224: K 2006/12/29(金) 17:07:37 ID:x735838xO
【竜神様】

大学1年の春だったと思います。
小学校以来の親友であるIから電話がありました。
「休みだから爺ちゃんのとこ行こうと思うんだけど、一緒に来ないか?」
みたいなことを言っていました。
彼女は友達と旅行中でしたし、あと数日は何も予定は入っていませんでした。
両親からの仕送りも来たばっかりで金銭的にも余裕があったので、故郷の家族への顔出しも兼ねて、ついていくことにしました。

故郷は以前とほとんど変わっていませんでした。
駅前からタクシーを使って、Iのおじいさんのお寺まで行きました。
「おお、来たかい」
小学生の時何度もこのお寺に行きましたが、おじいさんの第1声はいつも同じでした。
それから僕たちは、お寺でおじいさんといろいろ昔話をして過ごしました。
夜、僕は実家に帰ろうとしましたが、おじいさんが
「こっからMくん(僕)の家まで結構離れてるから、今日は泊まって行きなさい」
と、僕たちに一部屋貸してくれました。
僕たちはそれなりに広い部屋で、夜遅くに床につきました。
「M、起きてるか?」
と、Iが声をかけてきました。

引用元: https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1167114083/



226: K 2006/12/29(金) 17:32:56 ID:x735838xO
続きです
I「あのさ、正月にお前と彼女に、Rちゃんとかいったっけ?御守りやったろ?」
僕「うん」
I「俺がここに来たのはそれのことを探るためなんだ」
僕「どういうこと?」
I「この寺の裏に山あるだろ?」
このお寺の裏手には山があり、小さい頃、僕やIは危ないからと近付かせてもらえませんでした。
I「3ヵ月にいっぺん、同じ日に爺ちゃん必ずあの山に入るんだよ。中学の時だったかな?入口で隠れて帰ってくんの待ってたんだ。で、そん中にお前にあげたみたいな玉が見えたんだよ」
I「そんで、明日がガキの頃爺ちゃんが山行ってた日なんだよ。一緒に探ってみないか?」
興味を引く話でした。
その山に子供が近付けないのは分かりますが、僕の知る限り、大人も立ち入ることは無かったと思います。
単に危ないから、というわけでない理由があるのかもしれないと思いました。
僕は、この話に乗ることにしました。

翌日。
I「今日はこいつとこの辺いろいろまわってくるよ」
「そうかい、行っといで」
と何の疑いも無くおじいさんは僕たちを送り出してくれました。
そして、僕たちはお寺から出た後すぐに裏口から中に入り、おじいさんが出て来るのを待ちました。

229: K 2006/12/29(金) 18:05:07 ID:x735838xO
続きです
30分もしないうちにおじいさんは出てきました。
大きめの袋を持っていました。
真っ直ぐお寺の裏山に向かって行きました。
僕たちは、後をつけました。

おじいさんはどんどん山の奥へ進んでいきます。
外から見るとその辺の山と大して変わらないのですが、中に入るとなぜか緊張しました。
幸い、おじいさんが長年通っていたからか、地面が踏みならされ細い道になっていたので、迷う心配はありませんでした。
最初は、木はたくさん生えていましたがそれなりに明るく、鳥の声も聞こえたりしていましたが、奥に進むにつれて薄暗くなり、シーンとなって、先を進むおじいさんの数珠のジャラジャラという音しか聞こえなくなりました。
僕もIも、初めはヒソヒソ話しながら進んでいましたが、いつからか互いに押し黙ったまま、おじいさんに気付かれないギリギリの距離を保ちながら、ついていきました。

開けた場所に出ました。
大きな池のようなところでした。
空は曇っており、霧があったのを覚えています。
おじいさんは池の前で止まり、両手を合わせ、何やらお経みたいなものを唱えはじめました。
僕たちはその様子を影から見ていました。
しばらくしてお経が終わると、おじいさんはジャブジャブと池に入っていきました。
そして、膝上半分がつかるくらいまで進むと、水面をじっと眺めていました。
しばらくすると、今度は先に進まず、横に移動しました。
そしてまた立ち止まり、水面を凝視しました。

254: K 2006/12/29(金) 18:32:02 ID:x735838xO
続きです
しばらくすると、おじいさんは腕まくりをし、池に両腕を突っ込みました。
何かを取ろうとしているようでした。
そして、両腕を引き上げると岸に向かって戻り始めました。
両手には、僕がもらったものと同じ、ビー玉のようなものがたくさんありました。
おじいさんは岸に上がると、置いてあった袋にビー玉を入れました。
そして、また池に入り、右に行ったり左に行ったりして、ビー玉を取っては戻り、袋に入れていきました。
それを数回繰り返した頃、袋にビー玉を入れるおじいさんが突然こちらを向き、
「来ちゃったんかい」
と、僕たちに話しかけてきました。
僕「すいません。後をつけてしまって」
おじいさんは「いや、かまわんよ」と笑って許してくれました。
I「ここはどこなんだ?」
Iがおじいさんに尋ねました。
「ここには、竜神様がいらっしゃるんだよ。お前にも話そうと思ったんだがな」
おじいさんの話はこんな内容でした。

262: K 2006/12/29(金) 19:08:45 ID:x735838xO
続きです
「わしらの家が代々、竜神様をお祠りしているのは知っとるな?」
僕の故郷のある地方は竜に関する伝説がたくさんあり、僕の母校ではありませんが、高校の文化祭の名前に「竜」の字が使われていたりします。
おじいさんによると、随分昔、この辺は長い間雨が降らず、飢饉になったことがあったそうです。
その時、Iのご先祖がこの池に棲むという竜神に祈りを捧げ、雨を降らせてもらい、村は全滅を免れたそうです。
竜神は優しい神様だったらしく、村にとって縁起の悪いものを池に沈めるとそれを浄化して、清いものに変えてくれたといいます。
そして、後にそれを取り出し、村の神聖なるものとしたそうです。
それは沈めておけばおくほど効果が増すとされ、定期的に取りに行ってはお寺で管理し、村に災いが起きると、その深刻さに合わせて「神聖なるもの」を使い分けたそうです。
今はほとんどの池が水田になったりしてしまったそうですが、開発を免れたこの辺りでは、今もその風習が残っているそうです。
「今もやってんのは、もしかしたらここくらいかもしれんなあ」
と、おじいさんは笑っていました。
「近付くでないぞ」
池を覗き込もうとしたIをおじいさんが注意しました。
顔も声も、いつもと変わらず優しいままでしたが、どこか凄みがありました。
帰り、僕たち3人は山を出るまで無言でした。

その日の夜、今度こそ実家に帰った僕は、今日聞いた話を家族に話しました。
両親は、飢饉の際に竜神に雨乞いをしたことは知っていましたが、その池が裏山にあったこと、そこにものを沈めたことなどは知りませんでした。
祖母にも聞いてみましたが、「竜神様の話はむやみにしない」と、なぜか取り合ってくれませんでした。

翌日、僕は今度こそ本当にこの辺をいろいろまわってこようと思ったのですが、Iには「調べることがある」と断られてしまいました。
結局、その日は1人で故郷を歩き回り懐かしさを満喫して、次の日、両親に帰りの電車賃を出してもらい、故郷に別れを告げました。

もう少し続きます

266: K 2006/12/29(金) 19:38:15 ID:x735838xO
続きです
つい最近です。
突然Iから電話があり、「話がしたい」ということで、駅前まで呼び出されました。
以下はその時の会話です。
I「前、爺ちゃんのとこ行ったの覚えてるか?」
僕「山行ったやつだろ?」
I「あれから、いろいろ調べたんだよ」
I「神様の棲むところに何か悪いものを持ってってなんとかしてもらうってのは、俺たちのとこだけじゃなくて、結構いろんなとこであったらしい」
I「でも、それだけじゃなかったんだ。昔の人は、神様のとこに何か持ってく時、必ず見返りになるものを用意したらしい」
僕「見返り?」
I「生け贄だ。兎だったり犬だったり、人の子供だったとこもある」
I「もっとすごいとこじゃ、わざと子供を殺して、何かにその血を塗って、神様のとこに持ってったりしたらしい。ヤバい時に備えて、ってことなんだろうな」
僕「それじゃ、逆に天罰が下るんじゃないか?」
I「俺もそう思ったんだけどさ。子供を殺した奴は、殺した後に使った刃物で死んだらしい。それでチャラってことにしたかったんじゃないか?」
I「で、神様のとこに行く奴が死んだ子供と、血を塗ったものと、殺した奴が使った刃物を持ってって、後になって血を塗ったものだけ取りに行ったんだってよ」
何と言っていいか分かりませんでした。
I「そんで、山行った次の日、俺調べ物があるって言ったろ」
I「あん時、家と寺の蔵にこっそり入ったんだ」
I「いろいろ本とか巻物とかあったけどさ。まあ古いし字も昔のやつでさ、ほとんど読めなかったんだ」
I「でも、ほんの少しだけど挿絵があったんだ」

270: K 2006/12/29(金) 19:57:36 ID:x735838xO
最後です
I「あの池と、鉈と、小さい玉だった。あのビー玉だよ」
祖母が「竜神様の話はしない」と言っていたのを思い出しました。
I「図書館とか史料館にも行ったんだ。子供が死ぬなんて昔は珍しいことじゃなかっただろうけどさ。俺ん家と他の幾つかの家は、つい最近まで十数年に一度、産まれたばっかの子供が死んでんだよ。だいたい同じくらいに身内とか近所にも不幸があったみたいだ」
僕が小さかった頃、叔父の産まれたばかりの三男が亡くなり、次の日に近所のおじいさんも亡くなり、同時に告別式をやるということがありました。
おじいさんの棺には皆で花を入れたりしましたが、三男の棺は一度も開かれなかったと思います。
I「俺さ、親とか爺ちゃんに結婚したら故郷戻ってこいって言われてんだけどさ」
I「…絶対に戻んねえわ」
僕も似たようなことを祖母に言われたことがあります。
「仕事が見つかんなかったらね」と言い続けてきましたが、考えを改めなくてはいけないかもしれません。
「近付くでないぞ」
「今もやってんのは、もしかしたらここだけかもしれんなあ」
この言葉が、今ではひどく不気味に思えます。

長文失礼しましたm(_ _)m

303: 本当にあった怖い名無し 2006/12/30(土) 05:22:55 ID:KBX3g9GS0
【公民館の裏手にあったもの】

四国の大学で地質学の卒論を書いた。
フィールドワークで一人山に入るんだが、基本的に道路から外れた本当山中をあるく。
基本的に山道を煤で川の上流まで上がってから、川べりを下りながら露頭という
地層が露出した個所を探しながら、車が止めてあるスタート地点に戻る。
露頭を見つけたら、フィード帳に書き込み、地図と合わせて地質図をつくる作業をするんだ。

その日も、一人で調査の為、山に入った。
一応コンパスと歩数でルートマップを作りつつ、時々GPSで補正をする感じ。
たまに国土地理院の地図が間違っていて、えらい目にあったという話も聞くが、
基本、こっちはマップを作りながら歩いているので、まず迷うことない。

獣道をすすんで、朝の8時から山に入って2時間ほど歩いていると、
盆地に広がる小さな集落に出た。持っていた地図には載っていない。
集落があると言うことは、ここまで車で入れたわけで
ずいぶん山歩きを損した気になったのだけれど、
まぁ砂利道でも道を歩けるだけ良いかなぁとおもって村の中に入っていった。

集落に近づくと、なんかちよっと嫌な感じがした。
たしょう古ぼけてはいるけれど、田んぼにも稲があるし
戸締まりもきちんとしていて廃虚と言う感じてはないのだけれど、
どうも人の気配がなさすぎる。
なんどかこういう集落を通ったことがあるけれど
朝方でひとが出ていないのはよくあるが、犬なども居なくて
静かすぎる。どうしたものだろうと思っていると、
押し車を押しているばあさんが、前からやってきたので
挨拶をすると、驚いたような顔をして、ぷいと振り返って引っ込んでそれっきり。

304: 本当にあった怖い名無し 2006/12/30(土) 05:25:55 ID:KBX3g9GS0
なんか嫌だなぁ。と思ってとりあえず、集落の真ん中を通る道を山手のほうに向かって歩いていくと
道の脇の家に着いている電気メーターが目に入ったので、ちよっと覗いてみてがく然とした。
ガワはあるが、中の機械がなかった。慌てて向かいのメータを覗いたら同じく中の機械がない。
その隣も、中身がなかった。
ここには数十件の家があるみたいが、かなり人が住んでいない家が混じっているみたいで
ちよっと怖くなって、足早に砂利道を山手の方へいくと、どん詰まりに公民館みたいな建物があって
なんか中から、人の声がワサワサと聞こえて、ちよいビビりつつ公民館の横手をみると
結構大きい盛り土がしてあって、無数の白い紙の人形のようなものが
割りばしみたいなのにつけられて突き刺さっていた。

こら、勘弁してください。という感じで回れ右をして元きた道を一目散に下っていくと、
T字路で行き止まり。下手は田んぼが尋がっっている。
とりあえず一般道に出るために、北方向とは向かい側の道を行くのだけれど、
一般道には出れず結局、また公民館みたいなのにいきあたる。
どうしたものか。と思っていると、
公民館から人がわらわらと出てくる気配が合って、やっぱりちゃんと道を聞こうと出て行くと、
公民館から出て来たのが、小学生ぐらいの子供たちがわらわらっと。
平日、学校にも行かずにこの子達は何をしているのだろう。と思っていると中から
大人の男性が何人か出て来て、いきなり「なにしてる!」と叫んで、こっちに走ってきたものだから
怖くなって、全速力で山の方へ田んぼをかき分けながら逃げた。
叫び声はきこえるが追いかけてはいないようだった。
とりあえず高いところまで登って集落を見下ろすと、外に抜ける道が一本もない。
そして奇妙なのが、公民館の裏手に無数の十字架のようなものが立っているのが見えた。


盆地を迂回して車に戻ると、とりあえず役場に行って、
最新の地図をもらいながら、その話をしてみたが、信じてもらえなかった。
何が何だかよく判らなかったが、
あれは、臨海学校か何かのキャンプ場だったと思うことで納得させることにした。

305: 本当にあった怖い名無し 2006/12/30(土) 05:30:08 ID:KBX3g9GS0
一寸前に、大学の後輩から、同じフィールドで卒論を書くとので
できたら相談にのってほしいと言われた。
卒論で書いた以上のことはなかったけれど、気になって
それとなく、あのフィールドで奇妙な場所はなかったかと聞いてみた。

一ヶ所、結構広い盆地なんですが、一面掘り返したばかりのような更地で、
その上に、大量の便器が(トルコ式の便器らしい)大量に捨てて合ったのを見つけたとのこと。
昔のフィールド帳を照らし合わせてみると間違いなくあの場所だ。
「いや、ほんと、山から見ると、更地にごま塩みたいに便器がすててあるんですよ。
車も入らないところに」という後輩の話だった。

310: 本当にあった怖い名無し 2006/12/30(土) 08:26:17 ID:UcQmpmtMO
【インターホン】

今年の五月頃家の裏の古いアパートで火事が有った。
そのアパートの二階奥に住むお爺さん(Nとする)が亡くなった。
父(霊感あり)はNさんと近所付き合いがよく、時々Nさんが訪ねて来る事があった。
これから話す事はその時に体験した事です。

311: 本当にあった怖い名無し 2006/12/30(土) 08:27:54 ID:UcQmpmtMO
その日は夕食がいつもより遅かった。
夕食を食べていると、八時半過ぎ、来客を知らせる音が鳴った。
インターホンを手に取り、
「もしもし」
「毎度様で・・・です」
「あの、どちら様でしょうか?」
・・・
返事はなく、インターホンからは外に吹く風の音だけがヒューヒューと聞こえていた。
その事を父に話すと気味が悪そうにしていた。

312: 本当にあった怖い名無し 2006/12/30(土) 08:32:06 ID:UcQmpmtMO
その後父は飲みに出かけたが、胸騒ぎがしたらしくすぐに帰ることにした。
十時頃部屋で兄とゲームをしていると花火の様な臭いがしてきた。
この時期に花火はまだ早いのにと思い、窓を開けて臭いの元を探そうとした時、
父が丁度帰宅、そして裏のアパートから煙が出ていると教えられ私達は急いで避難した。
発見が早く大火事にはならなかった。
しかしその部屋は全焼し、Nさんは焼死体で発見された。
その後の調査でロウソクの火が布団に移ったのが火事の原因だと分かった。
布団が焼けにくい物らしく全焼までに結構な時間が掛っただろうとのことだった。
そしてNさんは早くに意識を失っていただろうということも判った。
あの時自分は人が焼ける臭いをかいでいたと思うと気持悪かった。
翌日は一日中雨が降っていた。
父と火事のことを話していると、父は有ることに気付いた。
「毎度様です」と言って訪ねて来るのはNさんだけだということに…

313: 本当にあった怖い名無し 2006/12/30(土) 08:40:26 ID:UcQmpmtMO
誰かが訪ねて来たあの時、
ドアを開けに行ったら自分はどうなったのだろう…

358: 本当にあった怖い名無し 2006/12/30(土) 20:13:50 ID:UcQmpmtMO
>>313ですが、
後から判ったことが有ります。
Nさんは足の病気で長期間入院しており、
その日一日だけ退院が許されていたとの事です。
何故ロウソクを灯に使ったのかは分かりません。
あの時来たのは生きていたNさんなのか、
Nさんの霊が火事を知らせに来たのか、
今となっては分かりません…

315: 本当にあった怖い名無し 2006/12/30(土) 09:43:07 ID:aylGosTR0
【11年前に行方不明になっていた友人】

朝っぱらから失礼、数ヶ月前の話
今でも信じられないマジ話

その日、11年前に行方不明になっていた友人が見つかったと報があった
しかし、どうもその電話主(その友人の親)が釈然としてない様だった。
それで、その数日後に休暇が取れたから会いに行ってみたけど

その友人の見た目は行方不明になった当時、私が別れて最後に見た当時のまま
まるで友人だけが刻を遅くして今に行き着いたかのように何も変わっていない。

最初はやっぱり母親も疑ったがDNA鑑定も行い同一人物ということも判明
友人の証言は
「ショーコ(私、仮名)と別れて4日しか経ってない
朝起きたら突然母も弟も老けていた。突然変な質問をされた。本当にショーコ?」と本人も混乱していた

今は友人は通信制に通って再勉強中
戸籍上は今は28歳。しかし見た目はそこらへんの女子高生と大差はない

若干羨ましい、若さの面で

316: 本当にあった怖い名無し 2006/12/30(土) 09:52:17 ID:aylGosTR0
ちなみに、友人は何事もなく部屋で起き、居間へ入ってきたそうです
玄関に靴はありませんでした、その時は友人の靴をしまっていたらしいので。

341: 本当にあった怖い名無し 2006/12/30(土) 18:50:07 ID:Q6rpTGfp0
>>316
オカ板的に見れば神隠しか完全な別人が成りすましてるとかのっとられたとか
347: 1/4 2006/12/30(土) 19:18:17 ID:vheak2i20
【白いモノ】

数年前、俺が大学時代の話。
当時まだまだ遊び盛りで、友人数人と車で心霊スポット巡りを楽しんでいた。

そんなある日、そろそろ夏休みも終えそうな時期で、ほんのりと肌寒い時期だった。
唐突に友人Aが、ある心霊スポットに行きたいと言ってきた。

それはとある山で、地元の人しか知らないようなマイナーな場所だったが自殺が起きただの
夜に近づくと連れてきてしまうだのと中々やばげな場所。

勿論反対する者も無く、俺、友人A、B、C、Dの五人で行くことに。

アパートから車で30分、俺、B、C、Dの四人でその場所に向かった。
(Aはその地元の人間で実家通い)

Aが指定した場所に着くと、すでにAの姿が。
地元のスーパーの駐車場にちょっと止めさせてもらってその山へは徒歩で向かうこととなった。

そこから歩いて数分。細い農道の先にその山の入り口は見えた。

348: 2/4 2006/12/30(土) 19:18:57 ID:vheak2i20
そしてこの中で唯一自称霊感が有ると言っていたBが「何か山が暗いものに覆われていてよく見えない…」
もちろん俺から見たらそんなことは無い。少しばかりであるが、月明かりも手伝って上のほうの木々程度なら
見えるくらいだ。
こいつ目悪かったっけ?と思いながら山に入ることに…

またまた山に入る前に、Cが鉄パイプ(水道管?)のようなものを見つけ、用心の為にと持って行くことになった。
ちなみにCは昔から古武道だか古武術だか習っていると言っていたので、いざと言うときはコイツに任せて逃げようと思った。

山に入るとBが「何か気分が悪くなってきた…視界も暗くなってきた気が……」と。
それは同感で、俺も一際暗く感じた。というか木がかなり生茂っているので暗くて当然だった。
「誰でも同じだわwwww」と、皆からBがいじられているウチに、唐突に鳥居が出てきた。
定番だなあ…と思いつつも、俺は内心結構ちびりそうで、後ろを振り返っても何も見えない。
ライトの光しか便りに成らないくらい本当に漆黒の闇だった。

Bが「ここからはちょっと行けんわ…」と半べそを掻き出し、無理にでも連れてこうもんなら泣き出しかねないくらいだったので、
仕方なくB、Aを置いて先に行くことにした。Aも地元民の癖して相当びびっていた様子だった。

349: 3/4 2006/12/30(土) 19:20:03 ID:vheak2i20
テンションが冷めないウチに俺、C、Dで「もっといこーぜwww」と先にガンガン行くことに。
すると、何かちっさいくぼみのようなモノがあった。例えるなら貝塚のようなもの。
その中には木の破片みたいなもんが入っていた。
もしかして………皆何か感じたのか誰も手に取って調べようとしない。
俺もあいつらと残ってたほうがよかったかも…とちょっと後悔しだしたそのとき、木々の奥で何か光った気がした。
いや、光というよりは白いモノ。アレだけ暗い中ぼわっとした感じで浮かんで見えた。
「おい…」と他の連中も気づいていたみたいで、俺が泣きそうな声で「そろそろ戻るか…」と切り出した。
そして、ゆらっとまたソレが表れて揺れた。

段々近づいている気がする…
そこで逃げればよかったものの、なかなか動き出すことが出来ずソレを見入ってしまっていた。
ゆらっゆらっと段々と近づいて来ているソレは何か分かった時、俺はもう駄目かと思った。

それは顔だった。男とも女とも分からない顔。ただ長い髪もうっすら確認できたので恐らく女だろう。
その表情も笑っているような泣いているような怒っているような…
むしろ全ての感情とも取れる顔でゆっくり…そして確実に迫ってきていた。

350: 4/4 2006/12/30(土) 19:21:45 ID:vheak2i20
本当に恐怖で声が出ない。それでも何とか腹の底から叫び出そうとしたその時……

「タアアアアアァァァ!!!!!!」と間近でとてつもなく甲高い叫び声が聞こえた。
Cだった。Cはそう叫ぶと、鉄パイプを高々と挙げあろうことか全力疾走でその顔に突っ込んでいった。

「タアアアアァァァ!!!!!!!」とその顔を木っ端微塵にするか如くパイプを何度も何度も打ちつけている。
もうこっちはどうしたらいいのか分からない。

Dは俺に「行くぞ!」と迫ってきた。正直俺もDもCは何かに憑かれたんじゃ…と思い逃げ出すことに。
何とかA、Bの元に辿り着いた。
A、BもCの声が聞こえ、更に全力で駆けてきた俺達に混乱していた。
もう俺とDもどう説明したらいいのか分からない。
ただ「Cはもう駄目かもしれん…」と声を絞り出すと、後ろからぜいぜい息が切れたCが駆けてきた。
「お前らが行くもんで暗くて分からんかったわ!」とCはライトを持っていたDにちょっと切れていた。

「いや…お前がおかしくなったのかと…」と俺が言うと、Cは「そんなわけあるか!ただあいつを払おうと思っただけじゃ!」と。

ことの顛末をA、Bに話すと、Bは「それやばいんじゃ…」と言ったが、Cは「いや、もう逃げるように消えたぞwwww」と余裕綽綽だった。
どっちにしても怖いことには変わり無いのでそそくさと山を降りることにした。


あれから数日…いや、何年たっても特に何も起こらず暮らせていますw
特にCは相変わらず元気で、なかなか幸せな生活を送っている。

今はもうその場所から皆チリジリになってしまったが、集まって飲むことは結構あるので機会があればまたあそこに行ってみようかな…
正直なところあそこが何だったのかもよく分からないし、あのくぼみもよく分からないままなわけだし…

354: 謎 1/4 2006/12/30(土) 19:58:23 ID:CYFIitcf0
【姉の話】

俺と姉貴は中二の頃まで一緒の部屋だった。
もとより中の悪い俺たちは口をきくことすら稀だった。
中学二年生、俺の足の傷に変化はさほどない。

その日、いつもの時間帯に起き、立とうと
した時だった。急激に足に激痛を感じ、驚き
倒れてしまった。家中にまで響き渡る勢いだった。
駆けつけた母が来て部屋の明りをつけると
布団は血で染まっていた。
そして、その血は俺の脚の傷からだった。
今までに血は何度も出ているが、この量は
あの四年生以来の量だ。
俺も母も驚き、暫くは動けなかった。
俺はその日学校を休んだ。
体調が悪いわけでも無いので、休めた分
嬉しかったが、それと同時にやることが無かった。
父は仕事。母は買い物。
家にいるのは俺と、眼が見えなくなった
婆ちゃんの二人だけだ。
だが、婆ちゃんも寝たきりで話すのも困難だ。
悩みに悩んだ末、結局は昼寝をした。

355: 謎 2/4 2006/12/30(土) 19:59:04 ID:CYFIitcf0
ゆっくりと目が冷めた。
時計を見ると既に七時。寝すぎた。
昼寝の特有の頭痛が起きる。部屋の明りをつける。
暫くボーッとして下へ降りる。
母は既に夜の仕事へ行った様だ。
茶の間にはご飯の支度がしてある。
一人でご飯を食べていると姉が帰宅した。
姉は帰るといつもすぐさま自室(俺と同室だが)に向かい、
一時間くらいしたら下に下りてきてご飯を食べる、
という極めて変な奴だった。
だが、父が帰ってきて、すでに十時だというのに
一向に下りてくる気配が無い。
俺はおかしいと思い、姉の様子を見に行く事にした。
扉を開けると、姉は椅子に座って本を読んでいた。
そして、俺の顔を見ると、急に立ち上がって
俺の腕を掴んで俺を椅子に座らせた。

わけのわからない行動に混乱していると、
姉が物凄い形相でキレ始めた。
姉はヒステリックだ。それも異常なまでに。
姉が高校に入ってからはほとんど精神科へ
行っていたくらいだ。
そして、俺も我慢できなくなりキレると、姉が
こう言ったのだ。
「手前のせぇで昨日は眠れなかったのに何
 逆ギレしてんだクズ野郎!」

356: 謎 3/4 2006/12/30(土) 20:00:06 ID:CYFIitcf0
訳が解らなかった。というより、眠れないって言うのは
こっちのセリフだろう。
こっちはいつもあんたが夜中まで勉強してるから
明りが眩しいからアイマスクまでしてるってのに。
だが、姉のいう話は本当にチンプンカンプンだった。

姉が寝ていると俺が起こしたらしい。
姉は何事かと思い俺を見ると不思議に思った。
俺は正座をしていて、白目を剥いていたそうだ。
そして、姉が擬視していると、俺は何かを話し始めた。
だが、姉は俺が何を言っているのか理解出来ないうえに、
起こされたと言う怒りで「聞こえねぇよ!」と言うと、
俺は舌打ちを打ち、そこで崩れ落ちたように眠り始めた
そうだ。
姉はそれを話し終えるとずかずかと下に下りていった。
俺は身に覚えの無い話をされて、唖然としていた。
寝ぼけていたのか?
けど、寝つきはいいし、寝起きもいい。
ハッとした。
姉のさっきの言葉だ。
「白目を剥いていた―」
有り得ない。それだけは有り得ない。
何故なら俺はいつもアイマスクをしている。
それに、何故それを確認できたんだ。
夜中なのに。
暗闇の中、何故体位まで解ったんだ。

357: 謎 4/4 2006/12/30(土) 20:00:57 ID:CYFIitcf0
俺も姉も無言のままその日は就寝についた。
いつもの事だからあまり気にはならない。
だが、さっきの姉の話の内容を考えていると
やはりなにかゾッとするものがある。
何を伝えようとしていたんだろう。
それは本当に俺だったのか。
そして、今朝脚が血まみれだった事を思い出し、
コレが原因だったのかと思い、納得
することにした。

余談だが、その日から姉は時々変な声が
聞えるようになった。
その変な声とは、俺がいっていたらしき言葉だ。
408: 「ヒサイ村」1 2006/12/31(日) 07:18:33 ID:aexaCdVPO
【ヒサイ村】

―――雑誌の記者である私(高橋)は「旅本」の取材のために度々田舎の地域に出向きその土地のお年寄りに話を聞いたり、まだ誰にも注目されていない場所を探す仕事をしている。

―ここは西日本の山奥の村「ヒサイ村」―

村人は近隣の村の村人とは関わらず独自の生活を営んでいる。
都会の街とは違い歓楽街や娯楽施設など一切存在しない静かな片田舎。
村人の人口は過疎とは言えないが圧倒的に子供の数が多い。
村を歩く人の中にお年寄りの姿が見えないのは何故だろう。

私は小さな商店に立ち入った。

商店に並ぶ品物はどれもどこか懐かしい物ばかり。
雑誌や新聞、俗に言う「書き物」の類が一切販売されていない。
私は商店の店員に尋ねてみた。
「この村にはお年寄りはいないのか?」

するとまだ未成年かと思われる青年は答えた。

「見ればわかるだろ?この村にそんな長生きできるやつはいないよ」

私をよそ者だと思いからかっているのだろうか。
私は少し考え何も言わず商店から退散した。


次に出向いたのはこの村の中心に位置する小さな駐在所。
中にはうつむきがちの青年が座っていた。

409: ヒサイ村2 2006/12/31(日) 07:19:22 ID:aexaCdVPO
「すいません」

私が不意に声をかけると、その青年はゆっくりと振り返った。

「この村に詳しいお年寄りの方を紹介していただけませんか?」

私が彼にそう尋ねると、彼は小さい声で答えた。

「残念ですがこの村に年寄りはおりません。」

またか、といった調子で一言交わして駐在所を後にする。
この村の住人はよそ者を敬遠しているのだろうか?

なんとしても仕事を終えたかったので、自分の足で確かめることにした。

村を歩いているとやはり子供ばかり目に付く。
特に人口の多い村では無いのだが、外にいる村人は子供ばかりだ。

村はずれへと続く山道を見つけた。
細く舗装されていない、いわゆる獣道のような道だったが道はこれしかない。

日が暮れる前に仕事を済ましておきたかったので迷わず進むことにした。

2、30分程進んでいくと開けた場所に着いた。

私は目を疑った。

そこには一面の墓標。
村人の人口を遙かに上回るであろう墓標の数。
しかしどれも古く崩れかかっている物もある。

その時背後に視線を感じた。

410: ヒサイ村3 2006/12/31(日) 07:22:49 ID:aexaCdVPO
振り返ると先程駐在所で話した青年がうつろな表情で立っている。
青年は小さく呟いている。
「ここは危ない。あなたも病気になる。」
「え?」私は聞き返した。
「村の人々は流行病にやられて年寄りから次々と死んでいった。私達はこの村の病からは抜け出せない。」

―――私はそこで気付いてしまったのだ。

私は急いで来た道を戻り車のある場所まで走った。
幸い日が暮れる前だったので迷うことなく村を抜け出せた。

――数日後、職場で作業をしていると会社の古い資料を発見した。

そこには「伝染病により閉鎖された村」について書かれていた。
詳しい事は書かれていないが内容からするに私が立ち入った「ヒサイ村」に間違いない。
―私はあの村に行ってから咳が止まらない。
時々高熱や悪夢にうなされる夜もある。

あの村に立ち入ってはならない。

必ず何か別の、伝染病とは違う何かがあの村には存在する。

あの村には行ってはならない。


「被災村」には…。

―高橋編完―

521: 無なさん 2007/01/04(木) 01:09:49 ID:AVjuEFcG0
【大きなひと】

深夜、OLのAさんが自宅で熟睡していると、誰かが体を揺さ振ってくる。
目を覚ますと、そこには見ず知らずの男が立っていて、作業的にAさんの体を揺さぶっている。
驚いたAさんは悲鳴を上げ、同居している両親の部屋に逃げ込んで警察に通報。
その間男は、追って来るでもなくAさんの部屋から動かなかったらしい。

到着した警察の調べに由ると、この男は隣県の施設に住む知的障害者で、一昨日から行方不明になっていたらしい。
Aさんの家はマンションの9階で、窓も玄関も鍵がかかっていた。
男は警察の尋問に対し「大きなひとにつれてこられた」と答えるだけ。
因みにこの男の身長は優に180cm。「大きなひと」って?
どんな方法で何故Aさんの部屋に?

その後Aさんは引っ越したとの事。

527: 本当にあった怖い名無し 2007/01/04(木) 02:06:03 ID:+iM1ZkL00
>>521
リアルに怖いわ