95: 本当にあった怖い名無し 2006/05/29(月) 21:40:37 ID:Hfz1CGFZ0
【死守り(しもり)】

じゃあ俺とじじいの話でも。 長い。

柔道五段、がっしりした体格で、土と汗のにおいのするでかい背中。
日に焼けた顔。俺がろくでもないことをする度にぶっ飛ばされた、荒れた手。
素直じゃなくて憎まれ口ばっかり叩いてた俺は、それでもやっぱりじじいが好きで、
だから(自分なりに)親しみを込めてじじいと呼んでいた。
俺が今も尊敬して止まない、そんなじじいの葬式の通夜での話。

5年前、7月の終り頃。
俺の故郷は、今では薄れたとはいえ、それでも土着の、独自の信仰がまだ残っている。
一般的な葬式の通夜は、酒飲んで騒いで、ってな感じ(なのか?よくわからんけど)
俺の地元の場合はかなり異様で、四方が襖になっている部屋を締め切り、仏(このときはじじい)を中心に安置し、
血縁の男4人がそれに背を向け、四方に座るというもの。更にこの時、各々が白木の柄の小刀一振り(村で神事用に管理してるのを借りる)を傍らに置く。

その時高校生になったばかりだった俺にはそれが何の意味かは知らなかったが、その座る役目「死守り(しもり、というらしい)」をするよう、祖母に言われた。
「お前は爺さんの若い頃に瓜二つだ。継いだ血は濃い。お前にしかできん」と。
要するに、鬼除けなんだそうだ。魂を喰らわれないように、と。

死守をするに当たってのきまりがある。
・何があっても後ろを振り向いてはいけない
・誰に名を呼ばれても応えてはいけない
・刀を完全に鞘から抜き放ってはならない
の三つ。
寝ないとかは大前提で。死守り以外の人間にも、その部屋には決して近づくなとか、襖や扉を開け放つな、とか色々と決まりがあるらしい。
ワケがわからなかったが、尊敬していたじじいの通夜、一つくらいじじいの為に立派に
成し遂げてやろうと、杯に注いだ酒を飲まされた後、死守りに臨んだ。
じじいの弟、じじいの息子(叔父)2人、そしてじじいの長女(母)の子の俺。
俺の座ったのは、丑寅の方位だった。

引用元: https://hobby7.5ch.net/test/read.cgi/occult/1148819216/



97: 本当にあった怖い名無し 2006/05/29(月) 21:41:19 ID:Hfz1CGFZ0
部屋の中は真っ暗で、空気はひんやりしていた。線香の匂いと、襖の向こうで祖母が数珠をこするじゃりじゃりという音が不気味だった。
暗闇に、死者を囲んで夜明けまで。
叔父さん達の欠伸とか、衣擦れの音とか、虫や蛙の声とか。
十畳ほどの部屋、暗くて自分の手も見えなかった。

どれだけ時間が経ったかわからない。
暗闇の先、不意に目の前の襖が"ガタンッ"と音を立てて揺れた。
ビクリとして顔を上げる。同時に、俺の"すぐ後ろで"ごそりと音がした。心拍数が跳ね上がった。なんか、まずいぞ、まずいか。決して振り向いてはならない。
叔父さん達の息を呑む気配がする。聞こえてるのか。
何も見えないのに、目ばっかり見開いていた。瞬き忘れて。
嫌な汗が吹き出て、息が上がる。体が固まったみたいに、指の一本も動かせなかった。
あれだけ響いていた虫の音も、蛙の声も、ぴたりと止んでいたのを覚えている。

また目の前の襖がガタンと鳴った。全身が粟立った。
すぐ後ろでは、死守り以外の"何か"が時折ごそりと音を立てる。
俺はもう泣きそうで、逃げ出したくて、それでも身体はぴくりとも動かず、本当にちびりそうだった。

後ろでは、ごそり、ごそり。
不意に声がした。気がした。

「抜け」。

再び体が跳ね上がる。ああ、動く。
相変わらず目は真正面から動かせずに、手探りで小刀を取った。
情けないくらい震える手を柄に掛けて、深呼吸して、半身抜いた。決して抜き放たぬこと。

三度正面の襖が、今度は更に大きな音で、外れるんじゃないかというくらいに"ガン!"と鳴った。
震えで刃と鞘が当たってガチガチ音を立てていた。
後ろの物音と、その主の"何か"も消えていた。終わったのか。
落ち着いてくる頃には、また虫の音が響いていた。

98: 本当にあった怖い名無し 2006/05/29(月) 21:42:56 ID:Hfz1CGFZ0
夜が明けて、祖母が死守りの終わりを告げる鈴を鳴らした時、俺を含めた死守り全員、振り向く気力も無く前につんのめって、そのまま寝てしまったらしい。
しばらくして祖母に起こされた。
「よう頑張った。持って行かれずに済んだ。よう頑張った」
祖母は泣きながら、俺に手を合わせて何度も頭を下げた。

その時になって初めてじじいを振り向くと、少し口が開いていて、掛け布団がすこし崩れていた。
後になって聞くと、じじいの死んだ年は、よくわからんがいろいろと「マズイ」時期だったらしく、本来なら叔父の子(俺の従兄弟、成人)だったはずが、じじいとよく似ている俺が丑寅に座る羽目になったらしい。
ひい爺さんが死んだときは、何事も無く朝を迎えたそうだ。

…「持って行かれた」ら、じじいはどうなってたんだろ。



あの時聞こえた「抜け」という声。
あの声は、俺以外の死守りの声でも、そしてじじいの声でもなかった。

終わり。長くてスマン

212: ヘタレ弟 2006/05/31(水) 00:51:50 ID:W2bh0S300
【姉の部屋】

おれの体験をきいておくれ。下手な文章で悪いけど。

1/2

俺の家の二階は、部屋が三つある。そのうち二つが俺と姉の部屋で、
あと一つが今これを書いているパソコンやテレビがある父の書斎。
間取り的には、俺の部屋が姉の部屋の向かいにあって、姉の部屋と書斎が隣り合う形になっている。

んで、一年ほど前から、書斎でテレビ見たり、パソコンでネットしてるときとかに、
隣の姉の部屋から誰かがブツブツ言っている声が聞こえる。
最初に聞いたときは、おおかた、姉が電話でもしているんだろうと思っていた。
で、何日かして、またいつものように声がしはじめた。
俺は また姉ちゃん電話でしゃべってんのか・・・ウルサイなぁ・・・ と思ったが、
ほうっておいた。そして、一時間くらい経った後、俺はトイレに行くために
一階へ降りていった。用を足した後、ふと居間の方を見てみると、姉がテレビを見ている。
俺が あれ?姉ちゃん今、上(二階)にいんかった? ってきいたら、
 はぁ?あたし今帰ってきたとこやん て言われた。
じゃあ一時間前から聞こえてたあの声は・・・?って思ったら、背筋が寒くなった。
あとでよくよく考えてみると、
あの声が聞こえてるときに姉が部屋にいたときは一度もなかった。

姉にこの事を言おうかと思ったが、姉はめちゃくちゃ怖がりなので、
結局、言いだせないまま、ホームステイをしに海外へ行ってしまった。

214: ヘタレ弟 2006/05/31(水) 00:59:47 ID:W2bh0S300
2/3

その後、今でもブツブツ喋っている声はきこえる。
この前一度、勇気を振り絞って何を言っているのか聞くために、
書斎と姉の部屋を隔てている壁に耳をそっとあててみると、
・・・ブツブツ・・・ブツブツ・・bpvdhれwがあ゛ア゛ーーーー!!!!!
て いきなりなんか叫び声に変わって、壁をドゴン!ドゴン!!
と殴ってるようなおとが聞こえてきた。
俺はもうマジで腰抜かしてガクガク震えながらその場にヘタレこんでしまって、
頭ン中は恐怖で真っ白だった。

音を聞きつけた親父が来てくれて、助けおこしてもらい、急いで一階にひなんした。 
数分後、何も聞こえなくなったので、こわごわ姉の部屋をのぞいてみた。
特に変わったところはないし、壁を殴ったあとも無い。
そこで、ふと上を見ると、天井に文字らしきものがかいてある。
そこには、
              タ  ロ   
              /  じ

とあった。 なんじゃこりゃ?と思ったが、気持ち悪いことには変わりないので、
すぐ部屋を後にし、近所のお坊さんを呼んで、事情をせつめいした。

215: ヘタレ弟 2006/05/31(水) 01:00:37 ID:W2bh0S300
3/3
お払いに来たお坊さんに、 これなんて書いてあるんですか?と聞いたら、
お坊さんは あぁ、これはな、 怨 て書いてあるんや と教えてくれた。
たしかにつなげたら 怨 という字に見える。
俺があわてて ちょっ 大丈夫なんですか? てお坊さんに聞いたら、
 だいじょうぶだいじょうぶ ちゃんとお払いしたし、
Yちゃん(姉の名前)の部屋に出たひとは、もともとこの土地に
執着してたひとで、たまたまYちゃんの部屋に居座っちゃっただけ。
君の家にももうでないし、Yちゃんにも影響はないから安心していいで
といってくれた。 坊さん曰く、我が家は悪いものがたまりやすいらしい。

その後、もうブツブツ言う声は聞こえないし、オーストラリアにいる姉にも
なんの影響もないようだ。天井の文字もいつの間にかきえてた。

でも、一つ気になってることがある。それは、夜中にずっと階段を上り下りする
気配がすることだ。不安だが、 ホントにやばいことになったら
またあのお坊さんをよんでみることにしよう。

長文付き合ってくれてありがとうございました。

223: 本当にあった怖い名無し 2006/05/31(水) 12:30:03 ID:DgPOohSKO
なかなか恐かったよGJ!

タロじーと呼ばれてる俺としては、ちょっとドキッとした話だったw

252: 最強の退魔師を見た 2006/06/01(木) 02:46:51 ID:yzlDp5eJ0
【「も」「う」「こ」「な」「い」 】

小学五年生の頃の話。

その頃は学校ではこっくりさんやキューピットさんが流行っていて、
放課後になると誰かが必ずやっていた。
その日もいつもの様に放課後に女子3人がこっくりさんをやっていた。
俺とAとBはそれを下らない話をしながらなんとなく見ていた。
まぁ普通にこっくりさんは降りてきたようで、色々聞いてキャーキャー
言っていた。
最初は楽しそうに…と言うのも変だが、普通にやっていた女子たちだったが、
何か様子がおかしい。
俺とAとBは会話を止め、女子たちの所に寄ってみると…

「こっくりさん、こっくりさん、お帰り下さい…」

スーッと十円玉が動く…
「いいえ」
どうやらこっくりさんが帰ってくれないらしい。
何度やっても駄目なようだ、
「なんで…?」
「もうやだよ!」
「おかえりください…」
女子たちは泣きながら発狂寸前だった。

253: 最強の退魔師を見た 2006/06/01(木) 02:47:50 ID:yzlDp5eJ0
続き

するとおもむろにAが口を開いた。
「お前らはこっくりさんに対する歓迎の気持ちが足りなかったんだ!」
と言い出し、歓迎の歌と称して突然歌いだした。

「こっくりさぁあ~ん!
 こっくぅーりさん、こっくぅーりさん
 こくぅーりこくぅーり、こっくーりさん!
 こっこっここっこっくぅ~りさん!」

俺とBは絶句した。
発狂寸前だった女子たちも絶句してAを見ていた。
Aが歌い終わると、十円玉が突然激しく動きだした。
シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!

「も」「う」「こ」「な」「い」

それからその教室にこっくりさんが降りてくる事はなかった。
そう、Aは凄まじい音痴だったのだ…
翌日からAのあだ名は孔雀王になった。


258: 本当にあった怖い名無し 2006/06/01(木) 10:19:21 ID:MPiCwELsO
こっくりさんは、所謂自己暗示の様なもので、無意識中の脳の司令が筋肉を動かし10円玉を操作したり、ひどいときには狐憑き状態になったりする現象。
凄まじい音痴はそれらを凌駕してしまうという事か。

266: 本当にあった怖い名無し 2006/06/01(木) 17:12:40 ID:c1vjU/bS0
【許さない】

これは、私の従兄(以下K)が実際に体験した話です。

3年前のことだ。
Kは不思議な夢を見た。
いつの間にか、真っ暗闇にKは居たそうだ。
遠くの方でかすかにゴリゴリとかボキボキとか、変な音がする。
その音は決して気持ちの良い音、とは言えない。
Kは、何か嫌な予感がしてその音がする方へ走っていく。
次第に音が大きくなっていくのが分かった。
そして、いつの間にかすぐ横で、何かがぼうっと光っているのに気付いた。
そちらを見ると、着物を着た女の子がこちらに背を向けて座っている。
どうやら、音はその子が発しているようだ。
Kはその女の子の前に回り込んで何をしているのか見ようとした。
しかし、その光景を見た瞬間、Kは何とも言えない感覚に襲われたそうだ。
口が異常に大きな、こけしのような女の子が、Kの妹を足の方から喰っているのだ。
女の子が口を動かす度にゴキゴキ音がする。
妹はすでに気を失っているようだ。
あまりの惨さにKは座り込みそうになったが、
妹を助けなければ、と思い、その女の子を蹴り飛ばし、
妹を抱き上げ必死に名前を呼んだ。
しかし、妹は気がつかない。
後ろの方で、女の子はうめいている。
とにかく、今のうちに逃げてしまおう、と思い、Kは妹を抱えて走り出した。

267: 本当にあった怖い名無し 2006/06/01(木) 17:13:39 ID:c1vjU/bS0
少し走ると、前方にドアがぼうっと浮かび上がってきた。
Kは「あそこまで行けば助かる!」と思い、必死になって走り続けた。
そして、後少しで辿り着く、というところで、背後に女の子の気配を感じた。
このままでは追いつかれてしまう、と思うがドアはもう目の前。
手を伸ばしてドアノブを回し、まさにドアの向こうへ行こうとした瞬間、
服を引っ張られ、Kは後ろに倒れてしまった。
目の前には女の子の顔。
その子はKの耳元で「許さない許さない許さない喰ってやるお前も喰ってやる!」
と、かすれ声で呟いた後、Kの耳に喰い付き、そのまま引きちぎった。
痛みと恐怖に悲鳴をあげ、その女の子を殴り飛ばし、
妹を再び抱え、ドアを通った後、勢いよく閉めた。
その瞬間目が覚めた。
あまりの気味の悪さに息が切れ、汗でびっしょりになっているが、
そこから抜け出したことに安著の溜め息をついた。
しかし、その瞬間「今度は皆喰ってやる」と耳元で聞こえたそうだ。
驚いて振り向いたが誰も居なかった。

それから、あの夢は見ていないそうだが、ただの気味の悪い夢ではなかったらしい。
現に、妹さんはこの3年間で2度も事故に合い、2度共足を骨折している。
それから、Kは右耳(ちぎられた方)があの日以来聞こえにくくなったそうだ。
もう二度と見たくはないし、そう祈っているとKは言っていた。

長文すいませんでした。

299: 本当にあった怖い名無し 2006/06/02(金) 00:03:58 ID:sHP0gRO9O
【酔った女】

一年前に体験した洒落にならない話。

夏ぐらいに千葉にあるクラブに行った帰り。始発電車に乗る為少しだけ先にクラブを出て、駅まで歩いていた。
空は夜明けの薄明かりで車も人もいなかった。

クラブ帰りなのか、10メートルくらい離れた所に女の子が一人でヨタヨタ歩いていた。
もう千鳥足っつうか、カトチャンぐらいに揺れていた。
俺は後ろから一定の距離を保って歩いていたんだけど、その女は靴を片方しか履いて無かったみたいでミュールの『カツカツ』とゆう音を出していた。

多分酒飲んで踊ってを繰り返してそのまま出て来ちゃったんだなぁ…とか思いながら駅に着くと女は急に走り出してどっかに消えてしまった。

さっきまであんな歩き方だったのに大丈夫かなぁ?とか思って俺も階段を走って行った。
ホームに着くと人は2~3人ぐらいしかおらず、あの女はいなかった。
『うわ…幽霊かよ…』
ちょっとワクワクした俺は友達に『幽霊みたいな女見たぜ!!』みたいな電話をし、笑い話をまじえながら電車が来るのを待った。
少しして電車が来たので友達との電話を切り真ん中ぐらいの車両に乗った。

その時息が止るのと同時にビックリして声が『うっ』と出た。
さっきの女が乗っていた。
今来たばかりの電車に既に乗っていた。

305: 本当にあった怖い名無し 2006/06/02(金) 00:43:18 ID:2+Ra5khCO
やはり靴も片方のみでイスにだらしなく座り下を向いて手すりの方に寄り掛かっている。
怖くなり体が動かなかったが必死にホームに戻ろうとした。
しかし丁度の所で扉はしまった。
本当に本当に怖かった。
次の駅で降りて次の電車を待とうと思い、幽霊か生きている人間か分からないその女の少し離れた所に座って震える手でさっきの友達にメールを打っていた。
友達から『どんな顔なのか』とメールで聞かれるが下を向いていて髪がたれて見えないし、ましてや怖くてまともに見れない。

メールじゃなく電話で友達と話して怖さをまぎらわそうとした瞬間。

『ゴンッ』
電車の窓に頭をぶつけた女が目を見開きこっちを見ている。

顔は上を向いて目は俺を見ている。口は半開きだった。
距離は5メートルぐらい離れていたが車両には誰もいないので俺を見ているのは分かった。すると女は口をパクパクした。アナウンサーが早口言葉を練習するように口を動かしている。
その間も俺と女は目があったままだ、良く見る口の端からタラリと血のような物が垂れている、俺は『間違い無い、死んでるんだこいつは…』と思っていると女はどんどん血を吐きだし口から下、顎までが真っ赤に染まり鼻からも血を流していた。

息が上がりゼェゼェ言い、涙を流して俺はごめんなさいと心で唱えた。
『○○に到着です、○○線はお乗換えです』
アナウンスが流れ、俺は外に飛び出した。
すぐに振り返り車内を見ると女はまだこっちを睨んでた。
電車は走り出した。

俺は片手に違和感を感じ見てみると左手に靴を持っていた。
『プシュー』

閉まった車両の窓に女が鬼の様な顔でへばりつき魚の様に口をパクパクさせていた。

俺はその場でへたりこんだ。
しばらくしてこんな話を聞いた。
『電車の中で変な女に会ったら目を見てはいけない、見た奴は必ずまた女に出会う』
つまり憑かれるって事らしい。

306: 本当にあった怖い名無し 2006/06/02(金) 00:55:06 ID:znEls3qD0
つまり酔った女は見るな!と・・・
 
 
いや怖い話だたよ。
312: 出生の秘密1/4 2006/06/02(金) 02:30:08 ID:lNrs+kHJ0
【出生の秘密】

自慢じゃないが私は憑かれやすい
または『良くないモノ』を寄せつけやすい体質らしい。
昔から婆さんにお守りを持たされ続けてきた。
何でお守りなんか持たされるのか、子供心に不思議でならなかったが
14歳の誕生日、祖父母両親から初めてこんな話を聞かされた。
(見てるワケ無いですが見たかのように書きます)

私が生まれてくる前、母親の胎ん中に居た時の話だ。
跡継ぎになる男の子を授かったと 親戚一同集まってお祝いがあった。
妊娠8ヶ月を迎えていた身重に大事があってはいけないと、
祖母は母を連れて奥の間、仏壇のある部屋で休んでいたそうだ。

夜も更け、殆どの親類が帰った頃、奥の間から真っ青な顔をした祖母が飛び出してきて
「ヒロ子さんが(母の名前)、ヒロ子さんがおかしい」と言った。
続けて襖の間から母がフラフラっと現れた。しわがれた声で
『敏行ぃ― 敏行ぃ――』としきりに呼ぶ。
いつものヒロ子とは思えない老人の声だった。
祖父には――敏行には声の主が誰か分ったのだろう、ボロボロ涙を流しながら
「カツゴロウ爺、カツゴロウ爺か!」といった。
母は老人の声で正座をする祖父に言い聞かせ始めた
(方言と昔言葉が頻出するので訳略します。)

『ウチの一族は死んでもまともに成仏できない』という事、
『【タツミ】の代に作った恨み、神罰が未だに消えていない』という事、
『その恨み・災厄は生まれてくる子に降りかかる』という事、
『この子は今後大変な苦労をするかもしれんが、どうか守ってやって欲しい』
という事を告げた。 ひとしきり話した後
最後に『がんぐらぎぃなかん きぃふごあるげえ、ごっだらにもたせぇ』と言い、
母はフッと力が抜けたようにその場に倒れた。
眼覚めた母は自分が喋った事は一切覚えていなかったとの事だった。

313: 出生の秘密2/4 2006/06/02(金) 02:32:30 ID:lNrs+kHJ0
祖父は言った。
母に降りてきたのは「勝吾郎」祖父の祖父、つまり私の曾爺さんで
禍根の主【タツミ】は祖父の6代目の先祖、
私のひいひいひいひいひい曾爺さんに当たる人物だそうだ。


地元では昔から土着神を崇めていて、私の先祖は代々 神事をまとめる司祭だったが
件の【タツミ】という男は相当の外道で、司任してからは権力と金で女性を食い物にし、
反抗する者は村八分にしたり供物と称して殺してしまった。
その上 信仰心など全く無く、神事もおろそかにする有様だった。

さて、その土着神は女の神様なわけで 神罰かどうかは分からないが
しばらくして、地域で凶作が続いたり女子が全然生まれなくなったりした。
ある歳の収穫祭の日。怒った村人は寄って集って司祭を――タツミを殴り殺してしまった。
無論、 供物としてだ。

その後 一族は勿論、地域の者誰一人として司祭を継ごうという者は現れず、
管理する者もおらず、ヤシロは荒れ果て、
大正に入って国家政策で国津神系の神社が建つまで200年間、地元で神事は行われなかった。
どういうワケか分からないが先祖のツケが私に降りかかるというのだ 迷惑な話である。


話は戻って 母が、カツゴロウが最後に言った事について祖父は語った。
『がんぐらぎぃなかん きぃふごあるげえ、ごっだらにもたせぇ』 地元の方言で
『岩倉の中に木の札があるから、生まれてくる子供に持たせろ』という意味との事だ。

家には長い間使われていない岩壁をくりぬいて作られた蔵がある。
後日祖父が南京錠を外して中を調べたところ、神棚に襤褸切れを見つけた。
油紙に包まれたそれは木片、札のようにも見えるそれには2つの文字が刻まれていた。

314: 出生の秘密3/4 2006/06/02(金) 02:34:47 ID:lNrs+kHJ0

【△□】(伏字)  ...私の名前だ。

両親はそれまで決めていた名前を諦め、札に書かれていた2文字を私の名にしたのだ。

私は始めて知った 同年代の子供と比べて明らかに自分の名前が古臭い理由を。
地元の大人が私を見ると顔をしかめるワケを。


その木片を祖父が削り出し、祖母が祝詞(のりと)を書いたモノが、私が子供の頃から持たされ続け
今もこうして持っているお守りなのだと。

祖父は言った
生まれてすぐ腸閉塞で死にかけたり、沼に溺れてしにかけたりいろいろあったが
今も無事で居るのはそのお守りのおかげだと。忘れずにこれからも持つように。
そして、「この歳まで無事で生きていてくれて本当にありがとう」と爺さんは言った。

当時中学生の うす味な脳みそに全てが理解できるワケがなかったが
爺さんが死んだ今では 祖父の言っていた事を一句一句噛み締めている。


――そんな話を、彼女に話している。
祖父の葬式が終わって数日後だ。
こういった類の話に理解のある彼女とはいえ
引く事を承知で話している。何故か無性に伝えたくなったのだ。
彼女は
想像を裏切り『..そっか、そんな感じだと思った』と苦笑いしながら答えた。
「?」
『この前ね、枕元にヨボヨボのお爺さんが立って、言うちょね

            【あの子を守ってやってくれ】って。』

315: 出生の秘密4/4 2006/06/02(金) 02:36:56 ID:lNrs+kHJ0

今もあのお守りは肌身離さず持っている。
もう書かれている字もかすれて見えなくなってるが
実家に帰る度に婆さんが必ず言う言葉を肝に命じて。
『だらぁ、お守り持っとるか?なくすなよ、
            失さしたら  死ぬぞ?』

325: 本当にあった怖い名無し 2006/06/02(金) 07:36:49 ID:Y9VkR2ahO
出生の秘密GJ!
この彼女頼もしいね。
もっと読みたい!

396: 本当にあった怖い名無し 2006/06/03(土) 02:13:20 ID:8HvztCeX0
【老人ホーム】

個人的に洒落にならなかった話ですが、もう何年も昔の話なんで書き込みます。

2002年のワールドカップが行われてた頃だったと思うから
おそらくは今から丁度4年くらい前の話。

東京に上京して大学に通う事になった俺は、
都会にしては安い、家賃5万のアパートで一人暮らしを開始する事になった。
まぁゴキブリは月に1回出るし、部屋も6畳でとても広いとはいえない物件だったけど、
5階建の5階という点と、バルコニー(ベランダみたいなスペース?)が割りと広かったのが気に入ってた。
ベランダからの眺めは別によくはないけど、結構ひらけてる。
けど目の前に、結構大きめの老人ホームのような建物があった。


その日、普段と変わらず学校にいって、夕方6時くらいに部屋に帰ってきた。
普段ならレポートとか、友達と遊び行ったりとかするもんだけど
その日は何だか眠くて、学校から家に帰るなり寝入ってしまった。

目が覚めたのがだいたい深夜0時過ぎくらい。
あー、変な時間に寝ちゃったなぁって思って、タバコ持ってベランダに出た。
部屋の中でタバコ吸うと、彼女が煙草臭いと文句垂れるし部屋の空気悪くなるしで
煙草吸う時は毎回ベランダで煙草吸う事にしてた。
寝入ってしまった事を後悔しながら髪をかきむしって煙草に火をつけた。
スーーーッ・・・フゥゥゥゥーーーー・・・・・・


397: 本当にあった怖い名無し 2006/06/03(土) 02:19:15 ID:8HvztCeX0
煙を吸い込んで吐ききって、なんとなしに部屋から見える景色に目をやった。

老人ホーム、ずーっと先の方にはコンビニの光、あとは住宅街。

「ガラガラガラ」

音する方に視線をやると、老人ホームの一部屋の窓が開いている。
深夜0時回ってんのに・・・今の音はあの窓が開いたからかな?
そう思ってその開いている窓をずっと見てたら、すぐに老人がニョキっと顔を出した。

僕の方には目もくれず、バサーっと部屋から何かを投げ出した。
ロープみたいなものだった。
老人は窓枠に必死にそのロープらしきものを結ぶつけてた。

脱走だ・・・直感的に思った。
老人ホームに入っている人でも、やっぱりこういう施設に入れられる事に嫌悪感を抱く人はいるもんなんだな、
とか思ってるうちに老人は窓際でのロープを結ぶ作業を終了させたらしく、一旦姿を消した。
老人が老人ホームを脱出する瞬間!を目の前にするのだと思うとなんとなく興奮してきてた。
老人はすぐに姿を現したかと思うと、
あっという間に窓から身を投げ出し、首を吊って死んだ。

老人が部屋から身を投げて、ロープと窓枠の衝撃で「ガゴン」って鈍い音がしたんだけど、
なんだか今でもその鈍くて重い音が忘れられない。

398: 本当にあった怖い名無し 2006/06/03(土) 02:20:22 ID:8HvztCeX0
後日談になるけど、
その時、僕はその老人ホームに向かって色々叫んだけど、結局何の応答もなくて、
施設まで走っていって管理人がいると思われる玄関周辺をドンドン叩いて、
泊り込んでいた人を起こして、助けようと救急車、警察も呼んでドタバタしたけど結局助からなかった。

次の日とかその次の日とか、ニュースになるんだろうなと思ってたけど
一切そのニュースがなかったのを目の当たりにして、こういう事は珍しくともなんともないのかな、
なんて思った学生時代でした。

399: 本当にあった怖い名無し 2006/06/03(土) 02:26:29 ID:Uup5VRfc0
>>396

こういうの怖い。
何よりも。

424: 2006/06/03(土) 12:07:58 ID:3rNkYIQb0
【顔】

最初からそんな表情の石像だったとは思えない、不気味
な迫力があった。
何ごともなく、番組は次のニュースへ移る。
「こんなことって、あるんですかね」
と言う俺に、師匠は難しい顔をして話しはじめた。
「廃仏毀釈って知ってる?」
師匠の専攻は仏教美術だ。日本で似たような例を知って
いるという。
江戸から明治に入り、神仏習合の時代から仏教にとって
は受難といえる神道一党の時代へ変化した時があった。
多くの寺院が打ち壊され、仏具や仏像が焼かれ、また神
社でも仏教色の強かったところでは、多くの仏像が収め
られていたが、それらもほとんどが処分された。
「中でも密教に対する弾圧は凄まじかった」
吉野の金峰山寺は破壊され、周辺の寺院も次々と襲われ
たが、その寺の一つで不思議なことがあったという。

426: 2006/06/03(土) 12:08:58 ID:3rNkYIQb0
僧侶が神官の一党に襲われ、不動明王など密教系の仏像
はすべて寺の庭に埋められて、のちに廃寺とされた。
弾圧の熱が収まりはじめたころ、貴重な仏像が坑された
という話を聞きつけて、近隣の山師的な男がそれを掘り
起こそうとした。
ところが土の中から出てきた仏像は、すべて憤怒の顔を
していたという。
元から憤怒の表情の不動明王はともかく、柔和なはずの
他の仏像までもことごとく、地獄の鬼もかほどではない
という凄まじい顔になっていたそうだ。
その怒りに畏れた男は、掘り出した仏像に火をかけた。
木製の仏像は6日間(!)ものあいだ燃え続け、その間
「おーんおーん」という唸り声のような音を放ち続けた
という。
あまりに凄い話に俺は、気がつくと正座していた。

427: 顔  ラスト 2006/06/03(土) 12:10:24 ID:3rNkYIQb0
「何年かまえ、人間国宝にもなっている仏師が外国メディ
 アのインタビューを受けた記事を読んだことがある。
 記者が、どうしてこんなに深みのあるアルケイックス
 マイルを表現できるのでしょうかと聞くと、仏師はこう
 答えた。
 『彫るのではない。わらうんだ』
 これを聞いたときは痺れたねぇ・・・」
めずらしく師匠が他人を褒めている。
俺は命を持たない像が、感情をあらわすということもあ
るかも知れない、と思い始めた。
「そうそう、僕が以前、多少心得のある催眠術の技術を
 使って面白いことをしたことがある」
なにを言い出したのか、ちょっと不安になった。
「普通の胸像にね、ささやいたんだ。
 『お前は石にされた人間だよ』」
怖っ
なんてことを考えるんだこの人は。
そしてどうなったのか、あえて聞かなかった。