461: 本当にあった怖い名無し 2006/07/11(火) 02:27:11 ID:ZgICox3C0
【子供が見ていたもの…】

「?」
 始めは軽い違和感だった。広大な公園のなかに時折何か少し様子の異なる存在が感じ取れた。
私は当時3~4歳。まだ幼かった。
 何度も立ち止まっては周囲をキョロキョロ見回す私を、両親と祖父母が早く着いてくるよう促す。
 花見のシーズンであるにもかかわらず、公園内はそれほど混雑していなかった。花曇りの穏やかな天候のなか、
満開をむかえた桜をゆっくり散歩がてら眺めるのにちょうど良かった。
 だからこそ、より目についてしまったのかもしれない。ゴザの上やベンチに座ってくつろぐ花見客の間に、
ただ突っ立ってたり、石垣や柵に寄りかかってたりして、ジッとたたずむ不思議な存在を。
 彼らは死者だ。
 なぜか私はそう思った。しかし当時の私の年齢では、死というものの概念をしっかり理解できる程成長しては
いない。それゆえに私はただ、なんの恐れも抱かずに彼らの異常な姿に目が惹かれてしまったのだ。
 ある者は頭が半分以上吹き飛んだ状態で立ちすくみ、残っている両目が互いにあらぬ方向に向けら
れていた。別のある者は、右腕から肩にかけて引き千切られたようで、剥き出しの関節から黄褐色の
潰れた骨が覗いていた。削り取られた肌から肉が剥き出しになっている者、半身が真っ黒に焼け焦げ、
焼け崩れた頬からニヤけているように歯並びが見える者・・・・。 

引用元: https://hobby7.5ch.net/test/read.cgi/occult/1152269321/



462: 本当にあった怖い名無し 2006/07/11(火) 02:42:57 ID:ZgICox3C0
>>461の続き
 一見まともなように見えるが、首が捻れ、白目をひん剥いた状態でたたずんでいる女性。
 残虐極まりない光景であったが、そのせいなのか、それとも私自身が幼かったせいか、特に恐ろ
しさはなく、その姿の異常さ事態に無邪気に純粋に興味を持ち、立ち止まってはそれを珍しげに
眺めていたのだ。
「何みてるの?」
 母は尋ねた。
「・・・・わかんない・・・・」
こう答えるしかなかった。そうであろう。当時の私では今目にしている状況を言葉で正確に説明
出来る能力は無い。私は母に手を引かれながらも、自分の周りの”彼ら”に目線を向け続けた。
 生きているとは思えない・・・が、なぜか彼らには人格や意思の存在があるように思えた。
 しかし、何かを訴えているようには見えない・・・ただ一様にそこにたたずんでいる。
 そうしているうちにも、彼らの存在は少しずつだが、徐々に増えていった。
 今や公園内のあちこちに彼らはいる。座っているもの。立ちすくんでいるもの。生きている人間と
さほど変わらない姿の者もいたし、肉体が激しく損傷している者も多かった。  

465: 本当にあった怖い名無し 2006/07/11(火) 02:54:51 ID:ZgICox3C0
>>462の続き
 彼らは特に苦しんでいる様子でもなく、怒っているわけでもなく、恨みや憎しみを抱いている
様子もなく、空ろな目をしたまま只そこにいた。存在していた。
 私はなにやら重圧を感じ始めていた。時々彼らと目線が交錯するようになった。しかし彼らは
それでも私に対して何かを訴えかけたり語りかけたりするわけではなかった。
 終始無言。その沈黙が重圧となってゆく・・・。
 私はどうしたらよいか、分からなくなっていた。
「モタモタしてないで早くいらっしゃい」
 母の声だ。
「どうしたのかい? お腹へったのかい? それともトイレかい?」
 祖母の声だ。
 しかしその声はなにやらボヤけ、遠くからくぐもって響いているようだった。
 彼らはその数を益々増やしている。
 一度目を逸らして再び視線を戻すと、今まで誰もいなかったその場所に新たに
彼らが出現している。

468: 本当にあった怖い名無し 2006/07/11(火) 03:06:48 ID:ZgICox3C0
>>465の続き
 座ってうつむいている者・・・背中全体がケロイド状にヤケドして黄色く濁った膿が垂れている。
 柵に寄りかかって仰向けに天を見上げる者・・・胴体が潰れ、口元から血が泡のように吹き出ている。
 足元には、何者かの引き千切られた生首が転がっていた。
「どうしたの? いったいなんなの?」
 母のその叫びが、記憶の最後だった。

 目が覚めた時は病室だった。3日たっていた。
 あの時母が声をかけた直後、私はその場に昏倒したという。
 父が抱き起こしたが意識が無かったらしい。
 結局、救急車で病院に搬送された。
 意識不明。医師も「原因は良く分からない」と言う。確かに体に異常があるわけでもなく、
高熱を発したわけでもなかった。
 ただ昏々と眠り続けた。夢も見なかった。

 以降、こうした物は見ていない。

486: 本当にあった怖い名無し 2006/07/11(火) 05:48:56 ID:b3m6w2V80
【閉めたカーテン】

オレの大学生のころの話を聞いてくれ。

オレが大学生のころ、友達の女の子が覗きに困ってると言っていた。
なんでも向かいのマンションの窓からずっとこっちを見てるんだそうだ。
この2日くらい家に帰って窓の外を見ると男が見てるらしい。
「そりゃ、気持ち悪いね。オレがガツンと言ってやるよ!」
なんて頼もしい事を言ってまんまと彼女の家に上がり込んだ。

彼女の部屋はマンションの裏側で、窓からは裏手のマンションが見えるんだが、
窓空けてすぐは駐車場がひらけてて、すこし離れて向かいにマンションがあった。
「あ、今日も見てる・・・。」
あんまり目がよくないので、よく目をこらしてみると、
ちょうど向かいにあたる部屋から確かに男がこっちを見てるように見える。
座ってるような感じでじっとしてた。
「うわ、本当だ。ってかあれ覗いてんの?」
「違うかな?でもこの2~3日ずっとこっち見てるから気持ち悪くて・・・。」
オレはもっと近いところからあからさまに覗いてるのを想像してたので、
そうしたら怒鳴りつけてやろうかとも思ったけど、
これはちょっと怒鳴りつけるって感じでもない。遠いし。
オレは男にむけて、手でシッシッってジェスチャーをしてみたんだけど、
男は無反応だった。
「ん~、変なやつ・・・。部屋行って気持ち悪いからこっち見んなって言ってこようか?」
「いいよ、怖いから。ありがと。もうしばらく窓開けないようにする。」
んで、その日はいい雰囲気になって彼女の家に泊まった。

487: 本当にあった怖い名無し 2006/07/11(火) 05:49:29 ID:b3m6w2V80
その日から何日かは彼女の家に通ってたんだけど、
男は相変わらずこっちを見てる。
でもおかしいのは真夜中でも電気もつけずにこっちを見てるようだし、
朝起きて窓を開けてもやっぱりそいつは窓の外を見てた。
いい加減気味が悪くなったので、部屋を訪ねて文句でも言おうと思ったが、
彼女が怖いからやめろと言うので警察に通報した。
警察は一応話しを聞いてみると言ってくれた。
それからその部屋にはカーテンがしめられて、
警察がちゃんと注意してくれたんだと思って早く電話すればよかったと反省した。

それから彼女とは付き合うようになって、2~3ヶ月経った頃だったろうか。
彼女の家に警察が訪ねてきた。
なんでも向かいのマンションで自殺があったそうなんだが、
その自殺した人間というのが、あの彼女の部屋のむかいに見える部屋の男だったそうだ。
以前通報があったので話を聞きにきたということだった。
その時はオレもいて、警察の人に話を聞いたんだけど、
どうやらこっちをずっと覗いてた男は
ロフトみたいなとこのパイプに縄をくくって首をつってたらしい。
ずっと覗いてると思ってたのは既に息絶えて縄でぶら下がってた男だった。
完全にぶら下がらずに、座るような格好で首をつってたので
こっちを見てるように見えたとのことだった。
それを聞いて背筋がゾッとした。
彼女も怖がって、その日は彼女の家を出てラブホテルに泊まった。
その夜もなんか電気消すのとかも怖くて、あまり考えないようにした。

488: 本当にあった怖い名無し 2006/07/11(火) 05:51:00 ID:b3m6w2V80
次の日、学校で友達にその話をした。
「かくかくしかじかで~警察来て~、んで自殺だったんだって!」
「それマジで?メッチャ怖いじゃん。」
「だろ?その日彼女ん家いられなくてラブホ行ったよ。」
「っていうか、カーテン誰が閉めたの?」
って言われて背筋がまたゾッとした。
そうだよ。オレが通報した後、カーテン閉まったじゃん・・・。
その後すぐ警察に電話して、その事を話した。
オレの通報を聞いた警官の話では、
一応部屋を訪ねはしたが、応答がなかったのですぐ帰ったそうだ。
「カーテン本当に開いてたの?隙間からかと思ってたよ。」
と刑事が言ってた。
オレの思い違いだっけ・・・? 彼女に確認しようかと思ったけどやめた。

489: 本当にあった怖い名無し 2006/07/11(火) 06:13:52 ID:LNKmavm5O
すごく……怖いです…

490: 本当にあった怖い名無し 2006/07/11(火) 06:28:22 ID:9ysAJNx/0
でも言ってみりゃキューピッドだねぇ。
いつまでも君たちの事をどこかからずっと座って見つめてると思われ。

531: 1/3 2006/07/11(火) 14:10:37 ID:ZsAZIe+90
【列車の中の女】

小学校1年の2学期に入る前だったかな。
父親の仕事の都合(海上保安庁に務めてる)で、実家から島根県に引っ越す事になった。
当時は車を持ってなかったので、荷物の運送は業者に任せ、俺達家族は必要な荷物だけ持って
鈍行列車で「浜田駅」まで行く事になった。

駅に着くまで2時間半ぐらいかかるので、親父も母親も妹も寝ちゃってた。
俺1人が頑張って起きてた。家族全員が寝たら荷物を盗られるんじゃないかと、心配になってね。
どこの駅からだったかは忘れたけど、通路を挟んた反対側の座席に女の人が座ってた。
髪の短い人で、当時の俺は「女性=長髪」という認識だったから、珍しくて景色を見る振りをして
チラチラ見てた。

532: 2/3 2006/07/11(火) 14:11:18 ID:ZsAZIe+90
やること無いし、そのうち見るのも飽きてウトウトし始めた。
で、なんか気持ち悪くて目が覚めた。臭うんだ。洗面所の排水口に鼻を近づけた感じの臭い。
顔がぬれてるみたいだし、誰かが顔を触ってる。
てっきり妹が起きて悪戯してるんだと思い、目を開けたんだ。

隣の座席に座ってた女の人が、俺の頬をベロベロ舐めてた。
(舐めるというより、舌を這わすといった方が正しいかもしれない)

目にした最初の光景が、ドアップの顔なんだから驚いたのなんの。
でも何が起きてるのか分からなくて、悲鳴もあげられない。「ひ」とか「い」とか、そんな事しか呟けなかった。
女の顔なんて覚えてない。何度もまばたきしながらこっち見てる『目』しか覚えてないんだ。
どれだけの時間、その女がそうしてたかなんて今も考えたくない。

けれど、さすがに変な気配を感じたんだろうな。親父が眼を覚ましてくれた。
「おいっ! 何してんだテメェッ!」と、これまで俺が聞いたこともないデカイ声で親父が叫んだかと思うと
女の横腹に蹴りを一発。その一撃で、ようやく俺の顔から女が離れた。
母親も妹も、ここで目を覚ましたらしい。

534: 3/3 2006/07/11(火) 14:12:30 ID:ZsAZIe+90
すかさず親父が女を組み伏せる。田舎の在来線とはいえ、俺達以外にも客はいる。
何事かと集まりだした。俺は親父の声に驚いて泣き出して(正直、親父の怒声の方が怖かったかもしれん)。
オロオロしながら「何があったの」と聞く母親に、親父は「こいつ○○の顔を舐めてやがった!」と返す。
俺が泣くから妹も泣き出して、手がつけれない状態に。
客の誰かが車掌さんを呼んでくれたらしく、親父が事情を説明し、浜田駅で警察に引き渡すことになったらしい。
俺はひたすら泣いてたんで、その辺はよく覚えてないんだが・・・親父によると、女は警察に引き渡されるまで
ずっと無言で、ヘラヘラ笑ってたそうだ。舐めてた時は無表情だったと思う。

車輌にあるトイレ(の手洗い場)で顔を洗ってもらい、別の車輌に移された(他の客も移った)。
親父と車掌さんで女を見張り、駅について警察に引き渡した。
警察の人に話を聞かれたけど「女の人が顔を舐めてた」としか言いようがない。結局、女は連行されて、それっきり。
二度と会うことはなかった。彼女の素性も、どうして舐めたのかも分からずじまい。
(その後、警察から何度か「安全ですか?」という電話がかかったらしいので、どうも釈放されたようだ)

この出来事のせいで、中学まで女子が苦手になった。
今はもう、そんな事はないんだが・・・列車に乗ると思い出して気分が悪くなる。
・・・今頃なにしてるんだろうな、あの人。

546: 本当にあった怖い名無し 2006/07/11(火) 16:21:23 ID:VJOxHkhW0
【謎の指紋】

前住んでたマンションの話。
別にどうってことの無い古めのマンション(アパート?)で、
4階建てのうちは4階だったんだけど、自分しか居ない時にリビングから
テーブルにコップを置く音が聞こえたり、コーヒーミルが勝手に回ったり(これは
コンセント入れっぱなしにしといたからだと思うんだけど)、
わたしは全然霊感はないんですが、なんとなく「いやだなあ」っていうことが
何度かあったんです。

で、ある時空き巣が入ったんです。
第一発見者は旦那。わたしは仕事で少し遅くて、電車に乗ってたら旦那から電話。
急いで駆けつけたら、ちょうど警察も来ていて、家の中はめちゃくちゃだった。
正直あんまり掃除してなかったからかなり恥ずかしかったけど、
それもわからんぐらいタンスとか引き出しとかメチャクチャにされてたから
ぞっとすると同時にどことなくほっとした(笑)
通帳とか色々確認したら、印鑑と一緒に保管してあったのにその類は一切盗られてなくて、
盗まれたのは「使えないから」と引き出しに保管してた2千円冊3枚・・・
となりの人は新品のノートパソコン盗られたとか言ってたんですが、(1フロア2部屋で、
両方やられたわけです)、うちの被害は6千円でした。

547: 本当にあった怖い名無し 2006/07/11(火) 16:23:36 ID:VJOxHkhW0
「あー、現金とパっと見新しい電化しか狙わないのは中国人だから。一応指紋とるけど」
みたいなことを言って、警察の人がぽふぽふやりはじめました。
わたしと旦那も指の指紋をとられ、ピッキング対策にまったく適さない古い
鍵を使いすぎだと大宅が怒られ、あとは土足で入られたので床を拭いたり片付けたり、
そんなこんなで夜中になりました。
「最近この辺に出てる複数による犯行で、2人以上で運送業者のツナギみたいのを
来てダンボール持参で来るタイプによる犯行だとおもうけど、見つけられるかは
わからん」と刑事さんに言われました。
で、最後に、指紋を採取してた人が、「奥さん、手広げてみて」といいました。
わたしは女にしては手がでかいほうなんですが、両手広げたら
「そうだよねえ、女性だってこのくらいだよねえ。最近子供とか来ました?家に」
と言われ、「いや、一度も来たことないですけど」と答えたら、

電子レンジのガラスのど真ん中に、ぺちゃっと子供が触ったような
小さい手のひらの指紋がついてる、と言われました。

先に書いたコップの音との因果関係は全く不明ですが、ものすごくぞっとしました。
空き巣も怖かったのですぐ引っ越しました。結局犯人は見つかりませんでした。

582: 287 2006/07/11(火) 21:50:41 ID:iNtU/xOR0
【増えた友人】

聞いた話。

富山の友達が体験したのを聞いただけなので本当かどうかは分かりません。

その友達(M)が高校生の時に幽霊を見に行こう!
って話になって近所で有名な心霊スポットに男5人で行くことになったんです。
うろ覚えなんですが確か寺家公園ってとこやったと思います。 

公園って行ってもなんつうか山の中なんです。
夜になったら灯りとかがあんまり無くてほんま心霊スポットや~
て感じらしいです。

そこに男5人それぞれが懐中電灯を持って行ったんですが、チャリやし
結構遠かったらしく、山に着く頃にはもうバテとったんですよ。
で、そっから坂道とかもあるし歩きでいいか~と思い、歩いて行ったん
ですよ。

その道中なんですが、だいぶ真っ暗で懐中電灯ないとちょっとこれ見えんだろ
ってぐらい暗くて、、、もうすぐ着くってなった時一人が気づいたんです。
「これ、、道間違えてる!ちょっと戻ろっ!」って

その公園まではチャリ置いたとこからは一本道なので間違えるはず無いんですが
「このまま行っても行き止まりだし、どっかで変なとこ入って
しまったんじゃない?戻ろう」
でみんなしぶしぶ戻ってたんですが、戻ってたら別れ道があったんです。
「多分ここらで間違えたんやち。」で片方には立ち入り禁止の看板とか
立ってたんでもう片方に決まってるし、そのまま進んだらチャリまで一本道で
戻れたんです。

「どういう事??」ってそのMが言ったら、戻ろうと言い出したやつが
「おまえ一人増えてたの知ってる?」

682: 本当にあった怖い名無し 2006/07/12(水) 18:35:06 ID:WFr+iHzj0
>>582
おもしろかった!
こういうパターンひさしbうりsだねw!

615: 本当にあった怖い名無し 2006/07/12(水) 02:58:14 ID:h6uV5CRw0
【薄い手のひら】

弟の10歳の誕生日。僕はその二ヶ月前に12歳になっていた。
家族でささやかなパーティー。父母僕弟の四人で、テーブルに置かれた、普段よりずっと豪華な食事を囲んだ。
テーブルの真ん中にはケーキ。甘いものが好きな弟は何より先にそれを食べたがった。
10本立てたロウソクに火がともる。
明かりを消そうねと言って母親が立ち上がり、蛍光灯の紐を引いた。
ドーナツ型の蛍光灯が、はじめは二つ点いている。一回引いてその一つが消える。
二回目に紐を引くと、二つめの蛍光灯が消えて、代わりにオレンジ色に光る小さな電球がともる。
夕暮れよりもう少し暗い、オレンジ色の薄闇の中に、ロウソクに照らされたテーブル、それから家族の顔がぼうっと浮かぶ。
もう一度紐を引いて部屋を暗くしようとしたとき、せっかちな弟が力み返った息を吹き出して、ロウソクの火を全部消した。
母親が紐を引くのが、それと同時だった。
カチ、と音がして明かりが消え、同時に弟の息で火も消え、つまりそこは真っ暗闇。
カーテンの隙間から漏れるかすかな外の明かりが、やけに遠くに見える。
暗くしてからロウソクを消す、という段取りが頭にあった僕達家族は、一瞬呆然とした。
弟は弟で、火を消したつもりが部屋ごと真っ暗になって黙り込んだ。
ここで母親がすぐに紐を引いて、もう一度明かりをつけてくれればよかったのに。
驚いた母親は紐を放してしまった。

616: 本当にあった怖い名無し 2006/07/12(水) 02:59:45 ID:h6uV5CRw0
母親が手を動かして紐を探すのが気配で分かる。
誰も喋らない。
だが何かが喋っていた。
「軟らかい上り坂。平らな道。急な坂。丸みを帯びた壁。途中に半開きの扉。上ると、てっぺんはさらさらした野原。」
「野原を抜けると、丸みを帯びた崖。途中に半開きの窓。下ると、坂、平らな道。軟らかい下り坂。」
手のひらで撫でられる感触があった。二の腕をのぼり、肩から首へ滑っていき、首から顔の横をのぼって、途中耳に触れて、髪の毛を撫でる。
反対側を、今度はそれと逆の順で下っていく。
「下りてきた。冷たい、硬い道」
テーブルの上を手のひらが這う音。
「上り坂。さっきより軟らかい」
隣の弟が体を硬くするのが気配で分かった。
「坂を上ると平らな道。さっきより短い。急な坂。丸みを帯びた壁。途中、半開きの扉に、おや、鍵穴があったのか」
「あああああ」と弟が悲鳴を上げた。椅子もろとも床に倒れる音。
「なおきなおきなおき、なにしたの」と母親が叫んだ。「どうしたんだなおき」と父親が怒鳴った。
母親がようやく、紐をつかんだ。しかし動転しているのか、めちゃくちゃに紐を引きまくる。十回も二十回も。
明かり、弱い明かり、薄闇、暗闇。カチカチ、音を立てて目の前の光景が色を変える。
ひとつづきのはずの視覚が、コマ送りになる。
そのコマ送りに乗って、カチ、カチ、と弟がテーブルから離れていく。
カチ、5センチ。カチ、10センチ。カチ、15センチ、カチ、真っ暗。
弟は耳から血を流して、横ざまに倒れて体を縮めていた。
カチ、20センチ。カチ、25センチ。カチ、30センチ、カチ、真っ暗。カチ、カチ、カチ、カチカチカチカチ
やがて弟は部屋のドアのそばまで来た。母親がまた紐を引いた。カチ、真っ暗。
最後のカチと一緒に、ブツ という音がした。真っ暗のまま、蛍光灯の紐が切れたのだ。
母親が手を止めた。そして、その体が闇の中でゆらめいて、テーブルの上に倒れた。
食器の砕ける音の中、「こわいよおこわいよお」という弟の声が遠ざかっていった。

617: 本当にあった怖い名無し 2006/07/12(水) 03:01:12 ID:h6uV5CRw0
僕は長いことじっとしていた。母親は気を失っているようだった。
ひとりそこを離れた父親が、手探りで見つけた懐中電灯で部屋を照らした。
ドアを照らし、あけると、廊下が暗い。
「廊下の電気はいつもつけているのに」と父親が言って、部屋を出た。
暗い中動く気配があって、懐中電灯の光の筋が踊った。
「あった、スイッチだ」
カチ、と音がして廊下の明かりがついた。壁に遮られて半分しか見えない父親がこっちを見た。
僕もそっちを見た。手首から先だけの薄い手のひらが、指先をこっちに向けて父親の右の耳を覆っていた。

712: 本当にあった怖い名無し 2006/07/13(木) 00:15:48 ID:QPr2j67r0
【女の手から落ちたもの】

ついてきた話

自分は本屋のバイトをしていて、いつもの帰り道に普段も通るのは車ぐらいで
人はあまり通らないのだが、俺にとっては近道だったのでそこの道をいつも
通っていた。いつもはPM10時に閉めてそこから整理などをして遅くてもPM11時には
帰路につけるのだがその日は新人に全部やってもらい、あれこれ覚えて
もらい、世間話などをして、気づいたら0時前になっていた。あせってタイムカードを押し
終電ギリギリなので新人の人には先に帰ってもらい自分も帰ろうと店をでて自転車に乗り
帰路についた。自転車をこいでるといつもの人通りの無い道、そこに女の人が立ってた。
こんな時間にこの道で人を見かけたのは初めてだ。
田舎って訳じゃないけどその道は白線のみの狭い道で夜とかは車とすれちがう
のは正直怖い、そんな道に、その人はいわゆる棒立ちをしていた。
まあ全然通らない訳じゃないし、自分は頻繁にこの道を通ってると思えば
別段おかしい話でも無い・・・と言うか、「どうしました?」なんて
話しかける勇気なんて俺にあるはずが無い。すれ違うと目があった、色白で中々にかわいい・・・
その女の人で色々な妄想をしていたら一人暮らしのアパートに着いた。
家に帰るといつもの行動を取る、トイレに行き、手を洗い、水を飲み
パソコンに電源を入れ、テレビをつける。
だがその日はテレビをつけると、「ピンポーン」と呼び鈴が鳴った。
ドア越しに覗いてみたら、さっきの女の人だ。ちょっと興奮しながらも「はい」と言ってドアを開けてみた。
すると女の人は手から何かを落とした。「なにか落ちましたよ。」と
しゃがんで拾うとそれは指だった。作り物?と思って女の人を見上げると
女の人の目がボコッと飛び出しドロリと落ちて来た。
「うわっ!」と家の中の方に尻餅をつくとその女の人は全身が崩れながらも
しゃがれたような声で、指がところどころ千切れてる手を差し出して、
「こっちに来て・・・」そこで気を失ったんだろうか、気づいたらそこに
女の人はいなかった、脅かしただけ?意味は分からなかったが、そこの道は今は通って無い。




789: 本当にあった怖い名無し 2006/07/14(金) 02:06:15 ID:B9uzTTpf0
【ヒトナシ坂】

俺の中学生のときの話を投下。長文&駄文許して。

俺は週末に、中学で仲良くなった友達 Aのところに泊まりに行くことになっていた。
Aの家はI山という山の中腹にあって、俺の家は山のふもとにある。双方の家ともに一番近くのコンビニに行くのに車で30分もかかる寂れたところだ。
泊まりに行く前日に、Aの家の場所がわからないので山の地図をもってAに家がどの辺にあるか教えてもらった。
地図上で見れば、俺の家とはかなり近かった。が、Aの家まで行くには、
山の周りにある道路に沿ってぐるりと遠回りしなければならない。その距離、10キロ。
真夏の暑い中、10キロも走るのか・・・と少しげんなりしていた俺は地図の中を走る一本の道を見つけた。
その道は、俺の家から少しいったところから始まって、山を一直線に登り、
Aの家のすぐ近くで終わっていた。長さは5キロほど。この道を使わない手は無いだろう。
俺「こっちの道のほうが近いやん」
A「あー、でもこの道なぁ、舗装もされてないし、急やし、人もぜんぜん通らんからやめたほうがイイで」
俺「通れるんやろ?」
A「うーん・・まぁ通れるけど・・まあええか。そっから来いや」
ということで、その道で行くことになった。
その晩、家族に「こんな道ぜんぜんしらんかった。」
とその道のことを話した。両親はそんな道あったんやねぇ とかなんとか言っていたが、
じいちゃんは一人眉間にしわを寄せ難しそうな顔をしている。どうやら、この道のことを知っているようだ。
この道は正式な名前はわからないが、この辺ではヒトナシ坂というらしい。
何か名前にいわくがありそうだったが、まぁ、どうでもいいことだ。

790: 本当にあった怖い名無し 2006/07/14(金) 02:07:10 ID:B9uzTTpf0
さて、翌日、Aの家に行く日がやってきた。家を出ようとする俺に、じいちゃんが真剣な顔で話しかけてきた。
「ええか、B (おれの名前)。あの坂は、夜になったら絶対通るな。絶対や。今じいちゃんと約束してくれ。」となぜか本気で心配している。
わかったわかったと一応言ったが、気になるので理由をたずねた。すると、
「あの坂には、昔っから化け物がおる。昼間はなんともないが、夜になるとでてくる。だから絶対通るな。」
なんだ年寄りの迷信か と思った。おれは幽霊なんて信じていなかったし、ましてやバケモノや妖怪なんてすべて迷信だと思っていた。
心の中で少しじいちゃんをばかにしながら自転車を走らせるとヒトナシ坂が見えてきた。本当にどうしてこんなに近いのに今まで気づかなかったのだろう。
坂は少し急になっており、一直線。地面はむきだし。左右の道端にはとても背の高い草が生えていて、横の景色がみえない。
だが、うっそうとしている感じは微塵も無く、真夏の太陽の光を地面が反射していてとてもすがすがしい気持ちになった。
しばらく自転車を走らせていると、トンネルがあった。
高さは2.3メートルほどで、幅は車一台がギリギリ通れるくらい。とても短いトンネルで、7・8メートルくらいしかない。すぐそこに向こう側がみえている。
立ち止まらずに、そのまま通った。中は暗く湿っていて、ひんやりした空気があり気持ちよかった。
その後、何事も無くAの家に着き、遊び、寝た。
翌日もAの部屋でずっとゲームをしたりして遊んでいて夕飯までご馳走になった。気づいたら、8時になっていた。

791: 本当にあった怖い名無し 2006/07/14(金) 02:09:43 ID:B9uzTTpf0
まずい 今日は9時から塾だ。遅れれば親に怒られる。俺はいそいでAに別れを告げ、自転車にまたがった。
帰りは、いくら坂でも10キロの道のりを行けば間に合わないかもしれない。だからヒトナシ坂を通ることにした。
じいちゃんと約束したが、しょうがない。バケモノもきっと、迷信だろう。
月明かりに照らされた夜道をブレーキなしで駆け下りていった。この調子なら塾に間に合いそうだ。
そう思っていると、昨日の昼間通過したせまいトンネルがぽっかりと口をあけていた。すこし怖かったが、坂で加速していたし通り過ぎるのは一瞬だろう。
いざはいったトンネルの中は真っ暗。頼りになるのは自転車のライトだけ。早く出たかったので、
一生懸命ペダルをこいだ。だが、おかしい。なかなかでられない。
昼間はすぐ出られたのに、今は少なくとも30秒はトンネルの中を走っている。
思えば、今夜は満月で、外の道は月光が反射して青白く光っている。だから、こんなに短いトンネルなら、その青白い道がトンネル内から見えるはずだ。
真っ暗と言うことはぜったいにない。一本道なので、道も間違えるはずがない。
おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。   怖い。
そこまで考えたら、いきなり自転車のチェーンが 切 れ た。
どうしようどうしようどうしよう!!
立ち止まり、あせりまくる俺。まだ出口は見えない。
すると、闇の中、何かがいた。
浮いていて、遠くから近づいてくる 体はしびれたように動かない。
眼が闇に慣れ、ソレの姿がはっきり見えた。

792: 本当にあった怖い名無し 2006/07/14(金) 02:10:40 ID:B9uzTTpf0
白装束を着た女 だった。ただし、かなり大きな。異様に長い手足。最初は宙にういているように見えたが、四本足でトンネルの壁に張り付いている。
そしてゆっくりゆっくりこちらにむかってきている。ずりっずりっ と音を響かせながら。
髪は地面まで垂れ下がり、顔には異様にでかい。目玉と口。それしかない。口からは何か液体が流れている。笑っている。
恐怖でまったく働かない頭の中で、きっと口から出てるのは血なんだろうなぁとか俺はここで死ぬんかなとかくだらないことをずーっと考えていた。
女がすぐそこまで来ている。一メートルほどのところにきたとき、はじめて変化があった。大声で笑い始めたのだ。それは絶叫に近い感じだった。
ギャァァァァアアアアアハハハハァアアアァァァ!!!!!!みたいなかんじ。人の声じゃなかった。
その瞬間俺ははじかれたように回れ右をしていまきた道をはしりはじめた。
どういうわけか入り口はあった。もうすこし。もうすこしで出られる。
ふりむくと、女もすごい速さでトンネルの中をはってくる。
追いつかれる紙一重で、トンネルを出られた。
でも、振り返らずに、ひたすら坂を駆け上がった。

793: 本当にあった怖い名無し 2006/07/14(金) 02:13:14 ID:B9uzTTpf0
それからの記憶は、ない。両親の話によると、Aの家の前で、気を失っていたらしい。目覚めたら、めちゃくちゃじいちゃんにおこられた。
あとで、俺はじいちゃんにトンネルの中の出来事を話した。あれはなんなのか、知りたかった。
詳しいことはじいちゃんにもわからないらしい。だが、昔からあの坂では人がいなくなっていたという。だから廃れたのだと。
化け物がいる、といったのは、人が消えた際、しらべてみると、その人の所持品の唐傘やわらじが落ちていたからだそうだ。
だから、化け物か何かに喰われたんだといううわさが広まったらしい。まぁ実際に化け物はいたのだが。
そういうことが積み重なってその坂は「ヒトナシ坂」と呼ばれるようになった。

ヒトナシ坂のトンネルは、去年、土砂崩れで封鎖されて、通れなくなったらしい。
あの化け物は、まだトンネルの中にいるのだろうか。それともどこかへ消えたのか。
誰にもわからない。

長々とすまんね。これでおわり