149: 兄 1/3 2006/12/09(土) 13:37:01 ID:frhLrjZ50
【兄】

俺には兄がいたはずだった。
だが兄は流産で生まれてはこなかった。
小学四年生、衝動の多かった夏休み。
俺の足の傷がやけに酷かった。

俺は日本とフィリピンのハーフだ。
父が日本人、母がフィリピン人。
だが、見かけは純粋な日本人で、
ハーフだと言っても誰も信じなかった。
俺には姉がいて、日々喧嘩が耐えなかった。
そんな俺はいつも別の存在を求めていた。
ある日、母は俺に言った。
俺には兄がいたことを。
だが、兄はこの世に生を授かることも無く
流産で死んでしまった。
だが、それにはあまりにも謎の部分が
多すぎた。

引用元: https://hobby7.5ch.net/test/read.cgi/occult/1165471180/



150: 兄 2/3 2006/12/09(土) 13:37:44 ID:frhLrjZ50
母が妊娠しだすと、頭痛が耐えなくなった。
その上、熱も出るようになり、妊娠している
時は体調は優れていなかった。
そのうち、足に病気を持った。
俺が幼い時、母の印象は普段外出をしない
体たらくな人だった。
今ではすっかり足も元に戻ったが、それこそ
昔母は十分も歩けないほどで、薬漬け
だったのを覚えている。
だが、後に俺と姉を妊娠している時は
熱などはでなかったそうだ。
そして、母はある日から妙な夢を見始めた。
右半身が無い赤子が這って来る夢だ。
いつも目の前まで来るとそこで夢は終わる。
そして、その日が来た。
母は家の階段から落ちてしまった。
無理をした結果だった。
すぐに病院に駆けつけたが時遅く、兄は
生まれることは無かった。

151: 兄 3/3 2006/12/09(土) 13:38:25 ID:frhLrjZ50
父がその日医者に呼ばれた。
写真のようなものを見せられ、それが赤子だと
分かった。
だが、その赤子は右半身が無い。
医者は、事実を教えていなかった。
形ができ始めてから奇形児だと医者は知っていた。
だが、あまりにも酷に思った医者は伝えてはいなかった。
母にはその事を伝えてはいないようで、
後に俺は父に聞かされる。
だが、その時父は言った。
「何でもかんでも呪いを関連付けるな」
父は、これとそれとは別件だと言った。
呪い。俺の足の傷はやはり呪いなのだろうか。
だが、父の足には傷は無かった。

だが、そうだとしても俺は妙なものを
感じる。兄と俺。何かがあるんじゃないのかと。
俺の左目は1.5だが、右目の視力は0.1未満だ。
そして、何よりも決定的なのが
俺の右手に親指は無い。

207: 本当にあった怖い名無し 2006/12/10(日) 00:48:31 ID:/WktQKKN0
【神社で出会った女性】

「一度霊体験をするとそれからしばらく霊体験をしやすくなる」
という話を聞いたことがあるだろうか?
霊感が強くなるのか、霊とベクトルが合うようになるのか、はたまた霊を意識するようになるのか、
理由はよくわからないが、とにかくそういうことはあるらしい。
これから書き込むのは、数年前、当時大学生だった俺がのっぽのYと茶髪のAという
二人の友人を引き連れて心霊スポット荒らし(心霊スポットでバカ騒ぎしたり、カップルおどかしたり)
をしていたときに体験したいくつかのエピソードの内の一つで、俺達の最初の霊体験の話だ。

208: 本当にあった怖い名無し 2006/12/10(日) 00:49:03 ID:/WktQKKN0
大学1年の後期、冬休みを目前に控え浮かれていた俺達は、
週末にF県にある某神社にキャンプをしに行くことにした。(心霊スポット荒らしの一環)
その神社は「女性が強姦されて殺された」「いやいや、強姦されて世を儚んだ女性が首を吊ったのだ」
といった噂のある場所で、ようするに「出る」と言われる場所だった。
夕方に神社についた俺達は早速テントを立て、各自分かれて辺りを散策しはじめた。
見るからに古そうな神社で、鳥居の塗料はほとんど落ちており、周囲にぽつぽつとしかない民家が
いっそう寂しさを引き立てていた。
(なるほど、こりゃ妙な噂が立つのも頷けるな)
俺はそう思いながら、一人神社の周囲をぐるぐると見て回っていた。
三人で1時間ほど神社を見て回ったが、不思議なことも起こらず不気味なものにも遭遇せず、
「やっぱり幽霊なんていねーよな」
等と笑いながら、俺達は夕食のカレーを作り始めた。
肉を切り、野菜を切り、米を炊き、
粗方完成したカレーを持ってきたカセットコンロで煮込んでいるときだった。
「何してるの?」
と、不意に声をかけられた。
声のした方を見てみると、俺達と同年代か、あるいは少し年上くらいであろう女性が一人立っていた。
「ねえ、何してるの?」
女性は再び問いかけてきた。
突然声をかけられたことに一瞬びびったが、そのときの時間はまだ午後8時前くらい。
若い女性が一人で歩いていてもおかしくない時間帯だったので、俺達はすぐに平常心を取り戻した。
「あぁ、キャンプですよ」
とY
「今晩飯のカレー作ってるんです」
と俺
「お姉さんもよかったらどうですか?」
とAが続ける。
「いいの?」
と言いながら、女性は俺達の方にゆっくり、本当にゆっくりと近づいてきた。

209: 本当にあった怖い名無し 2006/12/10(日) 00:50:41 ID:/WktQKKN0
そこで俺はその女性の姿に妙な違和感を覚えた。上手く言葉にできないのだが、何かがおかしい。
YとAも同じような感じだったようで、俺達三人は顔を見合わせたり小首を傾げたりしていた。
手を伸ばせばもう手が届く、というところまで女性が近づいてきたところで、
俺はようやく違和感の正体に気付いた。
この女性には影が無い――
ありがちだな、と思った人もいるかもしれない。
しかし俺が言っているのはいわゆる影法師のことではなく(影法師もなかったかも知れんが)
人間の身体にかならずあるはずの、鼻の下や目の窪みといったところに出来る影のことだ。
まるで小学生が描いた人物画のように、その女性には陰影が全くなかったのだ。
その女性は、俺が違和感の正体に気付いたと知ってか知らずか俺の隣に座り
にたりと(決してにっこりと言ったようなものではない)歯を剥き出しにして笑った。
そこで俺はもう一つ、奇妙なことに気付いてしまった。
女性の首が異様に長いのだ。
最初は普通だったはず(暗くて距離があったとしてもさすがに分かる)なのに、
今俺の隣に座っている女性の首は、常人のそれの二倍以上はあるようだった。
YもAも、女性の異常さにとっくに気付いているようだったが、恐怖のためか
身体が全く動かないようだ。当然俺も蛇に睨まれた蛙のような状態で、指一本動かせなかった。
逃げ出すこともできず、目を逸らすこともできず、
俺達はひたすらこの異常な状況が終わるのを待つしかなかった。
どのくらい経っただろう?俺には1時間にも2時間にも感じられたが、実際は数分だったと思う。
唐突に、女性が声を上げて笑いはじめた。ゲラゲラと狂ったように、壊れた人形のように。
恐怖の限界に達していた俺達は、その笑い声を皮切りに猛ダッシュで車まで逃げ込み、
近くのコンビニまでフルアクセルで飛ばした。その間も笑い声が耳から離れず、
本気で気が狂いそうだったように思う。

210: 本当にあった怖い名無し 2006/12/10(日) 00:51:20 ID:/WktQKKN0
結局俺達はそのコンビニの駐車場で
「すげえ、あれなんだ!?」
「マジ怖え、つか意味わかんねぇ」
と、興奮状態で夜を明かし、次の日の朝早く神社に片付けに戻った。
当然女性はもうその場にはいなかったが、不思議なことにカレーだけは綺麗に食べつくされていた。
あの女性が霊魂の類だったのか、それともあやかしの類だったのかは分からないが、
俺達が頻繁に霊体験をするようになったのは、丁度この出来事のあとからだった。

後日談だが、この出来事の一週間後にYとAに
「もう一回あの神社行こうぜ」
と言われたときは
(こいつら取り憑かれたんじゃないか?)
と心配したものだった。
以上、長文乱文失礼。

231: 本当にあった怖い名無し 2006/12/10(日) 05:10:24 ID:aKyc7EbU0
【ウサギ】

家族で伊豆の下田方面へ行った時の事です。

下田の町に入る直前に左に曲がる交差点がありそこを左折すると有名な岬が有ります。
季節は冬。確か水仙が沢山咲いていると言うことでそこに向かいました。
途中、天皇さんのご用邸とかが有り、その広い敷地に沿って進むと駐車場に着きました。

海岸を歩きながら水仙を見ましたが、当日風が強く、物凄い寒さで早く帰りたいと
思っていました。しかし、子供は元気です。

「あそこに灯台があるよ。」

と私の手を引いて小高い岬の上へと続く階段をを上って行きました。
妻と下の子は、寒さのため車に戻っています。
階段を登り終わると、そこは芝生に覆われていて左手は岬の先端となり灯台が有りました。
2人は灯台へと向かいました。もうすぐ灯台に着こうと言う時、

「ウサギさんがいるよ。」

子供が叫びます。

232: 本当にあった怖い名無し 2006/12/10(日) 05:11:47 ID:aKyc7EbU0
子供が言う方向を見ると確かにウサギの耳が見えます。
灯台の周りには欄干が有るのですが岬の最先端の所の欄干の下(踊り場の下)から
ウサギの耳が”ぴょこん”出ています。
きっと、岬の先端の欄干の下にちょっとしたあそびが有りそこにウサギがいて耳だけ
出していると思っていました。
子供は、夢中で走り出します。
でも、何か嫌な気がして、

「ちょっと待って。」

子供は、聞いていません。

「○○、待ちなさい。」

大声を上げると”びくっ”とした様子で子供は立ち止まり恨めしそうな顔をして
こちらを見ます。私も怖くなるような物凄い恨めしそうな顔でした。
私は、子供の所へ駆け寄り手を握りました。

「おとうさん、どうしたの。」
「危ないから、怒鳴ったんだよ。」
「怒鳴ったの?」
「えっ」

取りあえず、手をつないで灯台へと向かいました。
既に、ウサギの耳は見えません。

「ウサギさん逃げちゃったね。」

233: 本当にあった怖い名無し 2006/12/10(日) 05:13:31 ID:aKyc7EbU0
残念がりながら灯台まで行き灯台の周りの踊り場に立って欄干の所に行こうとした時、
”ゾッ”としました。
欄干の下は、直接断崖絶壁となっていて遊び場など有りません。
小動物がもとどまるところなど有りませんでした。
何メートル下には崖の凹凸が有りウサギが休める様な所は有りますが鳥でもない限り
降りることは出来ません。それよりも、何故、ウサギの耳が見えていたのかです。
欄干の近くに行くのも嫌なのでそのまま灯台を後にしました。

車に戻ってその話を妻にしましたが、気のせいだよと言われてしまいました。

「でも、良かったよ。○○がウサギの所へ行こうと灯台の方に走って行ったのを止めて。
 でも、大きな声を出したからびっくりしたろう。」
「ぼく、走らないよ。ずっと手をつないでいたじゃない。」

子供が言うことなのでと思いましたが、本人は走った記憶、怒鳴られた記憶は
全然無い様でした。
その時、立ち止まった後の恨めしそうな顔が思い出されました。
今思うとあの顔は、子供の顔でなかった様な気がします。

あのまま、呼び止めなければ。
考えたくありません。

280: T・K 2006/12/11(月) 17:52:37 ID:oGcvUux+0
【指・・・離した・・・】

いい歳こいた人ならわかると思うけど、昔コックリさんがすごく流行った時期があった。
その頃の話を一つ投稿させて下さい。
オレは当時小学校高学年で、すでにコックリさんは危ないからやめろと、親や学校からお達しがあった頃だった。
コックリさんにしてはいけない質問をしただの、コックリさんが帰る前にコインから指を離しただの、
それで取り憑かれて気が狂ってしまったなんて噂がまことしやかに囁かれていた。
当時は都市伝説なんて言葉はなかったけど、そんな類いの嘘っぱちだと思っていた。
でも今から考えても大人は結構真剣にコックリさんを取り締まってて、
怒られるのが怖いのか、噂を本気にしてるのかコックリさんをやるやつはなかなかいなかった。

281: T・K 2006/12/11(月) 17:54:07 ID:oGcvUux+0
オレはコックリさんをまったく信じてなかったけど、話を聞くのはおもしろかった。
一番のお気に入りは、コックリさんが帰ってくれないって話。
コックリさんは、最後に「お帰り下さい」とお願いして、真ん中下あたりに書かれた鳥居から帰ってもらう。
そしたらやっとコインから指を離す事ができるんだけど、その話ではコックリさんは、
「お帰り下さい」とお願いしたにも関わらず、鳥居に向かわないで字を追いはじめる。
コックリさん曰く「みなごろしにしてやる」。
その後コックリさんをやっていた子供はみんな不慮の死を遂げた。

282: T・K 2006/12/11(月) 17:56:07 ID:oGcvUux+0
信じてはいなかったけど、コックリさんに興味はあった。
どっかで信じたい気持ちもあったのかもしれない。本当に動いたらおもしろいなぁと。
一度ふざけて友達の家で試したとき、コインがひとりでに動いた気がしたときはゾクッとしたけど、
それはすぐにみんながちょっとづつ力を入れてるからって分かった。
その証拠に、参加している誰も知らないことをコックリさんに聞いてもコインはうろうろするばかり。
やっぱりな~、と友達と笑っていると、一人がこんなことを言い出した。
「クラスの女子にドッキリやらない?」
オレ達のうち二人くらいと女子二人か三人でコックリさんをやる。
男二人が指にちょっとづつ力をいれてコインを誘導してやる。
途中はまぁいいとして、最後だ。
最後にオレのお気に入りの話のやつ、コックリさんが帰ってくれずに「ころしてやる」というやつをやる。
これはおもしろいと、早速次の日の放課後にクラスの女の子を誘った。

283: T・K 2006/12/11(月) 17:57:22 ID:oGcvUux+0
昨日コックリさんを試した4人のうち、オレと言い出しっぺの友達が仕掛人になってコックリさんを始める事になった。
誘った女の子たちは結構信じてるようで、一人はしきりにやめようよと言っていた。
オレはそれを見て笑いをこらえるのに必死だった。どんなふうに怖がるのか考えてワクワクした。
女の子のグループも4人で、やめようと言ってた女の子以外の3人が参加した。
窓をあけ、机のまわりに5人が座りコインに人差し指をおく。
参加しない3人は後ろから見ていたが、オレの正面から心配そうに覗き込む女の子の顔を見てまたニヤつきそうになってしまった。
きっとオレの後ろにいる不参加の友達2人は隠さずニヤついてたと思う。

284: T・K 2006/12/11(月) 17:58:40 ID:oGcvUux+0
「コックリさんおいで下さい。いらっしゃいましたら『はい』と教えて下さい。」とお決まりの文句を言う。
しばらくしてコインが『はい』に移動した。
このときは自分はさしてコインを動かそうともしてないのに、不思議だなぁと単純に思った。
あらかじめ話し合っておいた聞きたいことをコックリさんに質問する。
誰々が好きなのは誰?女の子の提案で質問の半分はそれだった。
コインが移動する度に女子が色めき立つ。
その笑顔の端には得たいの知れない不思議なことへの恐れも見えた気がした。
やめようと言ってた子は相変わらず不安そうな表情を崩さなかった。

285: T・K 2006/12/11(月) 17:59:51 ID:oGcvUux+0
質問を10ほどして、その頃には1~2時間はたったろうか。
質問もなくなり、なんとなくみんな顔を見合わせて帰ってもらおうかと目配せする。
「コックリさん、コックリさん、質問に答えて頂いてありがとうございました。どうぞお帰り下さい。」
さぁ、ここからだ。友達をチラと見て意思確認をした。
指にちょっとづつ力を入れる。鳥居とは逆のほうへ。
まずは『し』だ。ゆっくり、ちょっとずつ、ちょっとずつ、ばれないようにコインを動かす。
女子は「あれ?」「なんで?・・・お帰り下さい、お帰り下さい。」と不安そうな声をあげる。
ダメだ、笑いそうだ。笑いをこらえて、オレも繰り返す「お帰り下さい、お帰り下さい。」
コインが『し』に到着する。しばらくコインをそこに押し付ける。女子の一人はもう泣きそうだ。
次は『ね』だ。『みなごろし』とか『ころしてやる』は長くてめんどくさいので、『しね』でいこうと打ち合わせしていた。
ちょっと、ほんのちょっとコインを引っ張る。コインはズリ、ズリと『ね』に向かう。
演技もちゃんと忘れない。
「おい!どうなってるんだよ!?お帰り下さい!お帰り下さい!」
コインが『ね』に到着すると、女子の一人が「しね・・・?」とつぶやく。
女子の一人がヒック、ヒックとしゃくりあげて泣き出した。

286: T・K 2006/12/11(月) 18:01:06 ID:oGcvUux+0
ここらへんになると、さすがに罪悪感にさいなまれた。
ちょっとやりすぎたかな・・・?
そう考えて指に力が入らなくなる。でもコインはズリ、ズリと再び『し』に向かう。
友達が動かしているんだ、オレもためらいながらちょっとずつ力をいれた。
コインが『し』にたどりついて再び『ね』に向かう。
この間はすごく長く感じた。指も疲れた。友達とは3往復しようと言ってたが、もういいんじゃないか・・・?
女子はみんな顔面蒼白だし、一人は涙を流してガタガタ震えている。
やめようとなかなか言い出せずにいる間に、『ね』に到着したコインは再び『し』を目指す。
自責の念で指に力がはいらない、でもコインは動く。
友達が動かしているんだと思い、ふと顔を見た。オレと同じく、やりすぎた・・・という暗い顔。
本当に友達も力いれてるんだろうか?もうやめよう。誰か「大成功~!」って言ってくれ。
まだ2往復だけど、オレは責めないから。
コインに震えが伝わってきて、コインがゆれる。
摩擦はかるくなってコインは今迄より少し足早に動き出す。
急にスピードを増したコインの動きにオレは恐怖を覚えた。
動かしてるのは本当に友達か?そんなに力をいれてるようにはみえないのに、
オレはもうほとんど力いれてないのに、こんなにスムーズに進むのか?

287: T・K 2006/12/11(月) 18:02:47 ID:oGcvUux+0
そんな恐怖にかられた次の瞬間、一人の女の子が突然コインから指を離した。
「いや・・・もういや・・・怖い・・・怖い!!」
頭をかかえる仕草を、恐怖のあまり思わずしてしまったんだろう。
そして彼女はすぐに思い出したんだと思う。コックリさんが帰るまで、コインから指を決して離してはいけない。
後ろで見ていた女が「指・・・離した・・・」とつぶやいた。
指を離した女の顔がみるみる恐怖にひきつっていく。
その女は耳をつんざくような悲鳴をあげ、教室を飛び出そうとしてドアのガラスを勢いよく突き破った。
下半身はドアに激突して跳ね返り、ガラスを突き破った上半身を引き戻す。
彼女はドスンと仰向けに倒れ、次の瞬間に腕や顔がみるみる赤く染まり、教室の床に血だまりが広がった。
女子の一人はそれを見て気絶し、友達の一人は女みたいに泣き出した。

288: T・K 2006/12/11(月) 18:04:39 ID:oGcvUux+0
その後その女の子は病院に運ばれた。命に別状はなかった。
先生や親からはコックリさんをしたことを死ぬ程怒られた。
ドッキリだったとは誰も言い出せなかった。言えるもんか。殺される。
クラスでケガをした女子のお見舞いに行くときも、お前らがいると思い出すからとオレらは連れて行ってもらえなかった。
後で話を聞くと、顔も腕も包帯グルグル巻きだったそうだ。
何ヶ月かして、回復して戻ってきた女子の顔は傷跡でズタズタだった。
結構可愛い娘だったのに、酷い顔になってしまった。
その娘はオレ達には全然話しかけてこなかったけど、オレは怖くて怖くてたまらなかった。
それからしばらくして友達の一人がコックリさんはドッキリだったと親に白状した。
それぞれの親に連絡が来てオレ達はまた死ぬ程怒られたけど、誰もその友達を責めなかった。
学校や、ケガをした女子の両親へは、多分、知らされなかった。

289: T・K 2006/12/11(月) 18:05:37 ID:oGcvUux+0
今になって考えてみると、オレ達に騙されてコックリさんをやった女子も
『し』と『ね』にコインがつくことを心のどこかで願ってたんじゃないかと思う。
最初、意思をもって動かしてたコインがだんだんオレの意思に反して早く動くさまに、オレは怖くなった。
本当にコックリさんが来てるんじゃないかと。
今では一緒にコックリさんをやった女子の一人ともたまに会うんだけど、未だにその話はできないでいる。
もしかしたら、途中から動かしているのを知っていて君も一緒に動かしたんじゃないのか?
そう聞きたいなぁ、と思うんだけど、きっと聞かないほうがいいんだろうなぁと思って、今でも黙っている。

こうやって文章にしてみて、ちょっとだけだけどスッキリした。
長文・駄文、失礼しました。

294: 本当にあった怖い名無し 2006/12/11(月) 19:41:11 ID:euciTnRP0
【逆打ちの旅で出会った中年女性】

四国八十八箇所を逆に回る「逆打ち」をやると死者が蘇る。
映画「死国」の影響で逆打ちをそういう禁忌的なものとらえている人も多いのではなかろうか?
観光化が進み、今はもうほとんど見ないようだが、
真っ白い死装束のような巡礼服を着て順打ち(八十八箇所を普通に回ること)をしている姿は
まるで死での旅のように不気味で(実際行き倒れも多かったらしい)、
確かにその逆をやれば死者の一人二人生き返ってもおかしくないような雰囲気があり、
また地元の老人方も「逆打ちをしている」というといい顔をせず、
「やめたほうがいい」「罰当たりだ」と苦言を呈してくることがあったそうだ。
さらに「打つ」という表現をするように、八十八箇所回りは
参拝した寺に木の札を釘で打ちつける、というのが本来の作法で、
(現在では木の札を打ち付けることは禁止されており、専ら紙の札を納めるだけである。)
その打ち付けるという行為が「呪いの藁人形」などを連想させ、なんともおぞましい感じがする。
主観交じりの些細なことだったかもしれないが、
「八十八箇所回り、とりわけ逆打ちにはオカルト的な何かがある!」
と、若い俺達に思い込ませるには十分すぎた。
俺は当時一緒に心霊スポット荒らし(心霊スポットでバカ騒ぎしたりカップル冷やかしたり)
をしていた、のっぽのYと茶髪のAという友人二人を連れて
『四国八十八箇所逆打ちの旅』をやることにした。

295: 本当にあった怖い名無し 2006/12/11(月) 19:42:18 ID:euciTnRP0
大学三年の夏休み、俺達は有り余る若さと体力と時間に任せて自転車で四国に渡った。
「車じゃ味気ない、徒歩は無理っぽい、じゃあ自転車だろう」
という考えだったのだが、
今にして思えば真夏に自転車で四国一周というのも大分無理があったのではないだろうか。
何にせよ、俺達三人はK県S市にある八十八番目の寺(逆打ち開始地点)の前に立ち、
旨いうどんを食い、テンションMAXだった。
暑い日差しにも負けず、パンクにも負けず、夜の薮蚊にも負けず、俺達はひたすら寺を回った。
数日が経ち二十数ヶ所の寺を回り終え、俺達は蜜柑ワールドE県に突入した。
「せっかく蜜柑の国に来たのだから」
と、商店でみかん買い、何番目かの寺で休んでいたときだ。
「あのおばちゃん前の寺でも見なかったか?」
Yがみかんの皮を剥きながら尋ねてきた。
「どのおばちゃん?」
「ほらあれ」
私の問いかけに、Yがその人物を指差す。
その先にはボロボロに薄汚れた格好で(ひどい言い方かもしれないが)大きな鞄を持った中年女性がいた。
「いや、気のせいじゃないか?俺は見た覚えないぞ」
「マジで?見た気がするんだけどなぁ」
「つーか逆打ちなんて物好きなことしねーだろ普通」
(逆打ちコースだと、同じ巡礼者に二度会うことはまずない)
「そうだよなぁ、でも見た気がするんだよなぁ」
Yは気にかかるようだったがその話はそこで終わり、後は
「みかんうめぇ」「この辛さなら巡礼者も行き倒れるわな」
などと言い合っていた。
それから更に何日かかけて、E県の寺もほぼ回りつくした。
(もうすぐE県の寺も回り終える。名残惜しいがみかんともポンジュースともお別れだ)
そんなことを考えながら、B寺という四十数番目の寺で一夜を明かそうとしていた時だ。
時刻はもう午前0時近く、連日の疲れがあるはずなのに何故か眠れない。
Yも同じようで、仕方なく二人でのんびりと星を眺めていた(Aは爆睡)

296: 本当にあった怖い名無し 2006/12/11(月) 19:43:59 ID:euciTnRP0
どのくらいそうしていたかはわからない。
星を眺めるのにも飽き、無理にでも寝るか、
と何気なく寺の入り口のほうに目をやった時、俺は思わず息を飲んだ。
誰かいる――
寺の入り口に確かに人影が立っており、寺の中に入ってきている。
正確な時間はわからないが、恐らくもう午前0時を過ぎていただろう。
参拝するにはあまりにも遅すぎる。
普通じゃない。
さらに、その人影がはっきりと見える近さになって、俺は更に顔を強張らせた。
ボロボロの服に大きな鞄――
それは紛れも無く、俺達がE県に入ったばかりの寺で見た、あの中年女性だった。
百歩譲って、その中年女性も俺達と同じく逆打ちをしているのだとしても、
この状況は普通では考えられない。
俺達は自転車、向こうは徒歩なのだ。
いくら俺達が四国の地理に疎いと言っても、さすがに普通なら徒歩に追いつかれることはないだろう。
そう、普通なら・・・
まさか、夜通し歩いているとでも言うのだろうか?
「あのおばちゃん、この前見たおばちゃんだよな?」
Yも中年女性に気付いたようで、私に話しかけてきた。
「あぁ・・・多分、同じだと思う」
俺は自分を落ち着けるために大きく呼吸し、途切れ途切れに言葉を発した。
「何でこんな時間に参拝するんだ?」
Yが尋ねてくる。どうやらYは追いつかれたことについては疑問を持っていないようだ。
「知るか・・・それよりあれヤバイんじゃないか?」
逃げ出したい気持ちを抑え、俺はYに返す。
「そうか?別に変な感じはしないし、生きた人間だと思うぞ」
Yは特に恐れている様子もなく、そう答える。

297: 本当にあった怖い名無し 2006/12/11(月) 19:45:59 ID:euciTnRP0
確かに、今まで霊体験をするときに例外無く感じていた違和感のようなものは全く感じない。
しかしそれにしたって妙だ。こんな時間に女性が一人で参拝など、やはり普通じゃない
そう俺が言うと
「それじゃ話しかけてみるか。理由がわかればスッキリするんだろ?」
と立ち上がり、おもむろにその中年女性に近づいていった。
全く、こいつは何故こうも無鉄砲なのだろう、と思うのだが
結局私もYを一人で行かせるわけにはいかない、という気持ちと
この女性が何者なのか知りたい、という好奇心に負け、Yの後に続いた。
「すいませーん、ちょっといいですかー」
と、Yが大声で中年女性に話しかける。
「はぁ、なんでしょう?」
突然二人組みの男に話しかけられたにも関わらず、警戒したように鞄だけは大事そうに抱きかかえたが、
女性は少しも動揺したような素振りは見せずどこか夢うつつのような声で応答した。
「こんな場所で何してるんですか?」
Yが尋ねる。
「その、あまり褒められたものではないんですが、八十八箇所を逆に回っているんです」
中年女性はそう答える。
やはり俺達と同じく逆打ちをしていたようだ。
「どうしてまたこんな時間に?」
「急いでおりますので・・・」
「体に悪いですよ、こんなに遅くまで」
「私は大丈夫です・・・」
「僕等も同じことをやっていて、随分前に自転車で追い抜いたんですが追いつかれてしまいましたね」
「この道に慣れていますから・・・」
その他にもいくつかの質問をしたが、回答はすべて短く簡潔なものだった。
だがそれでも、俺の抱いていたほとんどの疑問は氷解していった。
こんな時間にいるのは、事情があって急いでいるせいで、
俺達が追いつかれたのは、やはり俺達が道に慣れていないせいだ。

298: 本当にあった怖い名無し 2006/12/11(月) 19:47:05 ID:euciTnRP0
俺は大体納得し、
(事情というのは俺達と違い休みの期間が短いとか、そういうことだろう。
このおばさんも恐らくオカルト好きの酔狂な人で、興味本位で逆打ちをしているんだな)
などと勝手に思い込んでいた。
質問が終わると、中年女性は本堂のほうへ歩いていった。
「大したことなかったろ?」
と、女性を見送りながらYが言う。
「そうだな、一人でビビった俺がバカみたいだ」
笑いながら俺はそれに答えた。
「それじゃもう寝ようぜ、いい加減にしないと明日に差し支えるし」
Yに促され、俺達は寝袋に入ろうとした。だが――

カツー…ン カツー…ン

本堂の方から音が聞こえてくる。まるで釘を打つような音が。
「おい」
本堂のほうを睨みながら俺はYに声をかける。
「あぁ」
Yは頷き、俺達は本堂の方に走って行った。
俺達が本堂の前についたときは既に音は止んでおり、
中年女性が槌のようなものを持って佇んでいた。
そしてその視線の先には、禁じられている木の札が打ち付けられていた。
(おいおい、いくらオカルト好きでも禁止行為はやっちゃダメだろ)
その時の俺はまだその程度にしか思っていなかった。
中年女性は、まるで俺達などそこにいないかのように、俺の脇をすり抜けて行った。
すれ違う一瞬、俺は確かに聞いた。
「もう少しだから、もう少し、今度は・・・」
と、中年女性がぶつぶつと独り言を言っているのを。

299: 本当にあった怖い名無し 2006/12/11(月) 19:48:01 ID:euciTnRP0
そこで俺は、あることに気付いた。
あの女性が着ているボロボロの服、あれは八十八箇所回りの巡礼者が着るという巡礼服だ。
今までそのことに気付かなかったのは、真っ白であるはずの巡礼服がどろどろに汚れており、
また、本来背中に書いてあるはずの文字も擦り切れていて見えなくなっていたからだ。
そして、俺はそのことに気付いた直後にある想像が浮かんだ。
あまりにも悲しく、おそろしい想像・・・

この女性は本気で誰かを生き返らせようとしているのではないだろうか――
そして、逆打ちをするのは恐らくこれが始めてではない――
「道に慣れている」という発言、あまりにもぼろぼろの巡礼服、そして先程の独り言・・・
彼女は今まで何回、何十回と逆打ちを繰り返しているのではないだろうか
そしてこれから先も、願いがかなうまで何度でも――
そして大事そうに抱えていたあの鞄、あの鞄の中には・・・

全ては俺の勝手な想像に過ぎない。
しかしこんな想像をしてしまったからには、もう逆打ちを続ける気力など残っているはずもなかった。
俺はYに自分の想像したことを話し、逆打ちの旅を中止することにした。
次の日すぐに俺達は四国を出たのだが、爆睡していたAだけはとんでもなく不満そうだった。

この話を後日四国出身の知人に話したところ
「嘘だろ?映画(死国)の前までは逆打ちで死者が蘇るなんて聞いたこと無かったし」
とのことだった。その知人は「そんな新しすぎる噂に執着するやつはいない」と言っていたのだろう。
だが、噂の新旧はあまり関係ないと俺は思う。
どんなに新しかろうと、どんなに嘘臭かろうと、絶望の淵にあるときに差し出されれば
簡単に信じ込んでしまうのではないだろうか。
もしかすると、あの中年女性は今もまだ――

以上、長文乱文失礼

365: 本当にあった怖い名無し 2006/12/12(火) 03:40:52 ID:pD4p4G5X0
【自転車】

友人(Aとします)の話です。

Aには愛用の自転車がありました。
それを飛ばして学校へと来ていましたが、
ある日派手に転倒してぶっ壊れたそうです。
それからと言うもの、しばらくAは早起きして、
歩きで登校していました。(この間相当愚痴ってました。)

それからまた、幾日か経ったある日のことです。
自転車で登校してきたAと、校門で鉢合わせになりました。
Aは新しい自転車に乗っていました。
私は、「ついにあの自転車捨てたのかw」と言い、茶化しました。
しかしAはちょっと嫌そうな顔で、
「捨てたのは捨てたけど、お前が思ってるような理由じゃない」
と言いました。
気になった私は、詳しく話を聞きました。

Aは、自転車が壊れてしまってから数日後に、
自分のそれが修理されている事に気付いたそうです。
(なんと彼は、壊れた自転車を家まで持って帰っていた)
それはかなり荒っぽい修理で、「機械には弱いけど、頑張って直したよ」
というような仕上がりだったらしく、辺りには部品のような物も落ちていました。

無論、Aの知る人物でそれをした者はいません。
では一体誰が・・・?

A曰くその時、「もう、かなり嫌な感じがした」そうです。
それは、夜、自分の自転車置き場から妙な音が聞こえてきた事で、
確信へと変わりました。Aは彼の父親に説明し、
2人で恐る恐る見に行ったそうです。

そこに居たのは、手が血だらけになった中年の女性でした。

366: 本当にあった怖い名無し 2006/12/12(火) 03:41:38 ID:pD4p4G5X0
女性は、こちらに気付く様子も無く、Aの自転車を一生懸命直しています。
手の怪我は、慣れない工具を扱ったためだろう、とAは推測していました。
とにかく訳が分からず、「はあ・・・?」と思った2人が近付こうとすると、
女性はそれに気付いたようで、

「えええええええエーーーーーーっ!?」

とものすごい驚いたような声を上げ、工具をほっぽり出して、
小走りで走っていったそうです。
残されたのは、血が所々に付着した自分の自転車・・・
不気味すぎて追いかける気にもならなかったそうです。

その後、Aの父親が調べた所によると、Aの自宅から少し離れた所に、
小さな自転車修理矢を経営している夫婦が居たそうです。
夫が亡くなってからは店を閉めたそうですが、
その後の妻の行方がわからない。実家に帰ったのだろうか、
いずれにせよ、その2人はとても仲が良かったそうです。
もしかしたら彼女ではないか・・・という事でした。

新しい自転車に買い換えてからは、
何も起きなくなったそうで、私は安心しました。
「だから捨てたんだよ。俺の気持ちも分かるだろ?」とAは言いました。

私は、迷い無く頷きました。

369: 本当にあった怖い名無し 2006/12/12(火) 04:49:57 ID:FCvrbyBX0
>>366 おもろかったぜ、乙
421: 看護士ですが 2006/12/12(火) 15:54:36 ID:NirvChXa0
【ICU】

ICUで勤務していた時のこと

夜勤で真夜中、ようやく一段落して一緒に夜勤をしている看護士と
ベットが見える位置にある休憩室に入り、お茶を飲んだ。
少しだけライトを暗くしてあたりは心電図モニターの音だけが
ピッピッと鳴り響いていた。

「今日は落ち着いてるね」と同僚が休憩室にあるテレビの
スイッチを入れると稲川淳二の恐い話をやっていた。
しかもよりによって話の舞台は病院のようである。

「恐いよ、消そうよ~」と私が言ったその瞬間

ペタ

はっきり聞こえた。スリッパの音である。
同僚の看護士にも聞こえたようである。二人で目を合わせた。

424: 看護士ですが 2006/12/12(火) 16:02:30 ID:NirvChXa0
(続き)

ペタ   ペタ

また聞こえた。スリッパで歩く音だ。間違いない。
しかし、それ以上に間違いない真実なのがここはICUで
仕切りのない大きなフロアにベットが6つ、患者数は4人。その全ての人が
人工呼吸器をつけている重症で心筋梗塞だったり心臓外科の術後だったりして
どの人も起き上がることなんて不可能なのである。
そもそも、ここにはスリッパなんて置いてない。

ペタ  ペタ  ペタ  ペタペタ・・・・

なのにスリッパの音がする。出入り口は全てにカギをかけている。
部外者が音もなく入ってくることは不可能だ。
同僚と目を合わせたまま、互いに身動きが取れない。
音がする方向を見ることも出来ない。
気のせいかこっちに近づいてきているような感じがする。私は汗だくになった。
同僚の顔は血の気を失いつつあった。

ガチャリ「おつかれー!」
出入り口のロックされていたキーが開いて医者が差し入れを持って
入ってきた。
とたんに重たかった空気がなくなり、私と同僚は安堵のため息をついた。
二人で医者に半泣きでワーワー言いながら事情を説明するが
ワハハと笑われた。でも、確かに聞いた。

音がした方向を見たが何もなくいつもと変わらぬ光景だった。

470: 本当にあった怖い名無し 2006/12/12(火) 23:39:48 ID:dYOO0/mT0
【着信履歴】

夜に2Fの自室で一人で本読んでたときのこと。
実家は立てた場所が悪かったのか、ラップ現象が耐えんかった。
自分は単に家鳴りだと思ってたんだが、その日はポスターが鳴ったのでおかしいなぁと思っていた。
そのうち外で階段を上ってくる足音がして、兄貴が帰ってきたんだと思った。

けど、階段の足音がいつまで経っても止まない。
さすがに3分も経たないうちに不振に思ってドアを開けて外に顔をだした。
階段には困った顔をした見知らぬお姉さんが立っていた。
「あ、○○さん(兄貴)いますか?」
自分はとっさに、ああ兄貴の彼女かなと思って、「まだ帰ってないですよ」と告げた。
「そうなんですか」
と途端にお姉さんはしょんぼりした顔になって階段を引き返していった。

また兄貴は変な人と付き合ってるなーと部屋に引き返したんだが、ふと気づいた。
兄貴、出張中で帰ってくるの二週間先なんだよ。
彼女だったらそれくらい知ってるはずじゃないか?
どうして自分はそれまで兄貴が出張なのを忘れてたんだ?

「帰ってくるまで、待たせてもらってもいいですか?」

背後から声がして、気づいたら朝だった。

471: 本当にあった怖い名無し 2006/12/12(火) 23:40:22 ID:dYOO0/mT0
目が覚めてから、あれは夢だったのかなーと思ったら、携帯に兄貴から連絡があった。
出たら、幼馴染が亡くなったから、焼香だけでも換わりに行ってくれないかって連絡だった。
(今思うと変な話だって思うんだけど)
仕方なく制服着て、頼まれた住所に行った。

普通、お通夜のある家って、近くになると看板とか立ってるはずなのに、それがなくておかしいなと思った。
住所の家まで来ても、受付も何もなくて、兄貴が住所を間違えたんだと思って携帯をだしたとこで、玄関から出てきたおばさんに声をかけられた。
「○○くん(兄貴)?」
「あ、○○の弟です」
と答えると、○○くんはもう学生じゃないものね、と笑っておばさんは家に招き入れてくれた。
聞くと亡くなった幼馴染の家には違いないんだが、亡くなってもう5年経ってて、葬式には兄貴も参列したという。
仏壇に手を合わさせてもらったけど、写真は見たことない男の人だった。

472: 本当にあった怖い名無し 2006/12/12(火) 23:40:57 ID:dYOO0/mT0
兄貴にどういうことか電話をかけようと思って、おばさんと少し話をしていたら、母親から電話が入った。
兄貴が出張先で事故に巻き込まれたという連絡だった。
おばさんに挨拶そこそこに飛び出して、母親との待ち合わせ場所の駅で落ち合って、そのまま兄貴の出張先に向かった。
思ったより早くついたけど、兄貴は乗用車の中に閉じ込められてて救出が遅れたらしく、生死の境を彷徨ってた。
医者にも覚悟してくださいって言われた。

母親を支えながら廊下のベンチに座ってる間、なんか変な足音に気づいた。
まだ明るいうちだったから、病院の待合なんて人いっぱいるから、足音なんて普通なんだけど、何故だかその足音だけ変なんだよ。
そのうち聞きなれた音だからって気づいた。実家の階段を上る音だって。

目の前に、家でみたお姉さんがいた。
「まだかなまだかなまだかな」
と繰り返し呟くお姉さんをみて、こいつが原因だととっさに思った。
自分はそいつを睨み付けて「どっかいけ!」と心で呟いた。
そしたら声がやんで女の目だけがぐるん、て動いてこっちをみた。
顔がぜんぜんうごいてないのに、眼球だけ、ぐるん、て。
さすがにここで、とんでもない相手をしていると気づいて背筋が凍った。

473: 本当にあった怖い名無し 2006/12/12(火) 23:41:29 ID:dYOO0/mT0
どうしたらいいのかわからず、しばらく女とにらみ合ってた。
そしたらまた、とんとんとん、て別の足音がしてそっちに視線を向けたら、次に女に視線を戻したときには女の姿はなかった。
どうしたんだろうと思ったら、今度は目の前に兄貴と同じ年くらいの男の人が立ってた。
「あいつに、苦労かけるな馬鹿野郎っていっといて」
というと、コブシでとんとんと二回、自分の頭をこついて消えた。
亡くなった、兄貴の同級生の顔だった。

兄貴は無事目を覚ました。
あとで聞いたら、兄貴は自分に電話をしていなかった。
着信履歴みたら、確か兄貴から電話があった記録がなくなっていた。

自分が体験した不思議なことを話たら、兄貴は泣いた。