ノストラダムスの大予言

作家の五島勉氏が死去した。享年90歳、大往生といってもいい年齢かもしれない。 

かつて五島氏は、昭和のベストセラー本「ノストラダムスの大予言」を250万部も売りさばき、時代の寵児としてその名前を広げた。

昭和の頃、小学生だった筆者はこの予言を大いに恐れた。
昭和のあるあるネタとして、当時両親、弟2人と家族会議になったことがある。

真剣に予言を信じていた父親と母親は、「その時になったら一緒に死にましょう」
と真面目な顔でつぶやいたが、これに対し筆者は強烈に拒否の意思を伝えた。「いやだよ。可能性がある限り、生き残ることを選択したい」と答え、母親に「なんて子だろうね」と呆れられたが、小学生だった筆者にはどうしてもあの本が事実だとは思えなかったのだ。





みんな死んじゃうのよ

このような発言をしている有名人は多い。筆者の友人で筋肉少女帯のボーカルを務める大槻ケンヂ氏は、学校から帰ってくると母親から「ケンちゃん、みんな死んじゃうのよ」と言われたと言う。筆者は大槻氏本人から聞いたのだが、このように昭和の大人が真剣に思い込んだ結果、偶然のノストラダムスブームが引き起こされたと言える。

五島勉氏がノストラダムス本以前に創価学会のアピール本を書いていたこともあり、創価学会がノストラダムスを布教に使ったと言う批判もある。

どちらにしろアントニオ猪木が世界一強くプロレスが真剣勝負であると信じられ、ユリゲラーのスプーンマジックが真面目に信じられた時代、初(うぶ)な時代だからこそ予言は社会現象とまで言えるブームを巻き起こしたのだ。 

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本物の予言者は

結局、1999年には筆者はすでに物書きとしてデビューしており、会社員との兼業で忙しい日々を送っており、気がついた時点では既にアンゴルモアの大王は降りてきた後であった。所詮予言など「その程度」のものでしかなかったのだ。

しかし後年、オウム真理教の布教活動にもノストラダムスは使用され、これまた多くの人々が洗脳される結果となり、大きな問題となった。

また、更に後に起こる「2012年マヤ暦予言」の時も世界中がパニックになった。日本はノストラダムスの失敗があったため、そこまでパニックはならなかったものの、大きな話題となったのは間違いない。

安易な予言など当たるわけがない。どれもこれも偽物である。当てようと思って占っている人の予言は外れることが多いが、意識のうちに頭に入り込んでいる事実が的中することがある。無意識下の予感、それぐらい無垢な出来事が未来を的中させることがある。子供の予言などがそうだ。果たして、広い世界のどこかに本物の予言者・預言者はいるのだろうか。

文:山口敏太郎



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