃だからかれこれ10年前になる。普段から視界の端にカラーで幽霊らしきものが見えると思い込んでた。
そう恐らく思い込みだったんだ。そいつに会うまでは。
俺の家の間取りは吹き抜けになった階段を上り切った正面に親父の和室。右手に兄の和室。左手に俺の洋室とあるわけだがその日も調
子よく少々螺旋状になった階段を駆け上がったが登りきる前に硬直した。
そいつが居たんだ。

続きます

引用元: https://hobby7.5ch.net/test/read.cgi/occult/1136821802/







460: 459 2006/01/15(日) 12:07:01 ID:AVGoi9BmO

正面の和室の半分開いた襖から身を半分乗り出し、手を襖にかけている。
ただ恐ろしいのは今まで遠くの方しかも視界の端にしか見たことなかったのに1メートル位しかない距離でしかも真正面に対峙している事と
そいつはカラーでなく真っ白で髪が長くめちゃくちゃ睨んでくる。
怒っているのが一発でわかったし、それから異様なのが中指やら五指の内2、3本がやたらと長い。
俺は何も言わず素早く階段を掛けおり台所で用事をしていた母の隣にいった。
しばらく二階には上がれなかった。


461: 459 2006/01/15(日) 12:07:53 ID:AVGoi9BmO

これにはまだ後日談がある。以下後日談

その日から一ヵ月以内に母が一階の居間で金縛りにあった。
彼女は非常に怖がりなので疲れていたからだと自分に言い聞かすが、明らかに胸に何か乗ってきてがくがく震えが止まらなかったそうだ。
次に玄関で靴を履いていたら天井に消えていく白いカーテンの裾みたいなのを俺が見た。
ちなみに玄関の上は親父の部屋。
んでまた少し日が空いて親父がきもい事を言いだした。寝ていたらずっと顔の怖い白い女に睨まれている夢を見ると。
当時そいつがこの家にすんでるんだと思うと怖くてたまらなかった。
しかもその頃頻繁に俺が部活で居ない筈の時間帯に俺の声で買い物から帰ってきた母におかえりと二階から言う声がしたと言う。兄も言われたらしい。


462: 459 2006/01/15(日) 12:08:35 ID:AVGoi9BmO
それからやっと怖さも薄れてきた頃自分の部屋で寝ているとそいつが俺の部屋の壁を突き抜けて隣の家に行くのを見た。
約半年の付き合いだった。
それでごく最近やっとこの話を人に語れるようになったので飲みに行ったときとか調子に乗ってしゃべりまくってたわけ。
そしたらまた帰ってきた。
風呂場に幽霊がいると兄が言ったのだ。
基本的に信じないので嘘つくなぼけとその場は流したがある日自室に居ると下から母の声で「●●ー下りてきいよーー!」と叫ばれた。
だるかったので「嫌じゃぼけー」と帰したらすごく近い距離でふざけんなよと言われた。
部屋には俺一人だったのに。

以上長文になりましたがこんな話です。これかいてる間肩が痛くてタンスがピシピシなっていると言うことはあいつはまだ俺んちにいますねorz

464: 本当にあった怖い名無し 2006/01/15(日) 12:44:03 ID:4wQMdcv20
恐くて自宅でくつろげないね。

465: 本当にあった怖い名無し 2006/01/15(日) 12:48:28 ID:AVGoi9BmO
>>464もう10年越しなのにまだ怒ってるみたいだから殺されない内に今年引っ越すことにしたよ
ついてきたら嫌だけど

480: 本当にあった怖い名無し 2006/01/15(日) 20:42:20 ID:iZuOqHDW0
赤い女

ちょっとお邪魔します

この前学校で、昼休みに友人5人ほどと食事をしながら
自分が通ってた高校や中学の話をしていました、
話が弾み、小学校から殆ど記憶に無い保育所、幼稚園の話になった時
友人Aが急に「あっ」と言いました、
皆が『なしたんさA?』とお決りの反応をすると・・・
A「俺スゲーこと思い出した…」  俺「なになに?」
A「俺さぁ、小さい頃ヘンな物見たんだ…赤い人…多分女だった…。」
一同『なになにソレー!話せよ~話せよ~!』(俺オカルト好きだから一番の喰い付き)

続きます、スミマセン

481: 480 2006/01/15(日) 20:44:20 ID:iZuOqHDW0
続きです

Aの体験談↓
Aは田舎の育ちで(俺もだけど)保育所で少し変わった行事が多かったらしい
コレは[ソリ遠足](冬、バスで山に行き遊び倒す行事らしい)で体験した話です

山に着いたAは当時から仲良しのZと2人で遊んでいた、
最初は先生や親の近くで遊んでいたけど、物足りなく更に上へ登っていった、
そしてある程度高い所着き、一息ついていた。するとZが反対側を指し
「おいAあれ誰だろう?」 そっちを見ると、年齢は解らないが木々の影に人がいた、
距離は100mも離れてなかったと思う。Aは「行ってみよーぜ」と、Zもついて行く。
近付くにつれ後ろ姿だが女だと分かった、大きいコートを着て髪はボサボサで長かった。
しゃがんで雪を掘ってるようだ、周りの雪が赤い。Aが「お姉さん何か探してるの?」
Zがすぐ後ろに居たので怖くはなかった、その時は・・・

続きます、スミマセン

482: 480 2006/01/15(日) 20:45:24 ID:iZuOqHDW0
最後です

Aが声をかけたら女は無言で立ち上がった、デカイ(子供だったからそう感じたのかも)
女は振向きAとZを見下ろした。コートは汚れていて、手と顔が赤い。
掘っていた穴には黒っぽい何かの塊、
AとZが呆然としてると女はエラク低い声で『ウゴゥゲー!×②』みたいな…
AZ「「うわー!!!」」 Aは持ってたソリを投付け、Zを追いかけるように逃げた
さっきまで居た所に着きZのソリでニケツ(?)をし、皆の所に戻った、
女は追って来なかったようだ。
G先生に何処に居たか聞かれたが、安心と恐怖で2人とも号泣し話せなっかたので
カナリ怒られた…。

この話を聞いて皆『うっそだー(笑)』見たいな反応でしたが、
AがZに電話したんですハンズフリー(?)で。Zも思い出した(覚えていた?)ようです、
Z「あの女エライ気持悪いツラしてたよな、特に目!白目っぽかったよな?」
A「そこまで覚えてねーわw」

今回の事で『もしかしたら俺も小さい頃何かあったかも…覚えてないだけでさ…』
と思うようになりました、何も思い出せませんけど。

長文失礼しました。

499: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 00:55:16 ID:L6VqGe320
トンネル

三年くらい前に体験した事を書き込みます。
歴史の好きな友人を乗せて京都周辺を車でドライブしてました。
ドライブは特に目的地もなく、深夜の京都を適当に走ってただけでしたが、
淀とか長岡京とか通りかかるだけで、友人はマニアックな解説を
いっぱいしてくれました。
「ガラシャ通りってのはな、昔細川ガラシャが(略)」 「へー、○やんはマニアやのう」

こんな感じで暫く走ってたんですが、街中を走るのも飽きたので、
気分転換に嵐山(猿の出る有名な観光地です)周辺を走ることにしました。
ガソリンスタンドでガソリンを補給し、再度レッツゴー。
嵐山を適当に走っていても、友人の歴史トークは収まらず、
僕もそれに聞き入っていました。
その内、どんどん車は人通りの無い林道へ入っていきました。(山というより林道かな)

林道を走っていると、嵐山は街頭が多かったのに、街頭が
どんどん少なくなってきました。
さすがに、こういう所に歴史ネタはなかったようで、
友人のトークも少なくなってきて、車内は外と同じくドンヨリした
雰囲気になってきました。

500: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 00:56:03 ID:L6VqGe320
しばらく進むと、目の前にトンネルがあり、赤信号だったので停車しました。
車一台しか通れない幅の狭いトンネルで、そのため信号は対向車線と交互に変わるものでした。

僕「なんか見た事のあるトンネルやなー」

停車中よく見てみるとトンネルのすぐ傍には、ズラーっと無数の地蔵が並んでいました。
僕はそれを見て、これは有名な清○トンネルだと一発でわかりました。
実は僕、心霊スポットというものが好きでして、インターネットで調べて能勢の首切り場や
廃墟病院などいろいろ行きました。
しかし清○トンネルはまだ行った事がありませんでした。

僕「まさか、清○トンネルってこんな所にあったんや。もっと山の中やと思ってたわ」
○やん「え?なんの事?」
僕「いや、ここ有名な心霊スポットやねん。ボンネットに人が落ちてくるとかあんねんて」
○やん「え!?まさか狙って来たんちゃうやろな?」
僕「ちゃうわ!ほんまに偶然やって。。で、どうする?引き返す?」

僕は友人が心霊とかそういう類が嫌いかもと思い、引き返す事を提案しました。

○やん「どうしよっか、行くか?」
僕「ほんまにええのん?」

そういうやりとりをしてる間に、後ろから車が来たので引き返す事ができなくなり、
トンネルを走る事になりました。

501: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 00:57:28 ID:L6VqGe320
僕「後ろに車もおるし、俺らだけやったら怖いけど、まあこれでお前も余裕やろ」
○やん「ほんまやな、あ、信号変わったで」

トンネルの中は赤い光でいっぱいで、グネグネと道が曲がっていました。

僕「ほら、出んで、ほら、ボンネットに落っこちてくんぞ!」
○やん「出たら泣くわ、やめろ」

結局何も出ないままトンネルを通り過ぎた。

僕「ここもか。俺心霊スポットいっぱい行ったけど、幽霊なんて一回も見た事ないねん。
 ここもやっぱ何もなかった。しょうもな。」
○やん「まあまあ、おたくもそんなん行きなさんな。その内憑かれるで」

僕らは林道を抜けて、また街中を走っていた。
街頭も増えてきて、車も増えてきたので、また後続車が来てないかバックミラーに注意しないといけない。

僕「後ろの車ライトまぶしいわー!バックミラーに反射して迷惑や・・・ん?なにこれ」

バックミラーで車の後ろのガラス(すいません、名前がわかりません)に、何かベッタリとついてる

僕「なんや、これ?え?なんなん、足跡?」

502: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 00:58:17 ID:L6VqGe320
車の後部ガラスに、五つほど足跡がついていました。靴じゃなくて生足の。
僕の見間違いかもしれないと思い、黙ってバックミラーを友人に向けて見て見ろといいました。
が、友人も
○やん「え?あしあと?足跡ちゃうのん、これ?足跡や」

僕らは車から降り確認しましたが、やはりそれは足跡でした。
僕らは誰かしょうもないイタズラしたんかなと話していましたが、
その内友人の顔面がみるみる蒼白に。

○やん「これ、どこでついたんや?どう見ても足跡やで?俺ら、ガソリン補給した時、
ガソスタの兄ちゃん、窓全部拭いてくれてたで。
俺らそこからどこも寄らずにトンネル行ったやん。なんで足跡ついてんの?」

○やん「出てたんちゃうの?俺ら、見えてなかっただけで・・・」

僕は、友人の言葉を聞いて、小便少しチビりました。
足跡は五つ。全て僕らよりサイズの小さい足で、女性か子供くらいのサイズでした。

506: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 02:00:25 ID:XMuUS+da0
>>502
>靴じゃなくて生足の。
生足てww
裸足だろうさ。

能勢に首切り場(跡?)があるの?今度探して行ってみるわ。

533: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 11:43:05 ID:BKE9GuZr0
見えちゃう人なんだ…

俺の親父が脳腫瘍で死ぬ前の話なんだけど、
ある日見舞いに行くと、
「五月蝿くてかなわないんだ・・・」と言う。親父の病室は2人部屋で、もう一人の患者さんもお年寄りで息も絶え絶えの感じ。
その呼吸音が夜中でも気になるのかと思って、黙ってそちらを指差し目配せすると、「そうじゃない」と。
「窓の外から大勢でこっち覗いてブツブツ言ってるんだ。怖いし五月蝿いし寝られないよ」と言う。
病室は8階にあり、ベランダとか無い。俺はゾッとしながらも病気からくる幻視だろうと思って何も言わないでいると、
「前に同室だったおっさんも居て、笑いながら何か言ってるんだ」と言う。俺が何も言えないでいるとそのまま眠りだしたので、しばらくして俺は帰った。
それから1ヶ月もしないで親父は眠る様に息を引き取った。
あの病院で、親父も誰かの病室を覗いているのだろうか・・・

534: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 11:59:06 ID:BKE9GuZr0
俺が足を怪我して入院してた時、俺より早くから入院してた奴と仲良くなった。
ある日、消灯後に喫煙所でダベってると、
「あ~部屋帰りたくね~」と言う。俺と奴は病室が違う。誰か気の合わない奴が病室にいるのかと思い、そう聞くと「いや、そんな事もないよ」と言う。
「ただジイさんがさ~」と顔をしかめるので、「確かに年寄りって気難しい人いるよな」と話を合わせると、「いや、生きてるジジイならどうでも良いんだ」と言う。
俺は話しが見えないので「ハア?」と聞くと、奴は話出した。
入院してしばらく経った頃、消灯後喫煙所から部屋に戻ろうとEVを出て病室前の廊下に出ると、暗い廊下にお爺さんが一人病室入口前でボーっとつっ立っていたと。
「ボケちゃってるのか、邪魔だな」と思い、「すいません、通りたいんですけど」と声をかけても何も反応がない。

535: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 12:10:18 ID:BKE9GuZr0
>>534続き
奴は無視されたと思い、ムッとして「どけよっ」と多少声を荒げたんだけど、やっぱり無視。
もう強引に通るしかないなと思って肩をこじ入れようとしたら、無抵抗で通れたんだと。
「エッ」と思って振り返ると、その爺さん焦点の合わない目で奴の顔を見てる、と言うより奴の頭のもっと後ろを見てる感じだったそうだ。まったくの無表情で。
奴は「ヤバイ!」と思って急いで自分のベッドに駆け込むと布団にもぐり込んでブルブル震えてたんだと。
そして朝が来て看護師さんが検温に来た時、奴は聞いた。
「ここって・・・お爺さん、いるよね?」と。そしたらその看護師バツの悪そうな顔して、
「あ~見ちゃった?貴方、見えちゃう人なんだ・・・」と言ったと。

537: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 12:18:31 ID:BKE9GuZr0
>>535続き
奴はそれからもその病室に入院し続け、俺と仲良くなったんだけど、奴が言うには、
「段々中に入ってるんだよ。昨日夜中に小便したくなって起きたら俺のベッドの脇に立ってるんだよ。今日はどうなってるか考えると病室戻りたくないんだよ。」
俺は笑うしかなかったな。
取り合えず盛り塩して寝ろとしか言えなかった。
でも、その事が結局奴を救った事になったのかもしれない。次ぎの日に話聞いたら結構ヤバかった。

539: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 12:40:14 ID:BKE9GuZr0
>>537続き
俺が話を聞いた夜、奴と奴の病室前まで行った。
「いる?」俺が聞くと、「いや、もう廊下にはいないよ。いるとしたら窓際だな」と言う。入口から覗き込むと6人部屋で、一番奥の窓際の右手が奴のベッド。「どう?」もう一度聞いたが奴は「今日は出ない日かも」と言う。
俺は「何だよ、ツクリかよ。」と笑いながら言うと、奴は固い表情のまま、「塩を小皿にいれとけば良いの?」と聞いてきた。
「お前、塩なんて持ってるの?」「この間彼女に持ってきてもらった」
「じゃあ皿に入れておけば良いんじゃねエ」とか会話して、俺は自分の病室に帰った。
俺は何事もなく寝た。

541: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 12:50:53 ID:BKE9GuZr0
>>539続き
次ぎの日の朝、喫煙所で煙草吸ってると、奴が蒼い顔してやって来た。
「ヤバかったよ・・・」俺が挨拶する前に奴は話だした。
奴の話によると、枕もとに塩入れた小皿置いて寝たんだと。中々寝つけなかったけど、気が付いたら夢を見てたと。その夢を要約すると、
気が付くと古い藁葺き屋根の大きい民家の玄関前にいた。
玄関を入ると大きな土間だった。上がり框の向こうは畳み敷きの部屋があり、その向こうに障子が閉まっていた。
その障子を開けて進むと、4方が障子で区切られた部屋だった。また奥へ進むと同じ様に4方が障子の部屋。その奥へ入ったら突き当たりに大きな仏壇のある部屋だった。右手が障子。左手も障子。
左手はとても嫌な感じがしたので、自分は右手に行きたかったと。どうしても右手に行きたいんだけど、体が引っ張られる様に左へ行ってしまう。

542: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 12:59:20 ID:BKE9GuZr0
>>541続き
「嫌だ、右に行くんだ、行くんだ」と叫んでも、強い力で左へ行かされる。
とうとう左手の障子を開けてしまうと、とても明るい場所だった。何故か、あんなに嫌がっていたのが嘘の様にホッとして部屋を出る時、
耳もとで
「チッ!しくじったかっ!」
と野太い声が吐き捨てる様に呟くのが聞こえ、ハッとして目が覚めたら朝だったと。
起き上がって塩を入れた小皿を見ると、塩がぐちゃぐちゃのゲル状みたいに溶けていたと。
「あのまま右に行ってたら、俺どうなってたんだろう・・・」
奴の質問に答えられる言葉は俺にはなかったな・・・

544: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 13:38:34 ID:2ryX6RHg0
>>542
おつかれ。おもろかったよ。

545: 本当にあった怖い名無し 2006/01/16(月) 14:01:08 ID:s4stuOtO0
>>542
GJ!!

599: 本当にあった怖い名無し 2006/01/17(火) 11:22:18 ID:fRsZBTZk0
ピンクの服

実際漏れが消防の真夏に体験した話

漏れはその当時宮崎に住んでいてどこ遊びに行くにもチャリを30分以上こがないとどこもいけなかった。
でも調度遊びたい年齢なのでそんな事構わず遊んでました。


その日も遊びに行き途中で友達と別れて家の近い友達3人(漏れ含めて)と家まで帰ってました。
長い坂道で温度が30度以上、長時間自転車を乗っているとやはり喉が渇いてきました。
途中で通っていた小学校があったのでそこで友達と水を飲みにいきました。
その水道は外にあって大体の教室はそこから見えました。
水を(水道で)飲み終わった漏れはなんとなく1年生の教室の廊下?あたりをぼーっと眺めてました。



続く

601: 本当にあった怖い名無し 2006/01/17(火) 11:29:20 ID:fRsZBTZk0
ぼーっと1年生の教室の廊下あたりを見てると廊下をピンクのワンピース?(上も下もピンク)のおかっぱ系の頭の女の子がすーっと通っていました。
窓越しだったので下半身は見えなかったのですがそう思えました。
違和感があったので少し頭を整理し考えてみると・・・

その女の子は顔に表情?はなく口と目もはっきりしていなかった。
普通に歩くんじゃ絶対おかしい進みかた。

あっ!!!これはもしや幽霊じゃ!!!!
っと思い隣で水を飲んでいた友達に今見た女の子の事を言ってみるとその子も
「ピンクの服?着た子とおったねぇ~。」と言い出して二人でその女の子の共通点を言い合っていると
その女の子が通った教室から1年生が5人ほど出て着ました。



続く

602: 本当にあった怖い名無し 2006/01/17(火) 11:36:47 ID:fRsZBTZk0
その子達に急いでその女の子の話をしてピンクの服着た子って見なかった?と聞くと
「全く見てない」と答えがかえってきました。
勿論その子達はピンクの服をきているこは1人もいませんでした。

友達1人は見てなかったのですがその後2人で「おかしいねぇ~」っと言い合ってました。

それから1週間~2週間後ぐらいに漏れは学校の前で交通事故(幸いかすり傷程度ですんだが5mぐらい吹っ飛んだ)
もう一人が授業中にちょっとした事で手の骨折(複雑骨折だったと思う

・・・・・その当時は思わなかったけど・・・
今思うともしかして・・・・・女の子の仕業じゃ・・・・?

その後なにもなかったのですがあれは幽霊だったのかな~と今でも思います(ハッキリしてたので

623: 1/2 2006/01/17(火) 20:54:10 ID:HvdE0yZn0
突然死

じゃ俺の友人の話を。

ある日友人が「泊めてくれ」と言ってきた。
一人暮らしなので奴を泊めてやることは時々あったが、
この時は明らかに様子がおかしかった。妙にびくついてるし、
顔色もえらく悪い。
風呂上り、ビール片手に話を聞いてみた。

奴曰く、家にいると『目』に見られるのだという。
目って何じゃい?と聞き返す俺に、奴は説明してくれた。

とにかく『目』としか言いようがない。
それはありとあらゆる隙間から自分を見てくる。
本棚の隙間、
カーテンの合わせ目、
エアコンの吹き出し口、
開いたカバンの中、
挙句の果てには布団の奥から、など。
人の顔というよりも、暗がりの中に『目』だけがあって
まばたきもせずにただじっと、見つめてくる。

どう聞いても幻覚症状です、ありがとうございました。
…こりゃヤバい、と思った。確かにしばらく前、隣の住人が
うるせーと愚痴ってたような気はしたが…そこまで参ってたのか。
「疲れてんだ神経科行ってこいゴルァ!」と友人を励ましつつ、
その日は寝た。奴もなかなか寝付けなかったようだったけど、
最終的には良く眠れたみたいだ。

625: 2/2 2006/01/17(火) 20:55:03 ID:HvdE0yZn0
その後、1週間かそこら奴は外泊を続けたらしい。流石に俺んちに
連泊するのははばかられたのか、他の友達の所とか漫喫とかで
過ごしていたようだ。しかし更にその後、奴は入院することになった。
いわゆる精神系の病院に。

見舞いに行ったが面会も出来ないような状態らしかった。
奴のオカンが泣きながら、それでも「来てくれてありがとう」と
お礼を言ってきた。
心が痛むけど奴のことも気になったので、オカンに詳しいことを聞く。

そうなったきっかけこそ判らないが、今息子はノイローゼ状態にある。
手で固く両目を覆って、何も見ようとしない。
一度指の隙間からこっちを見たとき、搾り出すような叫びをあげて
「見てる!!見てる!!暗くないのにいるよお!!」
と泣き出してしまった…

んでこういう話にありがちな陳腐なオチと言われそうだけど、その
少し後になって、奴のアパートの隣室から死体が見つかったそうだ。
聞いたところによると、心筋梗塞の発作を起こして突然死。
一人暮らしのおっさんで身よりもないし、また冬だったので発見が
遅くなったらしかった。
死の直前の苦痛は相当のものだったようで、部屋のものは激しく散乱、
押入れのふすまなんかもバタバタ倒れたりしてたらしい。
苦しんだ末か、押入れの奥、隣室側の壁に顔面からのめりこむような
変な姿勢で倒れていたということだった。

かっと、両目を見開いたままで。

626: 本当にあった怖い名無し 2006/01/17(火) 20:59:58 ID:ZvnGFFQx0
隣の人の思念みたいなものがロックされたままになったのかな。
何かしらのお払いをしない限り、その部屋にはもう人は住めんね・・・。
今はただその友人の回復を祈ろう。

690: ピアノの怪談 2006/01/19(木) 02:26:04 ID:D7U6sTau0
ピアノの怪談

私が高校生だった頃の思い出話です。
私の通っていた高校は、全寮制の、歴史ある学校でした。
県下で一の伝統を誇り、建物は古く、先生方の頭も古く、指導の厳しいところでした。
生徒の自主性といった今流行りの考えとは縁遠く、何事にも増して伝統とそれに支えられた
校風の維持を重視する環境だったのです。
そんな中で生徒たちは、先生方の言動に怯えながら、抑圧された日々を過ごしていました。
おしゃれも禁止、外出も行き先を言って許可を求めなければいけません。
私たちが校内で楽しめる娯楽と言えば、ただ会話をするくらいでした。
私たちはただひたすら本を読み、先生方のチェックがやや緩かった雑誌などから情報を得て、
いかに互いにとって面白い話をするかに腐心していました。

そんな私たちの会話の中によく出る話題の一つに、「怪談」がありました。
抑えつけられ閉じられた学校生活の中で、怪談から得られる恐怖は何にも変えがたい刺激でした。
放課後の夕闇に包まれる教室で、あるいは夕食後他に人のいない談話室で、
私と友人たちは、互いに持ち寄った怖い話をしたものでした。

私たちの学校はさすがに古いだけはあって、七不思議系の怪談が七つじゃきかないほどに
ありました。
他の学校にもあるような話が多くて、この手の怖い話は本当に何も話すことが無くなった時に、
場を繋ぐ話題として出されるくらいでした。

691: ピアノの怪談 2006/01/19(木) 02:29:01 ID:D7U6sTau0
その日の放課後も学校の授業の話から始まって、本の話、雑誌で得たおしゃれ知識の話、
そして怖い話としていき、いい加減日の暮れる頃には話すことが無くなっていました。
もう帰ろうかという雰囲気になった時、友人の一人だった美紀が、
「そういえば……呪いのピアノの話、知ってる?」
と皆に問いかけてきました。
これには皆がうなずきました。呪いのピアノは私たちの学校の七不思議の一つで、
あまりにも有名な怪談だったからです。
放課後、誰もいないはずの音楽室からピアノの音が聞こえると言う、いかにもありがちな怪談でした。
「何言ってるの、今更そんな話……」
皆あきれた顔をして答えると、美紀は首を横に振ります。
「違うの。今までのとは違うのよ。この前聞いたんだけどね、今度は音だけじゃなくて、幽霊を見たって言うのよ」
「幽霊?」
美紀の話はこうでした。
先日放課後、音楽室の前を一人の生徒が通りすぎた時、ピアノの音が聞こえた。
ちょっと好奇心を出して覗いてみると、ピアノの前に私たちの学校の制服を着た子が立っていた……。
「制服が血に濡れたみたいに赤黒くなってて、すごく怖かったって」
私たちは笑いました。
「それって、本当にうちの生徒がピアノ弾いてたんじゃないの?」
「ピアノの音がして、ピアノの前に人が立っていたなら普通じゃない」
「ちょっと美紀、信じすぎだよ」
私たちが口々に言うと、美紀は不満顔になりました。
「違うって! まだ続きがあるんだから!」
「続き?」
「うん、続き。その見た人はね、怖くなって走って逃げたんだけど……」
逃げて、落ち着いて考えてみたら、単に誰か生徒が練習をしていただけかもしれないとその生徒も考えたという。
しかし何か違和感があった。
数日後、それは明らかになった。

692: ピアノの怪談 2006/01/19(木) 02:29:38 ID:D7U6sTau0
「その制服はね、旧制服だったんだって。私たちのとは肩のあたりの形が違ったらしいよ」
私たちの学校は制服のデザインを十数年前にかえていました。
職員室前の校史年表や、ホームルームでのスライド授業でしか見たことはありませんでしたが、現行の私たちの制服に
良く似たものでした。
「もし生徒が練習してたなら、旧制服なんておかしいでしょ?」
「それこそ見間違えだと思うけど……」
「まあ、そうかも知れないんだけどさあ……」
しばらく私たちはそんな話は嘘だ本当だ、怖い怖くないと言い合っていたのですが、
ぼそりと佐智子(友人の一人です)がつぶやきました。
「みんな結局気になってるんだし、なんなら今から行ってみる?」
そして日も沈む頃、私たちのうち何人かは、音楽室に行くことにしたのです。

693: ピアノの怪談 2006/01/19(木) 02:31:26 ID:D7U6sTau0
音楽室に行ったのは、美紀と佐智子、絵里(こちらも友人の一人です)、そして私の四人でした。
いつもより遅くまで残っていたので、校舎に人影が全く無く、廊下に私たちの足音が響くのが印象的でした。
音楽室の前で皆一旦足を止め、耳を澄ましましたが、ピアノの音は聞こえませんでした。
「開けるよ……」
美紀が扉を静かに開けました。
音楽室には誰もいませんでした。
真っ赤な西日の差し込む教室に、普段私たちが座る椅子と、大きな黒いピアノが一つ、置かれているだけでした。
私たちはしばらく誰も何も喋らず、ぼおっと音楽室の中をみて回っていました。
「結局、何もないじゃない」
「うん……」
絵里のつぶやきに、美紀がうなずきます。
絵里はピアノの前に立ち、鍵盤の蓋をあけ、軽くピアノを弾き始めました。
佐智子と私は椅子に座ってそれを聞き、美紀は窓辺に立って外を見ていました。
と、美紀の方を見たとき、私はどきりとしました。
窓辺に立った美紀は、窓にうっすらと姿が映っていたのですが、その窓に映った姿がまるで血を浴びたようだったのです。
制服は赤黒く濡れ、頭から血を流しているようでした。
西日のせいだとか、そんな風には言えないくらいに、濡れたように生々しい赤でした。
そして、美紀の髪はショートカットだったのに、窓に映った姿は髪の長さがもっとずっとあるように見えました。
さらには、制服の肩のあたりが少し膨らんだ形になっていて……それは私たちの着ているものとは違う、一つ前の制服でした。
「さ、佐智子……!」
隣に座っていた佐智子に、慌てて言おうとしました。しかし、不意に美紀が私の方を振りかえり、言葉が詰まってしまいました。

694: ピアノの怪談 2006/01/19(木) 02:32:21 ID:D7U6sTau0
そんな私の目の前で、美紀はゆっくりとした足取りで、ピアノの方へ向かって行きました。
そして、相変わらず絵里が流れるようにピアノを弾くその傍らに美紀は立ち、次の瞬間鍵盤の蓋をものすごい勢いで下ろしたのです。
絵里の悲鳴が響き、ピアノがバァン!と大きくなる音、そして蓋と鍵盤とに挟まれた指が折れるボキボキという音が、確かに
聞こえました。
「美紀!?」
「ちょっと! 何やってるの!!」
私と佐智子は慌ててピアノの方に駆け出しました。
美紀を取り押さえようとしましたが、美紀は信じがたい力で、私たち二人の力をものともしませんでした。
二回、三回と蓋がおろされ、その度に絵里の悲鳴とピアノの音と骨の砕ける音が響きました。
「絵里、鍵盤から手を離して!」
「離れない! 離れないのよ! どうなってるの!? もう、や、美紀! やめてえぇっ!」
四回目に蓋が下ろされた時、ぐちゃりと音がして、折れた骨が皮を突き破って出るのがわかりました。
白い鍵盤の上に、見る間に絵里の赤い血が広がっていきました。
絵里はその瞬間小さく悲鳴をあげ、がくりと気を失ったようでした。膝をつき、力なくうなだれているのに、
何故か手がピアノの鍵盤から離れることはありませんでした。
もう美紀の悲鳴は聞こえず、音楽室には絵里の手がつぶれる音と、その勢いで押されるピアノの重々しい音がしばらくの間響き、
ピアノの下に小さく血溜まりが出来る頃、美紀もまた糸が切れたように気を失い、倒れました。

695: ピアノの怪談 2006/01/19(木) 02:32:54 ID:D7U6sTau0
私たちは先生方にきつく怒られました。
ただ、美紀は本当に自分に何があったのかわかっていなくて、絵里は一時入院したけれど美紀を責めることは無かったので、
結局「事故」と言うことになり、誰も処分されないですみました。
「良くわからないんだけど……
ただ、あのピアノは私のものだって、そんな気がして、それでそこから先は何も覚えてなくて……」
そう美紀は言いました。
絵里は完治しても手に痺れが出たりという障害が残りました。
こんなことがあったので、私の友人たちは皆幽霊を信じるようになりました。
そしてこんなことがあったのに、その後もみんな集まって怖い話をして、時に肝試しもしました。
そうせずには居られないほどに、退屈な日常だったのです。

ひとまずこれで、思い出話を終えたいと思います。

696: 本当にあった怖い名無し 2006/01/19(木) 02:44:23 ID:OyTa14/E0
>>690-695
スゲー! 色んな意味でキテるなーw

735: 時計 (1/4) 2006/01/19(木) 21:56:00 ID:+lionpOL0
時計

俺は安アパートの2階に住んでいる。
夜中、なにやら騒がしくて目を覚ました。
消防車のサイレンや鐘の音が鳴り響いている。
レム睡眠の途中で目を覚ましたらしく頭がクラクラする。
サイレンの音は一つではない。
火事らしい。それもすぐ近所だ。
ベッドから這い出して窓を開けると、となりの家屋の少し向こうの夜空が
オレンジ色に輝いて染まり、吹きあがる黒煙のなかを炎が舞っている。。
焦げた匂いが風にのってただよってくる。
避難した方がいいのだろうか。
隣の部屋の若い会社員も窓から顔をだしたので、俺は声をかけた。
「ずいぶん近いですね」
「うん。●●ハイツじゃないかな」
俺は通学途中の路地にある白いモルタルアパートを思い出した。
「避難した方がいいですかね」
「着替えて貴重品まとめておいた方がいいかもね」
そう言うと会社員は顔をひっこめた。
俺もスウェットを着替えて、荷物をまとめはじめた。
貴重品といっても財布と貯金通帳くらいで、あとは通っている専門学校の
学生証やテキスト、着替えなどをバッグにつめ込んだ。
そういているうちにサイレンの音は止み、救急車のサイレンが複数台分聞こえ、
やがて外は静かになった。どうやら鎮火したらしい。
携帯を探し出して時間を見ると、4時前だった。
あと3時間は眠れるな、と思い、俺はふたたびスウェットに着替えて
ベッドにもぐりこんだ。

736: 時計 (2/4) 2006/01/19(木) 21:57:04 ID:+lionpOL0
翌朝、学校へ行く途中、現場の前をとおると、建物は無残な残骸状態だった。
屋根も2階の床も焼け落ちて、柱や壁が黒こげで立っていた。
立ち入り規制の黄色いテープが周囲に張りめぐらされている。
つい数時間前まで、あの空間の中で人が寝ていたのかと思うと、
火災の恐ろしさを実感させられた。

学校のあと、いつものバイトに寄り、その後に飲み会があって、
気がついたら帰宅は終電の一本手前くらいだった。
駅から人気のなくなった暗い路地を自分のアパートに向かって歩き、
例の焼け跡の前をとおる。街灯のうす灯りに、焼け落ちた建物がぼんやりと見える。
1階の部屋の玄関跡らしい焦げたコンクリートの段のうえに、
白っぽくまるい掛け時計が置いてあった。
暗くてはっきり見えないが、汚れていないようだ。
俺は部屋に時計を持っていない。周囲を見回すと、幸いなことに誰もいない。
(これって、火事場泥棒だよな)
酔った気安さも手伝って、俺は内心自嘲しながら立ち入り禁止の黄色いテープをくぐった。
掛け時計を手にすると、案の定、放水をあびたのだろう、時計は3時42分で止まっていた。
俺は舌打ちをして、時計を戻そうとした。
そのとき、ふいに秒針がうごきだした。
(お、ラッキーじゃん)
俺は時計を小脇にかかえ、もう一度周囲を見まわして、そっとその場を離れた。
後日、隣の部屋の会社員から聞いたのだが、出元は1階の隅の部屋で、その部屋を含めた
二つの部屋から、それぞれ一体づつ焼死体が見つかったそうだ。
出火原因は不明だが、火元の部屋の女が焼身自殺を図った可能性もあるらしい、との事だった。

737: 時計 (3/4) 2006/01/19(木) 21:57:40 ID:+lionpOL0
それから半年ほどたった夜中だった。
夢を見ていたのかどうかも覚えていない。
深い闇の底で俺はもがき、あまりの息苦しさに目を覚ました。
呼吸が荒れ、寝汗をかき、心臓がドクドク鳴っていた。
何の夢も見ていない。闇の底でもがいていただけだ。
部屋の闇のなかで、壁掛け時計の秒針の音だけが聞こえてくる。
一秒、一秒、時を刻む音が、カチ、カチ、カチ、カチ・・・と。
俺の心臓の鼓動が、秒針の音にシンクロしている。
ドク、ドク、ドク、ドク・・・、と。
時計が、一秒、一秒、時を刻むごとに、俺の心臓の鼓動が大きくなっていく。
ドク、ドク、ドク、ドク・・・、と。
俺は心臓病で胸をかきむしりながら死んだ祖父を思い出した。
俺の心臓の鼓動がどんどん大きくなっていき、このまま破裂するような気がした。
「遺伝」とか「若年性心疾患」などという言葉が脳裏をよぎり、
俺はゆっくり心臓の上に右手をあててみた。
そこに、冷たい、誰かの手があった。
俺の右手のひらが触れたのは、冷たく骨の細い、小づくりな手の甲だった。
そして、その冷たい手の甲が裏返り、華奢な指で、俺の右手を握り返した。
俺は、わあっ、と叫んで手をふりほどき、ベッドからころげ落ちると、
慌てて部屋の電気をつけた。
部屋に蛍光灯の光があふれ、俺はベッドの掛け布団をはぎとった。
なにもなかった。
時計を見ると、4時少し前だった。
眠れなくなった。


俺はあの火災で焼死者が2名出たことを思い出した。
うち一人の女は、焼身自殺を取りざたされたのだ。
拾ってきた壁掛け時計は、その焼身自殺女のものだったかも知れない。
俺は恐ろしくなった。そして空が白むのを待って時計を取り外し、
まだ薄明のうちに近所の寺の本堂にそれを置いてきた。

738: 時計 (4/4) 2006/01/19(木) 21:59:11 ID:+lionpOL0
それからまた2ヶ月ほどたった。
夜中、なにやら騒がしくて目を覚ましかけた。
消防車のサイレンや鐘の音が鳴り響いているようだ。
レム睡眠の途中で目を覚ましかけたらしく頭の中が動かない。
サイレンの音は一つではない。
火事らしい。それもすぐ近所だ・・・。

739: 時計 (4-2/4) 2006/01/19(木) 22:00:11 ID:+lionpOL0
いや、それは夢だった。俺は暗闇のなかで目をひらいた。
サイレンの音も鐘の音も聞こえない、沈黙の真夜中だ。
聞こえるのはただ、時を刻む時計の音だけ。
カチ、カチ、カチ、カチ・・・、と。
だが、俺は半年前に掛け時計を捨てたはずだ。その後、時計は買っていない。
なぜ部屋の中に秒針の音がするのか。
カチ、カチ、カチ、カチ・・・、と。
俺は漆黒の闇のなか、音の聞こえる方向に顔を向けた。
捨てたはずの掛け時計が、闇のなかに青白く浮かび上がっていた。
だが、その文字盤の数字は逆に並んでいる。12、11、10、9・・・、と。
その逆配列の文字盤のうえを、秒針が時を刻みながら進んでいく。
カチ、カチ、カチ、カチ・・・、と。
11、10、9・・・、5、4、3、2・・・、と。
そして時計の秒針が"0"になった瞬間、ベッドのしたから
乱れた長髪の血まみれに焼け爛れた顔の女が這い上がってきて俺の首を絞めた。
叫ぼうとしたが全身が金縛りとなり、喉がひきつって声が出なかった。
部屋の片隅が赤い光に染まり、小さな焔がゆれて見える。
もがこうとするが金縛りで体が動かない。首を絞められ続け意識が遠のきそうになる。
部屋を赤く染める焔はおおきくなり、焼けた匂いがただよってくる。
ふと、金縛りが解け、体が動いた。叫びながら部屋から飛び出す。
アパートの階段を転げ落ちそうになりながら駆け下り、裸足のまま夜中の路地を走った。
ふりむくと、俺の住んでいたアパートの方の夜空はオレンジ色に染まり、
黒煙と焔が激しく吹きあがっていた。

俺の住んでいたアパートは全焼し、隣室の会社員を含め、6人の焼死者を出した。
出火元の住居者である俺は、偽装失火・・・焼身自殺未遂によって巻き添えの
焼死者を出した容疑で、現在、取り調べを受けている。

740: 本当にあった怖い名無し 2006/01/19(木) 22:07:13 ID:H/VAmXrp0
火事ってさ きっと燃える音うるさいから気づかないことはないだろうし
アパートならいくらでも逃げられそうだけどそうでもないんかな



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